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2F/当番ノート

タバコがやめられるかもしれない話

当番ノート 第12期

<タバコがやめられるかもしれない話>

午前11時30分に足が攣って、激痛のうちに目覚める。
三十秒くらいうめき声をあげていると、痛みは次第に和らいでゆく。
しかし勢いよく足を動かすと、また攣りそうなので、ゆっくりゆっくり足を元の位置に戻す。
心拍数があがった状態で、とりあえず枕元のiphoneを手に取る。
LINEが8件、メールが三件、着信が1件入っている。
舌打ちをしながらそれを放っておき、性欲が無いのにxvideosにアクセスする。
5秒眺めてiphoneを放りだす。
テレビをつける。
彼女が録画した『曲げられない女』というドラマを再生する。
いま3話目である。
話の展開は全然把握していないが、一応1話目から観ている。
主演の菅野美穂は素敵だが、大ファンというわけでもない。
とりあえずトイレにいく。
トイレで用を足し、ミネラルウォーターをがぶ飲みする。
だいたい俺は東京人でも無いのにミネラルウォーターを飲む奴が大嫌いで、
水道水飲みやがれ調子乗んなこの野郎と常々思っていたが、
彼女と同棲を開始してからいつの間にか水道水を飲まなくなっていた。
まったく恥ずかしい。
俺は攣った足をゆっくり引きずりながら、慎重に布団に潜り込む。
ぬくもりを感じながらまたiphoneを手に取り、
LINEの返信をはじめる。
なかなかに面倒くさい。
メールは三件来ていたが、二件はよく分からないどっかの店のメッセージで、
メール解除方法を知らないし調べるのも面倒で放置したままのやつだ。
残り一件のメールを返信するべく、文字を打ち込んでいると、
テレビの中から菅野美穂が『あたしだってこんな息苦しい生活はしたくないわよ!!!!』
などと絶叫してうるさかったので、『やかましいわ!!』と一喝してやった。
しかしまだ延々とグチグチグチのたまっているのでいるので、
『やめちまえこのハゲ!!』と、また一喝するとようやくテレビが静かになった。
良かった。
で、今度は着信履歴を見て電話する。
しかし、だいたい向こうは出ない。
誰も彼も仕事中なのだから仕方が無い。
とりあえずすべてのコールに対してこちらがレスポンスを示したところで安心して目を閉じる。
寝る。
旧日本軍の夢を見る。
夜な夜な太平洋戦争のことばっかり調べているので、最近の夢はもっぱら旧日本軍の玉砕のシーン。
まったくうんざりする。
目覚める。
ボーッとする。
ライヴハウスの仕事をしているので、ブッキングの連絡をいくつかこなす。
シャワーを浴びる。
そこで俺はようやくタバコに火をつけるのであった。

そろそろ本当に禁煙したいと思っています。

ノダ フルタ

ノダ フルタ

ライヴハウス騒弦店長です。アドバルーンというバンドに参加しています。

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