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2F/当番ノート

地域活性化を仕事にしたい。と思っていた僕がアラサーの今思うこと。

当番ノート 第23期

地域活性化やまちづくりに関わる仕事をしたい。

そう僕が思ったのは21~22歳の頃だったと思う。

もちろんそれ以前の高校生の時にも、廃れゆく地元商店街を見てテナント開発をしたいなどと生意気な妄想はしていたけど、本当に仕事としてやりたいとまでは思っていなかった。

そんな僕ももうアラサー。

諦めの悪い僕は、大学卒業後地元に戻り、まちづくりNPOで一年間働き、その後自分の事業を起こし、今も続けている。

続けていると言っても上手くいっているわけではなく、日々とても大変です。生き延びるために必死です。

起業というのは、外から見るとかっこいいようで、実際は何もかっこいいものではなくて、本当に泥臭くどこまで耐えてやりきれるかということのように思う。

起業は絶対にお勧めしない。

(やるなと言われてもやる人には、本当に勧めたい)

学生の時の僕と同じように、地域活性化を仕事にしたいと思う学生から相談を受けたりもする。

これまで精一杯その分野で走り抜けてきて、いろいろと思うところがあるので、試しに書いてみたいと思ったのです。

まず最初に、地域活性化の定義というか、僕自身がそれをどういうものと捉えているかをお話しておこうと思います。

地域活性化という言葉は、使う人によってイメージも違うので、あくまで僕個人の考えを先に出しておかないと、この後に話を進められないです。

僕自身は、地域活性化はその地域に関わる個々人の自己実現の連なりと考えています。

一人一人が自分の花をしっかりと咲かせることができて、そのまとまりが花畑に見える。

HAPPYな個人がたくさんいる地域は素敵だなぁと思います。

個人的に、地域活性化やまちづくりという方面で生きていきたいと思った時に一番大切なことは、物事との向き合い方なんじゃないかと思っています。

敬意を持って人と接すること(気がつかないうちに上から目線にならないこと)を特に気をつけています。

そもそも、「地域活性化」「まちづくり」という言葉はおこがましい言葉。

学生が限界集落に出向いて「この村を地域活性化します!」みたいなのは、本人としては良かれと思っていてもそこに住む人からすると、なかなかに失礼な若者です。

311以降の東北へのボランテイアでも、学生ボランティア団体と現地をおつなぎする仕事もしていたのですが、毎回伝えていたのは、「避難者の方々は、避難者である以前に一人の人生の先輩だということを忘れないでください。」ということ。

これは自分自身に言い聞かせている言葉でもあったのです。

さて、タイトルの「地域活性化を仕事にしたい。と思っていた僕がアラサーの今思うこと。」を少しだけ書いてみたいと思います。

1、お金で解決できることはお金で解決した方がいい

これは地域の課題がいくつも上がる中で、地域NPOなどがソーシャルな感じの課題解決策で(行政予算を使って)動く場合に、本当にその方法が課題解決への近道なのか?本当はソーシャル(な雰囲気)なんていらなくて、普通にお金を稼いだ方がいいんじゃないのか?ということを考えなければいけない。これは自戒の念も込めてそう思います。

社会的な手法以前に、ただただお金があれば解決する問題を、遠回しに社会的風に仕立てて行政予算を取りに行って、1年間のお試し事業で終わったらさようならではしょうがない。

世の中に蔓延する地域の課題と呼ばれるものたちの中には、稼げていないことによる問題というのがたくさんあると思う。

もちろん、お金で解決できない問題もたくさんあるし、そういったところを工夫していくのが社会起業的なものだと思う。

お金を稼ぐことは悪いことではないし、むしろまずはしっかりと稼いでから、その上でその次を目指すべき。

これはわかっていても、学生の時から根っからのソーシャル脳になっている人にはなかなか覚悟を決めて行動し習慣にするのが難しい。

けどやらねば、生き残れない。

生き残って、その上で自分たちの理想を語っていく。実現していく。

2、地元はコンサルしたり、プロデュースしたりできない

僕の中でこれは大きな気づきだった。

地域活性化の仕事というと、地域活性化コンサルタントや地域活性化プロデューサーというような人たちがいる。
なんとなくかっこよくは聞こえるけれど、この辺の職業は学生の時に思っていたかっこいい職業ではないと今は思う。
そこについては詳しくは書かないけれど、アラサーになった僕はそう思うようになった。
自分自身もそういう肩書きを名乗りたくはない。
もちろん、人にそう勝手に呼ばれるようなら素晴らしいことだとは思う。
僕自身、学生の時はそういう肩書きに憧れていた。

