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2F/当番ノート

私の話

当番ノート 第40期

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わたくし【私】
①公に対し、自分一身に関する事柄。
 うちうちの事柄。
②表ざたにしない事。ひそか。
 内密。秘密。
③自分だけの利益や都合を考えること。
 ほしいままなこと。自分勝手。

じこ・しょうかい【自己紹介】
初対面の人に自分の名前・身分・経歴・趣味などを
自身で言い知らせること。

-『広辞苑 第七版』より抜粋 -

私たちはリアリティの構築に参画している。

とある芸術家が語っていた言葉が
いつまでも忘れられずに残っている。

今回は私の話をしようと思う。
私と遊びについての自己紹介だ。

私は昔からよく遊ぶ子供であった。
誰もがそうであったように
意識をすることなく遊びという魔法を使い、
世界と親しみを持って生きていた。

去年の夏、
大切な人との別れを経験した私は
その日から一切の魔法を使えなくなった。
私の世界を照らしていた光は
自分でも驚くほど呆気なく、簡単に消えていった。
視界には不透明なベールがかかるようになり、
日に日に厚みを重ねるそれに為す術もなく、
少しずつ私は生きることと向き合えなくなっていった。

何がきっかけだったのだろうか。
それは今では思い出せないけれど、
あるときから私は
もう一度美しい世界を見たいと
遊びながら子供のように生きていたいと願うようになり、
そして今度は意識をしてその魔法を使うようになった。

まず私は光を取り戻すことにした。
Twitterを始めて毎日ひとつ
たのしかったことを呟くことにした。
ポラロイドカメラを買って
1日一枚写真を撮るようにした。
祈るように日々に潜む光を見つめ、
すがるようにそれらを形に残していった。
そうして日々を過ごしていくうちに
少しずつ世界は明るさを取り戻し、
やがて私は再び大切な魔法を使えるようになっていた。

あるモノコトを見たとき聴いたとき触れたとき
自分がそれをどのように解釈するのか。
その行為が私たちそれぞれの
みんなの世界を創り上げている。

他人からしたら私の解釈は
本質から目をそらしているだけに見えるかも知れない。
都合の良い綺麗事を並べているだけなのかも知れない。
それでもそれが自分で調べ自分で考え、
そうして導き出した答えであるならば
これが正しいとそう強く言い切ろう。

私たちは天の川を走る汽車の中で渡された
そのたった一つの切符を無くさないように、
しっかりと握りしめていれさえすればいいのだから。

世界は私たちに語りかけてくる。
朝日の歌声で星たちの囁きで。
私たちは世界を翻訳することができる。
この目で耳で、頭で心で。

さあ、明日はあなたの話を聞きに行こう。

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