当番ノート 第14期
数ある食べ物の中で 昔から特別な存在なのがケーキ。 ウエディング、誕生日、クリスマス、 あの人へのお土産どれにしよう…と迷う時間の楽しさ。 3食のご飯は「日常」ですが ケーキは単なる「食後のデザート」「おやつ」の枠に納まりきらない スペシャルな空間を作り上げる力を持っています。 そこには彫刻のような芸術性と甘美な味覚の層、 誰かと祝いごとを分かち合う幸せが。 これからしばらく その週にお誕生日を迎…
当番ノート 第13期
微熱が続く中、とりとめの無い事を考え、思う。 何をいったいとりとめも無く考え、思う? そこにはやはり何も無い、なーだである。 無の響きだけが頭と体をこだまする、そんな状態でも手は動き続ける。 なんて事は無くやっぱり寝てしまう微熱の今日。
当番ノート 第13期
静岡Freakyshow牧野俊太です。 今月はやけに忙しくて先週、先々週と更新をサボりました。 運営の方、ごめんなさい。 2回サボって気付いたらもう最後の更新でした。あいや~! 最後なのでちょっとだけ真面目に書きます。 僕はいわゆる「ライブハウス」と呼ばれる空間で働いています。 ライブが無い日は適当にBAR営業をやっています。 ヒマながらも、夜な夜な奇人・変人がやって来ます。 奇人・変人は皆やさし…
当番ノート 第13期
俺はロシア人だ。つまり、明日がどうなるか分からない、価値観が災厄なやり方で3回も変わった国の人間だ。今日あなたが元気で散歩してるとしても、明日は路地裏のゴミ同然になっているかも。今日はお金持ち、明日はホームレス。全てのために戦うことを余儀無くされている。バスに乗ることさえ社会戦だ。人の視線を常に気にしないといけない国、理由なき笑顔はアホの証拠とされてしまう国だ。女性がナンパに慣れていて、何か面白い…
当番ノート 第13期
「海の水はどこで生まれる?」 広い理科室。班ごとに座った丸椅子と大きな実験用の机越しに、教壇を見やる。今からマジックでも披露するかのように手を合わせ腕まくりをした先生がそう言った。 おのおの生徒は答えを口にする。川の上流、雨、海の底。 低いゆったりした声で先生は答える。 「全部違う。生まれない!」 きょとん。 質問の意図も答えもわからずざわつく生徒を前に、説明がはじまる。 水のもとになる原子の総量…
当番ノート 第13期
描くことは耕すことに似ている。わたしの脳の中の畑。翻って、読むことは、体を使って歩くことに似ているかもしれない。だれかの作った庭園。道のカーブ、植物の配置、木立の陰、遠くに見える四阿へ期待を馳せながら歩く。迷子になることは、新しい地図を作ること。同じところへ行くつもりで、ちがう道へ出てしまうこともある。設計ミスによって、見えているのに、噴水に辿り着けないこともあるだろう。 そぞろ歩くのに、最短…
当番ノート 第13期
photoは「光の」 graph は「かかれた(もの)」 「つまりー、光によって描かれたもの、が写真ー、なんだよね。」 写真やカメラの小難しい説明の中から、これだけは突き抜けて聞こえてきた。 ぼーっと聞きながら、私が考えていたのは 言葉あそびのようなこと。 「ひかりによって」って、太陽なんかの「光」を指すのはもちろんだけれど。 自分の写真にかっちりとその言葉をはめるには、少し足りないような。 教科…
当番ノート 第13期
もう一度くらいは、どこか異国に住みたいと思い続けて早八年。 気持ちは盛り上がったり、下がったりとめぐるめぐる。 外国人になる大変さよりも、気楽さの方ばかり思い出すのは それなりに時間が過ぎたって事なんだろうか。 制作する事により、ここではない何処かへ向かう気分は存分に味わえるけれど 違う空気の中から何処かへ向かうのも楽しいんだよな〜 Dust of Eden
当番ノート 第13期
雨が降るといつだって、単純なわたしは洗い流してもらったと思う。 アスファルトに成された水の道とたまり場が、こんな凹凸があったのよと両手を広げるよう。 でも今日はその声に応えることもなく、のろのろと歩みをすすめた。 目の前の信号が赤。 横断歩道を前にどこを見ても灰色のビル街の隙間立ち止まる、濡れ鼠。 ぼんやりしていると、たん、と、 透明ビニールの傘越しに女性がわたしを追い越していくのを見る。 わたし…
当番ノート 第13期
アップルパイの魔女なんて題名を付けたのは、母親が長く栄養士をしていて、お菓子作りも得意だったからです。ジャムやホットケーキの類のおやつ作りから始まって、まだ物珍しいガスオーブンが、わが家へ来た日のことを覚えています。母の顔も、飛びきり輝いていました。 どんなにそのオーブンの活躍したことでしょう。アイシング・クッキーにキャロットケーキ、マドレーヌ、アップルパイ。それから、どっしりとしたフルー…
当番ノート 第13期
これから先、「私」と「今まで撮ってきた写真」にできることがあるとしたら、 2つ、挙げることができるだろう。 今日はそのうちの1つを。 ◯ 「良いことも、悪いことも忘れちゃうからなあ。」 一緒に行ったところ、話したこと、思い出を、すぐ忘れる。 だから、いつだって写真だけが頼りなのだと 忘れっぽいあのこが言っていた。 思い返せば、私が写すとりとめもない景色に、 価値のようなものを与えてくれた人がいると…
当番ノート 第13期
今週はずっと大きな紙に描いていた。 何度も重ねて描くため、結局ぐちゃぐちゃな色になり 形も定まらない。 行き着く先はダメだこりゃ、失敗だ。 なので次に移るかと思えばそうではなく 一日置いてまた同じものを続けていくのである。 行き着く先はぐちゃぐちゃなままであり ダメだこりゃ、なのであるが時間は常に優しく 作品を整えていっとくれると、盲目的に信じているわけである。 子どものディスクール