どうもお疲れ様です! 日下です。
2回目の今日は、今担当しているお仕事を元に、実際にどうやってデジタルで描いているかを、簡単にご紹介できればと思います。
まず今日ご紹介するお仕事はこちら。
兵庫県は丹波にある酒蔵「山名酒造株式会社」から発行されている季刊誌「酒蔵便り」。年四回発行され、僕は今年1年間イラストからデザインまで担当しています。
ちなみに今回ご紹介するのは夏号です。
簡単に説明させていただきますと、今回は4回に分けたストーリー仕立てにしていて、北欧神話に出てくる「詩の蜜酒」をモチーフにしています。「詩の蜜酒」とは呑めば誰でも詩人や賢者になれると言われているお酒。言葉をなくした三流詩人の主人公が、言葉を見つけるために旅をして、そして辿り着いた丹波の地で「詩の蜜酒」の研究レポートを、丹波のお酒とともに発表する流れになっています。
いつも絵を描くときは、ほぼこれぐらいの物語を自分の中で想定してから描き始めます。もわもわーと大体のイメージを頭の中で想定できたら、まず絵を描き始めます。ここでphotoshopが登場。
今回の絵はA3原寸サイズに塗り足しを含めたサイズで、印刷するのでカラーモードをCMYKに、解像度を350に設定します。この白地から下書きなしで着色していくのですが、僕はほぼ「ブラシツール」だけを使います。僕の描き方の全てを説明すると、かなり長くなってしまうので、ここはざっくりと。
絵を描く際のポイントは大きく3つ。1つめはレイヤーは大体3つのレイヤーに分かれるイメージで。2つめはブラシツールをカスタマイズしまくる。3つめは根気よくマウスをぐりぐり・カチカチです。
1つめの「レイヤーは大体3つのレイヤーに分かれるイメージ」についてですが、画像のように、一番奥に背景、真ん中に人物などのキャラクター、一番前に木など、あまり奥行きを持たせないよう絶妙なバランスで2Dになるよう意識して描いています。
2つめの「ブラシツールをカスタマイズしまくる」は、photoshopに標準で備えてあるブラシツールのプリセットを呼ばれる設定を色々いじくると、画像のような掠れた質感のブラシが出来上がります。僕はほぼこれ1本のみを使用。ここら、水彩の設定にして塗る重ねたり、筆圧の設定を変えたりすると、硬いタッチや柔らかいタッチを表現できます。そして3つめ、「根気よくマウスをぐりぐり・カチカチ」して塗り進めていき、最後に壁のテクスチャー写真をブレンドモード「オーバーレイ」にして、サインを入れて完成です。
あとはこれをイラストレーター上に配置して、ロゴマークなどデザインしていけば一つの仕事が完成します。
こんな感じで、いつも仕事をしています。
もっと簡単にお伝えできたらよかったのですが、やっぱりそれら全てを説明するのはとても難しいですね。そしてphotoshopを使い慣れていない方からしたら、聞き慣れない専門用語も出てきてすいません!
ご興味があって、何か聞きたい方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください!
仕事で描く場合はこれでいいとして、僕はやっぱりよく深い人間。ある一つの疑問が浮かびました。
それは、このデジタルイラストレーションが、「芸術作品」として認められるにはどうしたらいいんだろうということ。そこから色々印刷を試していくことになりました。
次回は、いつも作品としてだしている印刷のことなどご紹介できればと思います。
最後に、完成した「酒蔵便り」もご覧いただければ幸いです!