当番ノート 第17期
僕と彼女は休日になると、大抵どこかにご飯を食べに行くのだけれど、その日はふらっと高速に乗り、京都まで行った。その帰り、やっぱり何かご飯を食べて帰ろうということになった。なんとなく二条か三条通りあたりにしようと決めて、駐車場を探すためにくるくる車で周っている時に、店の明かりだろう、なんとなく雰囲気の良さそうな店を見つける。そして、その店からそれほど遠くないところに車を停める。 夜の河原町通りは、三条…
当番ノート 第17期
マルの散歩はいつも日が暮れてからです。 暗くなると犬の散歩をしている人がぐっと減るからです。 マルは全くしつけがなっていないので、よその犬に近づいたとき吠えるとか噛むとか 何をするのか不安なので、犬とすれ違う時は極力近づかないように綱をぎゅっと引っ張ります。 それがなかなか疲れるなぁと思っていて、人のいない夜の散歩がほとんどになりました。 ときどきなんとなく夕方散歩に行くと、同じように散歩している…
当番ノート 第17期
結婚の報告をしたとき、祝福の言葉と同じぐらい多い反応が26歳という年齢で結婚を決めたことへの驚きと、哀れみの声だ。 「男はもっと遊ばなきゃ」 「30ぐらいまではふらふらしてたいじゃん」 「もっと色んな人と恋愛しなきゃ」 表現はどうあれ、大方「もう結婚しちゃっていいの?」というような意味で言われることが多い。こういうことを言ってくるのはほとんど男性で、女性からは言われたことがないというのもおもしろい…
当番ノート 第17期
みなさん今晩は。妄想J-POPのお時間です。 私の担当は10・11月なので、もう次回で最後なのですね。ほっとしたような、さみしいような。 「毎週楽しみにしているよ!」の声に支えられてきました。ありがとうございました。 さて、今週も元気よく行きましょう。 この妄想J-POPは私typhoon soupの妄想の世界で作られたお話です。 ご紹介する全てはフィクションですので、みなさんも思いっきり妄想して…
当番ノート 第17期
世界の片隅の扉の向こうに、その町があり、その夢想がある。 ”とある少年” 住所:ツバメ町 Q地区 砂の小路 このガイドブックを作るにあたり、ツバメ町の多くの住民たちに話を聞いてきた。たいていは目的のはっきりしたお店やサービスを営んでいる人々だが、ツバメ町には当然、多くの子供たちも暮らしている。”外”の子供と較べると、みな、どことなく大人びた顔つきをしているのが特徴的だ。この町全体を満たし…
当番ノート 第17期
Tycho(https://youtu.be/5wWBLbQInqk)の音楽をドライブしながら聴いていて、ふとした時に随分、世の中はずいぶん変化したんだなと思うことがあった。 僕は90年代の終わりに大学のサークルでバンドをやっていた。まだインターネットが普及しておらず、なかにはテクノ・ミュージックやダンス・ミュージックやHIP HOPの予兆みたいなものが、ちらほらとありながらも、多くの学生が聴いて…
当番ノート 第17期
晴れの日のマルは、とてもいい匂いがします。 干したてのふとんに少し甘さを足したような匂いです。 このいい匂いは、毎日体を陽に当てているからだと思います。 最近は寒くなってきたので、陽射しを求めて移動し、体全体を陽に当てて眠っています。 真夏の暑い時期は、全身は暑いから、お尻だけとか鼻先だけとか体の一部を陽に当てています。 陽射しの中にいるマルにそっと触れると、ふっくら暖かく、パンが焼けていくような…
当番ノート 第17期
みなさん今晩は。妄想J-POPのお時間です。 この妄想J-POPは私typhoon soupの妄想の世界で作られたお話です。 ご紹介する全てはフィクションですので、みなさんも思いっきり妄想してください。 本日ご紹介するのは1996年発売、SWEETY KILLER 「ストロベリイ ドライヴ」です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1991年結成、 1994年デビュー。 ボーカルM…
当番ノート 第17期
世界の片隅の扉の向こうに、その町があり、その誓いがある。 ”マドモワゼル・サムシング・フォー” 住所:ツバメ町 F地区 時の小路 サムシング・フォー。 ”外”においてそれは、花嫁のための幸福のジンクス。 なにか新しいもの。 なにか古いもの。 なにか青いもの。 なにか人から借りたもの。 その四つを身につけた花嫁は、きっと幸せになるという。 一体いつどのようにしてそのジンクスが、”外”から隔…
当番ノート 第17期
奇妙な偶然は、どこかにはあって、普段は忘れさられている。でも、時々、ああそういうことだったのかと思うことがある。 例えば、今年「アナと雪の女王」が公開されたが、2014年冬のアメリカの寒波や、日本の大雪と「アナと雪の女王」を関連づけて考えることは、いささか早計と言えるかもしれない。 でも、今年僕がいちばん聴いた音楽は、Reliqの「Metatropics 」で、この音楽のコピーは、”気…
当番ノート 第17期
バスを待っている時に、家の方を見るとマルが見えます。 マルの方も私が見えているようで、こちらを見ています。 それだけなのですが、バスが来るまでのこの時間がとても好きです。 田んぼを一つはさんでバス停から見るマルはとても小さく、遠くにいるのが珍しくてしげしげと眺めてしまいます。 そのうち「おまえ、なんでそこにいるんだ?」とマルが不思議そうに吠えだします。 そしてひとしきり吠えると、マルもじっと見つめ…
当番ノート 第17期
【頼音】 【匠音】 以前、友人に見せられた2つの単語。 このふたつの単語を見たときに、頭にはなにが浮かぶだろうか。 私は見たことがない組み合わせの字面に少し思考が停止した。 その数秒後、もしかして人名…?とかろうじて頭は再起動したものの、読み方がわからない。「よるね」?「しょうね」?だとしたら響きは女の子っぽいが、どうも違うような。でも男だったとしたらなんと読むのか。 「らいおん」 あれこれ考えて…