当番ノート 第17期
男性と女性がいて、一緒に過ごしていれば、やがて生まれてくるのは子どもなのだが、作家という人間は、女性の生み出す力を、時に自分の作品にしてしまう。自然な人間という存在のことを考えれば、男性と女性が生み出すものは、本当は子どもであるべきだ。でも、その最初のアダムとイブは、他にも様々なものを生み出せるし、自分たちだけの世界を作り上げることもできる。 もちろん、当然のことながら、社会というものは、そういう…
当番ノート 第17期
ああぼくが愛した白いブランケットに今年の秋の光が積もる 藤田千鶴『白へ』 秋は、犬も過ごしやすい季節のようでマルは毎日ご機嫌です。 もう少し寒くなると冬用ベッドを出します。 一昨年から使っている茶色のベッドは、マルが噛んだり掘ったりしてしまい、去年とうとう穴があきました。 ドーナツのような状態になったベッドの、穴の部分でマルは寝ていました。 穴のあいたベッドはかわいそうだと思って、すぐに新…
当番ノート 第17期
私は父になる前に、ツマと結婚をしたひとりのムコである。 結婚は、法的には書類一枚の手続きで完了するもので、とてもあっさりした手続きだ。 そのあっさりさゆえにそこに意味を見出せないという人も多い。 「紙切れ一枚で何が変わるのか」という意見や、 「婚姻制度そのものに反対だ」という意見も少なからず耳にする。 わからなくもない。例えば日本では同性婚が認められていないという事実ひとつとったって、実状とのねじ…
当番ノート 第17期
どうもこんにちは、typhoon soupです。 月曜日担当と言いつつ、都合により火曜日になってしまいましたことをお詫び致します。 さて、今週の妄想チャンネル改め、妄想J-POP第2回です。 番組がひとつしかないため、チャンネルの看板を降ろしました。 最後までこのシリーズで駆け抜けます。 妥協ではありません。決断です。便利な日本語ですね。 今週は売れなかった歌手ではなく、一世を風靡した懐かしのあの…
当番ノート 第17期
世界の片隅から、この手紙は届くだろうか。 手記という名のコラム ”とある絵描きのエアメール” 住所:ツバメ町 T地区 猫の小路 ここ何日か、ツバメ町の中を一人の男性が精査するごとき真面目さで歩きまわってる。 一目見て、すぐに分かった。”外”の人だ。 俺と同じ、ツバメ扉の外から、この不思議な町へやってきた……ただし、俺と異なるのは、町に永住するわけではないらしいとい…
当番ノート 第17期
僕はあまり国際経験が豊かなほうではないが、Oh! my Godという言葉にはとても関心がある。何かとんでもないことをしてしまった時、何かとてつもないことが起きた時、彼らが「私の神よ。何してくれるねん」と関西弁で自分の神様につっこみをいれている情景が目に浮かぶからだ。 神様につっこみをいれるというのは、彼らのその自身のメンタリティを守るために、とても役立っているのかもしれない。僕はと言えばどうだろう…
当番ノート 第17期
鳴き声のうるさき犬であったなあ庭にゆすらの赤き実たわわ 久野はすみ『シネマ・ルナティック』 うちのマルは、よく吠えます。 遊んでほしいと吠え、おやつがほしいと吠え、トイレシートをかえてほしいと吠え、ちょっとこっちきてくださいと吠え、 要望が通るまで、できるだけ吠えます。たぶん近所で一番無駄吠えが多い犬です。 前にいた犬はこんなに吠えなかったのになぁ、ちゃんとしつけなければいけないなぁ。と思…
当番ノート 第17期
転校というものを経験したことが無いのでわからないのだが、こういうものなのだろうか。 誰も知る人のいない教室の一番前に立って、数十人のクラスメイトに挨拶をする。クラスメイトといっても、まだ何も関係を持っていない人達の前で、身体ひとつ、名前と、いくつか、自分に関する情報を伝える。 私にとって今がその始めての瞬間だ。文章でそれをするのだから黒板だけを使ってそれをしているようなものだろうか。 アパートメン…
当番ノート 第17期
アパートメントをご覧の皆様、初めまして。 typhoon soup(タイフーンスープ)と申します。 ここアパートメントは、管理人の森山君はじめ、RACHI君など それはもう才能溢れる面々が居住しておりまして 心揺さぶられるような文章や写真や音楽なんかは他の皆さんにお願いするとして 私は箸休め的な部分を勝手に担っていきたいと思います。 10月、11月の月曜日は鼻くそでもほじりながらお付き合いください…
当番ノート 第17期
(著者注:この作品は第16期から連載しています。初めてご覧になる方は、第16期『ツバメ町ガイドブック PAGE1 「階段オルゴール屋」』からどうぞ!) 世界の片隅の扉の向こうに、その町があり、その指令がある。 ”マトリョシカさん” 住所:ツバメ町 A地区 釘の小路 ツバメ町の住民の大半は、旅を知らない。彼らの多くはツバメ扉の内側、つまり自分たちの暮らす町の中しか知らず、”外”に出て行く人はご…
当番ノート 第17期
未来のことはわからないけれど、みんな未来のようなものを探している。特に21世紀になってからは。大きな変化があり、大きな変動があり、いつまでこのままでいられるのかわからなくなった。でも毎日は途切れなく続いているし、明日もきっとやってくる。 子どもの頃から作家になりたくて、ずっと色んな人に作家になることを話してきた。夢を語る時に、聴き手が語り返すことは色んな意味がある。心は単純に、話すことに好意的か、…
当番ノート 第17期
犬が好きです。 短歌が好きです。 ということで、犬(主に飼い犬)の話をしながら犬の短歌を紹介していきます。 普段は「食器と食パンとペン」というブログで短歌の絵を描いているのですが、 犬を飼ってから「犬の話がしたい!」と常々思っていたので、この場を借りて思いきりします。 うちの犬は、5年前歩いて5分ぐらいの近所で生まれました。 雑種犬と雑種犬から生まれた純粋な(?)雑種犬です。父親犬は野良犬なので今…