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2F/当番ノート

ちきゅうの一瞬 (堂々たる間借り)

当番ノート 第55期

こんにちは、mopoka です。アニメーションを作ったり、絵本の画を描かせていただいたり、時々、大学や小学校にお邪魔して、先の読めない道の糧は、実は今日こしらえてる、的な話をして、感性と夢と、他人との交流により明らかになる個性(武器)を知る為、人と生きましょう… なんてことを強気にお伝えしたりしなかったり。

それもこれも、人との違いを感じるごとに、戸惑っていたし、いまだ戸惑っているからで、熱を持って話し合いたいことでもあるからです。

アパートメントでは、話してみたかったことを、書いてみようと思います。

私は地球に後入りした感覚がすごくあります。

三姉妹の末なので、私が生まれる前の家族旅行の話を聞くと、あれ?おかしいな?なんで私知らないの?と小さい頃から何度も思いましたし、その度「あなたはママのおへその隙間から覗いてたのよ」と説明されて、同席していることになっていました。

幼いながら、なるほど、おへその穴からみてたのか。私は、地球でみんなの見えるところにいる時間と、みんなからは見えないけど、おへそからみんなをみている時間があったんだな、と納得しました。

幼稚園も「今日は行くのやめとこうかな?」と、自分で時間の過ごし方を選べると思っていましたし、母も「そう?行ってみたら楽しいんじゃない?」とやんわり促してくれていたので、「毎日通うしかない」ものがあることを思い知るのは小学校に入ってからでした。

なぜみんなニコニコと毎日平然と疑問をもたずに通っているのだろう。(内心は知らないけど、そう見える)

「日本海」と「太平洋」。なんで日本の周りの海を全て「日本海」と言わずに、左側だけそういうの?そして、それを覚えてテストに書きなさいって、なぁぜ?

10mmが1cmで、1リットルは1kgで、平安時代の次は鎌倉時代ですから覚えましょ〜ってことが山積みで、なんでもかんでも、先に生まれた人たちが決めてて、めちゃめちゃ地球に後入りしてんな!て痛感するばかりで、宇宙人から上手いこと地球人になる為の教育を、受けるハメになる地球に降りちまったな…とよく思いました。

あと、物心ついた頃から、目をつぶると浮かぶ強烈なある一つの映像があるんです。同じような経験を持っている人はいるのかな。

ポワポワとふんわりした毛がビッシリ生えてるサンゴみたいなものがいくつかあって、どんどんとそれがふんわりふんわり幸せに膨らむのだけど、ある瞬間、強い光線に世界が包まれて、さっきまで幸福に溢れてふんわり膨らんでた生命体(サンゴのような植物のようなもの)が、ジュワァーっとすごい勢いで蒸発して、真っ黒のゲソゲソに痩せ細ってただれてグチャグチャの強烈な異形に変わってしまい、その荒廃した一面の景色は真っ黒のグチャグチャのゲソゲソの一面に変わってしまうのだ。その一連の映像が、私の脳裏に何度も何度も繰り返された。

いつも、これはなんなんだろう…と思うし、光線のあとのグチャグチャの黒い景色は、浮かぶ度恐怖と悲しみで涙が溢れるのだ。幼稚園、小学生、中学生の時に勝手に頭に浮かんで、高校から今までは、浮かぶと言うより、浮かんだことを記憶として覚えている。

健康体だった私は19歳の時に、突如急性骨髄性白血病を患った。最初にお医者さんに聞かれたのは「家族に被曝された方はいますか?」だった。身内にはいなかったが、白血病と原爆に繋がりがあるのか、と強く印象に残った。

治療の途中、生きるか死ぬか、半々だった時があったと、後からお医者さんが聞かせてくれた。本当にありがたいことに、地球に居残らせてもらえることになった。

それから思いっきり絵とアニメーションの勉強をして、お仕事をさせていただくようになって、ある仕事で、広島の原爆について調べることがあった。水爆実験の映像や、原爆のスケッチや、写真を見れば見るほど、幼少期から脳にこびりついてる真っ黒の景色に似てるのだ。私の脳には、あるプラネットの景色のように見えてるので、原爆そのものじゃないんだけど、グチャグチャの真っ黒が似てて。不思議なのだ。

あと、小さい頃からずっと妙な感覚も持っていた。大病を患ってからそれが鮮明になり、はっきりした。この世に形をもたない方の存在を感知するアンテナがどうやら私にはついてるようです。
最近は、アンテナを立てないスキルが身についたので、今度、過去の経験を話そうと思っています。 おやすみなさい おはようございます

梅が香る、日本の一瞬。

mopoka

mopoka

アニメーション作家、絵本画家。
小学生の頃から、町会の掲示板のポスターや、電信柱に貼られてるチラシや、電車に貼られてるポスターなど、身の回りに溢れる「絵」が一体だれが、どこから頼まれて描いてるのか、不思議ですごく知りたかった。
いまだ、不思議に思って眺めてしまう。

Reviewed by
早間 果実

『ダルちゃん』ってマンガが大好きでほんと傑作で、あれ読むと誰もかも元は宇宙人(というか生命体)で、ふだん地球人に擬態してるだけなのね、って合点がいきます。
一つひとつ、疑問を持たずにそうと決まっているからと深く考えないほうが、負荷の少ないヘルシーな生き方かもしれません。
いや、実際にそうなんだ。いろいろ考えずに流してる。
でもひとたび、それっぽい当たり前というやつにヒビが入ると、もう見過ごせなくなる。
生きづらいね。こんなこと言ったら大げさだって笑われるのかな。
みんな違う目玉と重力で生きているから、同じものを同じように見たり感じたりはできない。
わかるよなんて幻想。
それでもわかりたいと思ってしまうのが人の業で。
欲して欲して、言葉などをつくってしまったのかな。
わからないけど、私は話を聞きたい。
ただただ聴いていたい。
その先に何かあってもなくても。

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