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2F/当番ノート

「当たるも八卦、当たらぬも八卦」

当番ノート 第57期

手相星座姓名判断四柱推命エトセトラ。

私は射手座のB型で、友達に言わせると生命線が2本あるらしい。一体誰の命を背負ってるんだ、業が深すぎる。

占いに目覚めたのは小学校低学年の頃。星座占いやタロットカードの存在を知り、不思議でファンタジーな世界に浸りまくった。

その頃描いていた絵には、何かしらの力を宿したステッキを持った女の子や、天使の羽根を生やしたフリルどっさりなお洋服のお姫様が多数登場。

お姫様要素に魔法少女要素が加わりはじめた年のクリスマスプレゼントがまずかった。

『いて座』と『おまじない』の本

混ぜるな禁止をガン無視したサンタクロース(母)の手によって、姫×魔法×おまじない×星座×占いの世界観が展開されてしまった。脳内ファンタジー欲張りセット。

占いにどハマりした理由はもうひとつある。

実は齢7歳にして恋多き女だったのだ。好きな人と結ばれるためにも占いは欠かせない。

席替えの前日にはタロットカードで未来を占う。当日は誰よりも早く登校して、ハートのエースのカードを千切ったものを隣の席になりたい男の子の机の上に置かなければいけなかった、のだが。

基本遅刻ギリギリ登校だったので、おまじないを仕込むまでもなくその場限りの神頼みで席替えのくじを引いていた。

消しゴムのカバーの裏に好きな人の名前を書いて、その消しゴムを誰にも触らせずに使い切ったら両思いになる、とか懐かしいなあ。

「おしゃべり上手なピンクリン♪」と心の中で3回唱えると好きな男の子と上手に話せるようになるおまじないとか。

……なぜか恥ずかしさを覚える上に、まったく意味がわからない言葉を3回も念じられる強い心があったら、そりゃ話しかけられるだろうよ。ピンクリンて誰だ。検索しても出てこなかった。

時は流れ現在アラサー。

立派な大人になり「まあ占いはエンタメだよね笑」と言えるように……はなりませんでした。

好奇心で入った中華街の手相占いで「2年前に婚期がありました……次は36歳です」と言われて白目を剥いたり、良くないご縁がありそうなときには勇んで縁切り神社に行こうとするし、なんだか幼い頃より節操がない。

いろいろ込み入ってきたからこそ占いに頼りたくなるものなのだろうか。

ただただ関わる人が減っただけのスマートではない人間関係。男女問わない出会いのなさや、些細な揉め事の重大性。生活における資金繰り。センスがない上に、思うようには身につかない仕事の要領。

どうしても先が明るいとは言えない。

策を講じてきちんと物事にあたれば、上記の諸々は少なからず改善されるのだと分かっているのに「仕事のミスを減らすおまじない」「仕事ができるようになるおまじない」があったらどんなに恥ずかしい文字列だろうが、きっと朗々と読み上げてしまう。

古代の人々が亀の甲羅を焼いて国の行く末を予想すのを(こんなアホらしい事で国を動かすなよ)とバカにしていた私には、どうにも立ち行かなくなった人を思う心が欠けていたようだ。今なら焼くもん、亀の甲羅。

なんともまとまらない今回、一丁”本名漢字表記”で姓名判断をしてみて終わろうと思う。いざこい、検索トップの占いサイト。

仕事運→凶 家庭運→大吉

こんなにきれいにオチがつくことがあっていいのか??

……婚期を逃し超ハッピーな家庭運を手にできなかった私に、何卒仕事ができるようになるおまじないを教えてください。

***

“スズキコトハ”でもやってみよ……

仕事運→大吉 家庭運→大凶

この名前で仕事しようかなあ。

スズキコトハ

スズキコトハ

なにかと粗忽な会社員。趣味は広告や看板を読むこと。小学生の頃ぶりに交換日記をしてみたいが相手がいない。

Reviewed by
藻(mo)

いったいどこに由来があるんだという文言(文字列?)の、たくさんのおまじない。
私も小さい頃、いろんな場面でたくさんのおまじないを唱えていた。(占いっていって、たくさんの花びらをむしったなあ)
意味はよくわからない文字列だけど、唱えることで勇気づけられることがたくさんあったのだ。

それにしても、「おしゃべり上手なピンクリン♪」ていうのは初めてきいたけど、おまじないのコトバって、いわばローカルルールみたいなのがあるのかな。

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