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2F/当番ノート

Gisselle

第38期(2018年4月-5月)

ジゼルについて

私の所属しているカンパニーでは今シーズンにジゼルを2回上演しました。

ジゼルは私が初めてプロの団体に加わった時に参加した作品です。

その頃日本で私が所属していたバレエ団ではジゼルをよく上演していました。

ジゼルの二幕はコールドバレエにとってとても難しい場面です。
結婚を前に死んでしまった娘たちが妖精となって森に入ってきた男を死ぬまで踊らせて殺すという踊りです。

顔や体の角度、手の位置、全員で作る斜め、16カウント静止するアラベスク、アラベスクでの全員での交差、、、、、

初めてのプロの舞台で私はとても緊張しながら毎回のリハーサルに参加しました。

本番の舞台では全員が斜めに並ぶ場面の時に、自分のいるところからものすごくその斜めが果てしなく長く見えました。
緊張しすぎて視界がおかしかったのだと思います。

いまではそこまでの緊張はしなくなりましたが、ジゼル二幕には独特の緊張感があり、神経を使います。

みんなで息を潜めて踊るような踊り。

みんなで森に入ってきた男を呪い殺す踊りです。

群舞が息を合わせないとこの作品の意味はなくなります。

でもみんなの息があった時、一体感が感じられ、周りの人全てと分かり合えたような気持になります。

群舞の醍醐味だと思います。

ジゼルは今も昔も人々に愛されてきたバレエです。

自分を裏切った恋人を自分が死んでしまっても、許し、守るという選択をしたジゼルに人々は共感し、
その愛に感動するからだと思います。

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合田 紗希

合田 紗希

倉敷市出身  
ルーマニア黒海近くの劇場でバレエを踊っています。
ビールとcafeと海が好きです。

Reviewed by
高野 裕子

ロマンティックバレエ の代表作品「ジゼル」。
いまから150年ほど前に初演され、現在まで踊り継がれている名作。
この作品の後半に、死後、ウィリという妖精になった娘達が群をなして踊るシーンがある。

クラシックバレエだけでなく、ダンス全般に存在する「群舞」。
「白鳥の湖」や「眠りの森の美女」など著名な作品には必ず群舞シーンが登場するし、コンテンポラリーダンスでも群舞のシーンがある作品もある。

「他者と揃える」
これは簡単なようで、本当に本当に難しいことである。
動きや呼吸、角度やフォルム、目線、質感、一歩の歩幅...
自分自身の踊りを磨き表現することに加え、周りを感じ、揃えることを要求される、とても高度で大切な役割。

どれだけ呼吸が上がっても、汗をかいても、じっとポーズし続けることもある。
万華鏡のように移り変わるフォーメーションの変化も見所のひとつ。
何とも言えない、ひとつの生命体のようなエネルギーを持ち、その作品の奥深さを生み出していく。

又、昨今ではバレエの古典作品を新しい作品として再解釈し、上演されている。
クラシックバレエ作品としては馴染みの深い、先出の「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」はもちろん、この「ジゼル」も現代を生きる振付家により、新しい解釈のもと振付・上演が行われている。
例えばマッツ・エクというスウェーデンの振付家は「ジゼル」の後半の上演背景を精神病棟に置き換え、1982年に演出、上演した。
古典と言われる作品が時代の流れと共に様々な解釈を経て、振付や衣装、社会背景を置き換え、いまもなお上演され続けていることもダンスの魅力のひとつだと思う。

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「ジゼル」
1841年にフランスで初演されたバレエ作品。全2幕。
振付:ジャン・コラーリとジュール・ペロー
作曲:アドルフ・アダン

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