地域活性化コンサルタントorプロデューサーに憧れていた僕が、地元はコンサルしたり、プロデュースしたりできないと気付いた理由は

まず、地元では一住人でありプレイヤーである

とにかくこれ。地元を地域活性化となれば、自分は主体です。一人の住人としていかに貢献するか。

外野からものを言う人ではなく、自分が変わり、周りが変わり、地域が変わっていく中心にならなきゃです。
(僕もまだまだですが、、、、、)

華々しくコンサルするよりも、地道に地域の役割を担っていく中の人として生きていくこと。僕は、そっちの方が大事だと思うんです。

お金をもらって仕事で地域を活性化するんじゃなくて、自分の事業でも、お勤めでもしっかりと働いて地域に還元することを僕はしていきたい。その上でさらに地域のためにできることをしていきたい。

お金を払って、かつ役割も全うする。地域という共同事業体に参画するというのは、本来そういうもののように思います。

もちろん次の世代のために、より良い地域を残していくために。

そもそも、地元は自分がお世話になっている方々がたくさんいて、その中でプロデュースしますとはなかなかの違和感。

そんなおこがましいことは恐れ多くて頼まれてもできない。

そんなわけで、やはり地元はコンサルしたりプロデュースしたりできないというのが自分の結論でした。

じゃあ、どうやったら地域活性化を仕事にできるのか?

それは僕の場合、地域活性化を仕事にしないという結論でした。

僕の場合は会社をやっているので、自分の事業でしっかり結果を出し、お客様と社員、社員家族、その他にも関わる多くの人が継続してHAPPYであることを目指し、その結果として地域の活性化に貢献していきたいと思っています。

加えて仕事外でも、村の係や、消防団など地域の仕事は色々あります。

新しい地域活性化のプロジェクトを起こすのは華がありますしもちろん大切なことかもしれませんが、実は地域に本当に必要なのはこういう元々ある役割をちゃんと担うとかそういうことなのではないかと思います。

さらに言えば、その地域の仕事の質を高めたり、意外と面白いよと同級生に声を掛けて参加を促したり、特別なことではなく、そういうことが本当に大事だと思います。

なので起業でなくても、会社勤めでも、公務員でも先人たちが担ってきた役割をしっかりと受けつでいくというのは、当然ですが大変意味のあることだと思います。

公務員の方でその辺の自信がない友達もいますが、役所の仕事だけでなく、地域の祭りの中心を担ったりしている所も含めて、僕は彼らを誇りに思っています。子供がいたらなおさらリスペクトです。

結論としては、

自分が愛する地域があり、その地域を活性化したいなら、

地域に住んで、しっかり稼いで自立して、

祭りや消防などの役割もしっかりと担い、

家族を大切にし、子供を育てていく。

あととても大事なのが、選挙にちゃんと行くこと。

当たり前のようなことを書きましたが、本当にそう思います。

特別なことをやってこれができていないと本末転倒のように思います。

まずは自分自身がしっかりと生きること。

そしてその先に、さらに自分たちの人生が面白くなる仕掛けをしていけたらいいなぁと僕は思っています。

吉助

吉助

大人になっても置いて来ることのできなかった幼さや少年性が、僕の中に図々しくも未だ居座っている。彼らが完全に居なくなるのは寂しいが、日常つきまとわれていたのではどうも効率が悪い。働き詰めで生きていると、どうしても彼らの居場所というのは無くなっていく。
今回アパートメントで連載させて頂くことになり、どういう形で入居しようかと考えていた。そうだ、彼らの居場所を作ってあげよう。

大人になっても消えない内なる少年たち。
彼らが見た感じた思いつることを、ゆるゆると。

自分の弱さと素直な希望に向き合う、そんな部屋。

Reviewed by
美奈子

「中の人として生きていく」。普通に暮らしていくということ。みながより楽しく過ごしていける日々を作っていく、ということ。

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