当番ノート 第19期
先日渋谷区役所の前で、同性愛パートナーシップ条例反対の運動を見かけて、留学していた頃を思い出しました。 私がパリに留学していた2012年にもフランスでは同性婚への活発な動きがあったのです。 2013年の五月に正式に合法化となりフランスは同性婚を認める14番目の国となりました。 同性婚に関する意見交換は同性同士の恋愛や結婚概念から枠を越えて、異性間でも養子縁組制度や、そもそもの結婚制度のありかた、家…
当番ノート 第19期
【第6話 顔とヤバい女の子】 ◾︎鉢かづき姫 (ああ、もっと美人に生まれたかった!) 美醜は一般的に女性の永遠の悩みとされている。美醜とは何か。 鉢かづき姫は、頭に被せられた鉢が取れなくなり、顔が見えないと気味悪がられ行く先々でいじめられた女の子です。彼女は鉢をかぶったまま成長し、下働きをしていた家の男と恋に落ちた。 好きな人との結婚を男の両親に認めてもらうため、美しい兄嫁たちと対決することになっ…
当番ノート 第19期
夜行バスに乗って京都に行ってきた。 5年前に行ったのが最後だが、京都のどこがいいのかは肌感覚で覚えている。 こここそ本来「みやこ」と呼ぶべきところなのだという感覚。「日本史」の大部分を背負っている感じがするところ。 江戸はもともとただの小さな漁村だったということと比べると、東京が持つ歴史の浅さが少し残念である。 でも横浜はまた別だぞ。横浜はいいところですよ。 ぜひ「桜木町」に一度は来てくださいね。…
当番ノート 第19期
良い風が吹いたら、明日は雨。 雨は恵み。風は喝采。雨上がりの空と雲の祝福。 motoco oki
当番ノート 第19期
ぼくのお茶畑がある川根という地域は 山あいの、いわゆる田舎です。 暦は春といっても、まだまだ冷え込むこの頃。 この時期は、春といっていいのか、まだ冬でいいのかと悩むほど。 感じるのは 春と冬のあいだ だということ。 冬のあいだ、きつい霜にあたって黄色っぽく変化したお茶っ葉が だんだんと濃いグリーンに戻ってきます。 畑には菜の花が満開になり、ブンブンとみつばちの羽音が。 ダイコンや白菜、ほうれんそう…
当番ノート 第19期
新緑。 春が近づいて、緑の勢いが増す新緑の季節。 道端にしゃがむと小さな芽が出ていた。芽の側には少し育った葉。 その側にもう少し育ったもの、そして枯れた草。 ぐるりと廻る世界の片隅。 私の住んでいる山手にはたくさんの階段がある。 年月の経った石段の割れ目からひょこひょこと草が生えているのがとても好きだ。 誰かの家から飛んで来たのか、アジアンタムやハーブの類いも時々見かける。 石壁の隙間はパラダイス…
当番ノート 第19期
数年前、まだ学生だったころ「嫉妬」「本能」「憂い」という3つそれぞれを作品テーマにしたことがあった。 この3つは単体ではなく本能に集約されるのだな、と今頃になって気がついたお話。 よく語られるテーマでもある、女の情緒不安に関して。 圧倒的な孤独に蝕まれる日がある。 おんなという生き物は本当に不思議な生き物で、突然そんな曇った日が訪れる。 理由なんて特にないのですが 「あ、私、いまなんだかとっても寂…
当番ノート 第19期
【第5話 力とヤバい女の子】 ◾︎いざなみのみこと 日本書紀に登場するいざなみのみことは、日本で最も愛憎の力を持った女性の一人です。彼女は死後、夫であるいざなぎのみことが自分の腐敗した体を見たことに怒りくるい、夫とふたりで作った国を指して「お前の国のひとを毎日1000人ころす」と言う。彼女は作ることができ、壊すことができる。 日本の神話において、彼女は夫とふたりで島や神をたくさん作ったとされる。ラ…
当番ノート 第19期
▲森と湖。 寒いので冬の話を書きたかった。 しかしあんまり最近冬の空気の中で面白いことをしていないのだ。 それで、もうしばらく前のことになるが、冬っぽい澄んだ空気を擁した、夏のフィンランドの思い出を載せようと思う。 昔書いたものに大幅に加筆、修正したものです。 ——————————…
当番ノート 第19期
うつろう 風景を装う様に、身に纏う うつろう はファッションデザイナー栗須朋子さんが立ち上げた、ストールのブランドです。 その中で草木染めのラインを展開していて、 その染めを任せて頂いています。 草木染めは化学染料と違って、色も何もかも不安定な方が良い。 作り手があやつれない部分があった方が、それらしいと思うのです。 衣服に今一度たくまざる多様性とばらつき、そして。 木々の葉の様に、全て違うストー…
当番ノート 第19期
赤い色。赤い実。赤い空。 赤色の服を定期的に身に纏いたくなる。 普段、青色の服を選ぶことが多いのだけど、 一定期間を置いてふと赤い色のものを強烈に欲する時が何故かあるのです。 赤で一番に思い浮かぶ映画は、セルゲイ・パラジャーノフの「ざくろの色」だ。 刺激的な赤色がたくさん出てくる。 赤い服を着た少年を挟んで赤く赤く染められていく糸。 置かれた石榴から流れる赤い色。 血のような赤い色。 あれを初めて…
当番ノート 第19期
幼心に 女は一生 おんな なんだ、と。 勘づいていた様に思います。 実は私は10代のころに2人の女性とお付き合いした事があります。 恋愛関係のお付き合いです。 初恋も初めての恋人も男の子なので、後天的なバイセクシュアルです。 女性を恋愛対象にみることは極めて少ないタイプなので、バイセクシュアルとしての気質は薄いのかもしれませんが、恋した女性達は私にとって新鮮な人間でした。 新しい世界を案内してくれ…