当番ノート 第6期
それは数年前の穏やかな休日の午後。 私は母と仲良くテレビを見ていました。 最近恋も髪の毛もダメージ受けまくりぃ〜 きっとそんなたわいもない会話が繰り広げられていた事だと思います。 ふとテーブルを見ると、そこには一匹の蜘蛛が。 私はすぐさま母に蜘蛛がいることを告げました。 ・・・が、いない。 いないのです。 母が蜘蛛に目を向けようとしたその一瞬の隙に、蜘蛛はどこかへ隠れてしまったのです。 ホシはまだ…
当番ノート 第6期
土曜の夕暮れ時みなさんいかがお過ごしかな? 中村むつおです。 僕は現在大阪にいる予定です。なぜ予定かというと、この記事は、前もって書いているものだからです。 つまり、過去の僕が、未来のみなさんや、未来の自分に対して、語りかけているというわけですね。 やがてこの記事も過去になり、どんどん古くなっていくわけですな。 前置きはこんなところにしておいて、今回の漫画です。 今回の漫画は、とても女子受けが悪か…
当番ノート 第6期
あこがれているものがある。 きっとこれからもずっと変わらないもの。 信じつづけているものがある。 ときどきわたしを悲しくさせるもの。 水をたっぷりと含んだ空気の手ざわり。 土のにおいのするコンクリートのあの天才みたいな質感。 きのうの雨は晴れた空をいいなとかんじるためのヒント。 「こんなイエローはじめて」と泣いたあの日の空は、 わたしがほしいものになんだかよく似ていました。 ( すこしだけ、わたし…
当番ノート 第6期
タカヒロさんからご紹介いただきまして、ちょっとこちらに文章をということとなりました。 短い間ですがよろしくお願いいたします。 あまり気にならないことについて。 過去、未来、現在、記憶力、宇宙の力みたいなもの。 自分は記憶力が非常にない方で、しょっちゅう目的を見失い、道に迷う。 そんな自分が書く昔ばなしだから当然正確さを欠く訳だけど、 特に誰かにその間違いを指摘される訳でもないだろうから、記憶のまま…
当番ノート 第6期
はじめておつきあいした人の名前は富永くんという。 私の生まれ育った場所は福島県郡山市というところだ。 誰が言い出したかわからないけれど、東北のシカゴとも東北のウィーンとも呼ばれていたその街は活気のある街だった。 私はそこに「そぐわなかった」。 可愛げのない子供だったと思う。 幼稚園でも小学校でも教室の片隅で本ばかり読んでいた。 友達は少なかった。頭でっかちな子供で世を斜めに見ていた。 自分なりの正…
当番ノート 第6期
こんにちは。 このたび、日本のゴミ分別の煩わしさと憂鬱を逃れるために北アフリカの都市マルセイユに住むことにしました。 この「アパートメント」には、マルセイユ国立バレエ団のダンサー木下氏からご紹介いただきました。 この街に来ると、まず目につくのは、ミストラル(季節を問わず吹く南仏特有の冷たい強風で赤城おろしや六甲おろしのようなもの)に巻き上げられて空中を浮遊したりふわふわと道を転がっていったりするス…
当番ノート 第6期
はじめまして、こんにちは。 イワオ君の紹介により、こちらのアパートメントに2ヶ月程滞在することになりました、マキヲという者です。 「君、やりたまえよ」とイワオ君に言われ「へ、へい!」と割と軽い気持ちで入居してしまいましたが、ふと見渡せば、周りは素晴らしい人ばかり。 なんの肩書きもないハイパー一般人である私は恐縮しっぱなしでございます。 この文章を打っている今現在も、極度の緊張で心臓バクバク手足はブ…
当番ノート 第6期
みなさん初めまして! 僕は東京で活躍中のインディーズバンドテングインベーダーズの中村むつおというものです。 今回、僕がコツコツ描き溜めた漫画をWEB上で公開するという形で参加させてもらいます! 今回は、第一回目ということで、中でも比較的よくできたものを掲載します。 コンセプトとしては、架空の芸術家のインタビューというものです。 芸術ってなかなか興味ない人には、理解し難い部分があるじゃないですか? …
当番ノート 第5期
鍋の中の湯が沸騰を始めるのには、それほど時間はかからなかった。 午前に買い物に寄ったスーパーで、 おにぎりや、サラダの巻き寿司などを買いたいのをぐっとこらえて帰宅した。 お昼ご飯は、ありもので。 料理すれば洗い物なども増えるし自動的に家事に費やす時間は増える。 それでも、給料日前だし、家族の分を作るわけでもないし、何でもいいのだ。 そう思えるから、ひとり休日というのは、気が楽なんだな。 それで結局…
当番ノート 第5期
よく言われる事ではあるけど、陰陽道というのは東洋流の科学だったのだなあ、と京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を読んで改めて思った。京極堂の論理展開は堂々と矛盾をはらんでい(るように見え)て、ぼく的には痛快だ。魑魅魍魎が古代的唯物論だったような気もしてくる。 そんな風に思ってから、そういえば、と思ったのと、たまたま観た日本のテレビ番組の中で、デンマーク人デザイナーが日本の文学者のある著書を座右にしているのを見…
当番ノート 第5期
四ヶ月……長かったな。 夏からずっとここで日記を書いてきたけど、今日でようやくこのアパートを退去します。 見上げると、もうすっかり冬の空だから、季節が二回変わったのか。 シカシ、プロフィールに「誰か僕に、お酒をおごってくれる人はいませんか?」と書き続けていたらさすがに一人くらいは酒をおごってくれるだろう、と淡い希望を持っていたけど、この四ヶ月間、誰も名乗りを上げるやつがいない!お前ら全員ケチかよ!…