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2F/当番ノート

2019年9月7日(土)スリランカの海と夕陽と、ビビビなことと。

当番ノート 第46期

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人生や価値観が変わるほどの何かに出会うって、どんな感じなのだろう。いや、というのもネ、「海外に行くと人生が変わる」なんてだれがいったのか(だれもいってないか)知らんけど、今、私は2度目の海外旅行中であり、「Sri Lankaなう」なのだ。前回、海外に行ったのは12年前に行ったロンドンくらいで、その時はさほど「人生が変わる」ような出来事はなかった(気がする)。そもそも人生が変わる出会いの瞬間って、わかるのだろうか。松田聖子さんがいっていたように、ビビビときたりするのだろうか。

まあ、ね。

ほとんどの場合、そんなビビビみたいな話はなくって、たくさんの出会いや学びだとかの積み重ねが徐々に価値観を形成していき、後々振り返った時に「人生が変わった」と思うのかもしれない。それでも「雷に打たれるような衝撃的な出会い」をしてみたいなんて、宝くじに当たらないかなァ、みたいなしょうもない期待を淡く抱いている自分もいる。

まあ、10日程度の滞在ではあるが、人生で2度目の海外だ。単純にワクワクしていた。

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7日(土)はSri Lankaの最大首都であるColomboの海岸沿いにあるGalle Face Greenに訪れた。海沿いに細長く続く道や広場が整えられ、周辺には5つ星ホテルや建設中のビルや埋立地が見える。たこあげをする親子や夕陽を眺める若者、母親と手を繋ぎうれしそうに歩く小さな子ども、ごきげんな露店商。すれ違う人の多くは目が合うとみんな微笑んでくれる(スリランカの人はとてもよく笑い、気さくな印象だ)。これから変わり続けるのだろうなぁと想像できるこのエリアは、私のような旅行者が見る非日常と、地元の人の日常が入り混ざる不思議な場所だった。

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18時頃になると荒い波の向こうに、夕陽が沈みはじめた。その時の言葉でそのまま表現すると「めっちゃ、やべえ!! めっちゃ、いい!! Colombo住みてぇ」だ。現地に住み、Galle Face Greenを案内してくださった方が「何もない日は、だいたい(夕陽を)見ていますね」なんて、ごく自然に仰っていた(かっこいい)。きっと、なににも制限されずにいれば、グッとくる光景なんていつでも近くにあるんだろう。

今は、「滞在7日目の朝なう」だ。振り返ってみると、少し背伸びして入るような豪華なホテルもレストランも、有名な観光地もすてきだけれど、結局胸を打つのは、人の暮らしや自然が作る穏やかな日常の風景だった。それはきっと、どこにいても同じだろう。

とはいえ、雷に打たれるような衝撃的な出会いを期待してしまうようなバランスの悪さも私にとって必要なのかもしれない。

細野 由季恵

細野 由季恵

1986年生まれ、札幌出身。フリーランスの編集者です。

Reviewed by
ハヤシ ミユウ

私も一緒に旅をしている気分でほわわんと浸っていたら、突然来たグッとくる言葉。なんだか背伸びしすぎてたかな〜なんて、。

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