当番ノート 第6期
学生時代、バンドを組んでいた。大学3年の頭から大学4年の秋までの間、活動していた。 名前は「MONTRA」という。 僕は美術大学に通っていたのだが、メンバーは同級生の8人。 皆それぞれに普段から表現したり作ったりしていた。 僕 たちは『blue』という決まった一曲しか演奏しないバンドだった。決まったフレーズを皆で共有し、抑揚をつけて毎回曲を作っていくのだけれど、毎回の国…
当番ノート 第6期
突然クスクスが食べたくなったこと。 そして意識は頭上5センチあたりを彷徨う。 クスクスに想いを馳せて頭上5センチあたりに手のひらを翳してみたが、想い虚しくそこにクスクスはなかった。 やっぱりクスクスはあんなに粒々なくせしてちゃんとした実体なんだな、と自分の想いの足らなさを宥めた。 というのも抽象こそがリアルで、世界のあらゆる物体は実は概念的な何かでしかないんじゃないか、 という無根拠な想定が近頃こ…
当番ノート 第6期
あの日もとても寒かった。春の欠片も見えず。 3月で卒業する生徒さんはもう課題に入っていて。 私はその時間がとても好きだった。教えたことをそれぞれが消化して形にしていく時間。 Webデザインを教えているその教室はパソコンと人がぎゅぅと詰め込まれていて。 排気熱と体温で本当はそんなに寒くないはずだった。 なのにあの日は足先が凍りそうなくらい寒かった。 考えてみるとあの日のことを誰にも話したことが無い。…
当番ノート 第6期
前回、文章を締めるために何か書かなくてはという義務感に駆られてうっかり「マルセイユはいいところです」とくくってしまったのですが、それはあくまでもゴミを捨てる側の観点のみから語った場合であってやっぱり全然いいところではありません。 とりわけ治安の悪さにおいては北アフリカで右に並ぶ地区はなく、治安取り組み優先地区にも指定されています。警察などあってなきがごとし。麻薬マフィアのほうが武装資金も上でどうみ…
当番ノート 第6期
それは数年前の穏やかな休日の午後。 私は母と仲良くテレビを見ていました。 最近恋も髪の毛もダメージ受けまくりぃ〜 きっとそんなたわいもない会話が繰り広げられていた事だと思います。 ふとテーブルを見ると、そこには一匹の蜘蛛が。 私はすぐさま母に蜘蛛がいることを告げました。 ・・・が、いない。 いないのです。 母が蜘蛛に目を向けようとしたその一瞬の隙に、蜘蛛はどこかへ隠れてしまったのです。 ホシはまだ…
当番ノート 第6期
土曜の夕暮れ時みなさんいかがお過ごしかな? 中村むつおです。 僕は現在大阪にいる予定です。なぜ予定かというと、この記事は、前もって書いているものだからです。 つまり、過去の僕が、未来のみなさんや、未来の自分に対して、語りかけているというわけですね。 やがてこの記事も過去になり、どんどん古くなっていくわけですな。 前置きはこんなところにしておいて、今回の漫画です。 今回の漫画は、とても女子受けが悪か…
当番ノート 第6期
あこがれているものがある。 きっとこれからもずっと変わらないもの。 信じつづけているものがある。 ときどきわたしを悲しくさせるもの。 水をたっぷりと含んだ空気の手ざわり。 土のにおいのするコンクリートのあの天才みたいな質感。 きのうの雨は晴れた空をいいなとかんじるためのヒント。 「こんなイエローはじめて」と泣いたあの日の空は、 わたしがほしいものになんだかよく似ていました。 ( すこしだけ、わたし…
当番ノート 第6期
タカヒロさんからご紹介いただきまして、ちょっとこちらに文章をということとなりました。 短い間ですがよろしくお願いいたします。 あまり気にならないことについて。 過去、未来、現在、記憶力、宇宙の力みたいなもの。 自分は記憶力が非常にない方で、しょっちゅう目的を見失い、道に迷う。 そんな自分が書く昔ばなしだから当然正確さを欠く訳だけど、 特に誰かにその間違いを指摘される訳でもないだろうから、記憶のまま…
当番ノート 第6期
はじめておつきあいした人の名前は富永くんという。 私の生まれ育った場所は福島県郡山市というところだ。 誰が言い出したかわからないけれど、東北のシカゴとも東北のウィーンとも呼ばれていたその街は活気のある街だった。 私はそこに「そぐわなかった」。 可愛げのない子供だったと思う。 幼稚園でも小学校でも教室の片隅で本ばかり読んでいた。 友達は少なかった。頭でっかちな子供で世を斜めに見ていた。 自分なりの正…
当番ノート 第6期
こんにちは。 このたび、日本のゴミ分別の煩わしさと憂鬱を逃れるために北アフリカの都市マルセイユに住むことにしました。 この「アパートメント」には、マルセイユ国立バレエ団のダンサー木下氏からご紹介いただきました。 この街に来ると、まず目につくのは、ミストラル(季節を問わず吹く南仏特有の冷たい強風で赤城おろしや六甲おろしのようなもの)に巻き上げられて空中を浮遊したりふわふわと道を転がっていったりするス…
当番ノート 第6期
はじめまして、こんにちは。 イワオ君の紹介により、こちらのアパートメントに2ヶ月程滞在することになりました、マキヲという者です。 「君、やりたまえよ」とイワオ君に言われ「へ、へい!」と割と軽い気持ちで入居してしまいましたが、ふと見渡せば、周りは素晴らしい人ばかり。 なんの肩書きもないハイパー一般人である私は恐縮しっぱなしでございます。 この文章を打っている今現在も、極度の緊張で心臓バクバク手足はブ…