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2F/当番ノート

ゆくとこ くるとこ

当番ノート 第12期

古い年と新しい年の渚である年の瀬に、地元に戻ってきました。
ぼくの地元は二つあります。
一つは18まで育った場所、姫路。
それと、18から22まで過ごした場所、京都。
そんな京都は偶然、ほんとの地元になりました。
お父ちゃんがおうちを建てたからです。
帰省するとなると、ほんとに京都に来ることになりました。
なので、年の瀬にはその二つの地元に戻ります。今回もそうでした。
今回の文章はとても日記です。どうもすみません。

京都には2年ぶりに戻りました。
京都では、竹工芸の作家の方と食事をしました。
面白いつながりですが、東京と大阪で、同じ劇団に別々に関わっていて、
今回お会いしましょうかーとなった方です。
ぼくはみかんが好きです。そのみかんを入れるかごが欲しかったので、
その方にお願いしました。
その方はぼくの想像を超える愛嬌のある竹かごを作ってくださいました。
お礼にぼくは絵を贈りました。
ぼくは近ごろ交換することにとても興味を持っていて、
ことあるごとに交換を行います。
こうやって、お互いの出来ることを交換することで、その時の笑顔をみることで、
お互いの出来ることに対する素直な敬意と、誇りを持った充実感を実感出来るように思います。
それが喜びになり愛着になり、そして自信にもなると、改めて思いました。
そのお会いした場所は、ぼくが昔よく通っていた京都の居酒屋さんで働いてた方が、
独立して最近開いたお店です。
とても美味しい料理とお酒をいただきました。
そして竹の作家の方とその料理人の方にも交換を勧めて、
もしかしたら新しい関係がはじまるかもしれませんね。うれしいですね。

そして、生まれ故郷で年明けを過ごしました。
生まれ故郷の姫路、そこでの昔からの友人の多くはぼくと同じように、
その町からは出ています。そんな彼らもこの時期は戻ってきて、
この町に残る友人たちも加わって、毎年飲んだくれています。
今年は例年と少し違っていて、多くの友人が家族を持ち、子どもを持つようになったので、
お昼のお食事会でした。
ぼくが唯一の自信を持つことは、子どもたちからの人気です。
ぼくはたくさんの子どもたちと仲良くなれるのです。友だちになれるのです。
今回も、友だちの子ども、まだまだ赤ん坊ですが、彼と友だちになりました。
とてもいいやつです。いい顔で笑うのです。赤ん坊はいいやつですね。
そんないいやつらとは夕方にはお別れして、
独身の友人たちと年越しまで飲んだくれておりました。
こんな風に、ただひたすらバカをやって過ごせる友だちは、
ここ姫路の友人たちだけかもしれません。いや、他の友だちもそうだけれども、
なんか地元の友だちってのは、少し違うものですね。
何年も会わなくても何も変わらず、変わる必要もない関係というのは、
ある意味特別です。これからも大切にしたいと思います。

ただ、姫路という町は、1年ごとに戻るたびに、変化がすごく早いです。
とくに近年は駅前開発がすごくって、ぼくが知っている姫路の風景は、
もう、ありません。
それがいやだというノスタルジーはあまり湧かなかったのですが、
そのスピードの速さに、いつものことながらとてもびっくりして、
ぼくのように立ち止まりがちな様々を、せかいはいつも置いてけぼりにして、
猛ダッシュしているんだなあと思いました。
そして、お酒も相まって、号泣してしまいました。

そしておばあちゃんのおうちでごちそうをいただく正月でした。
おばあちゃんは、日本酒のことしか酒と言わないし、
レンコンのことをハスと言うから、とても好きです。おばあちゃんはおしゃれなのです。
1歳になった姪っ子とも戯れて仲良く過ごしました。姪っ子はとてもいいやつです。

日々を過ごす間にどんどん場所というものの意味や、そことの関わり方も変わっていて、
故郷とはいったいなんだろうなあ、と思うこともたくさんあります。
このアパートメントに入ったときにも思いましたが、
やはり帰る場所というのが、まだまだどんどん変化中です。
そういうことを、いままでいた故郷に帰ってくるとたくさん思い出されます。
今年もたくさんの寄り道をすると思います。
いろんな寄り道が、今年も楽しみだなあと思える帰省になりました。

今年もよろしくお願いいたします。

年賀状2014

熊野 英信

熊野 英信

1984年から生きてます。
絵とことば。
カレーと珈琲。
音楽とさんぽ。

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