当番ノート 第4期
「こう見えてもあたし大学で歴史学を専攻していたんだから。選考にモレスキンのノートを抱えてそのままトイレに駆け込んじゃった。トイレは駆け込み寺じゃないのにね。いけね、あたしあの時何やってたんだろ。若気の至りかな?そして今は薄毛のたたりね。」 「ごめんね、あっこ。この島で離婚式が御法度なんて知らなかったのよ。ついケニーさんの口車にのせられて、、、」 渋沢は自分が一体どこに閉じ込められているのかすら分か…
当番ノート 第4期
札幌には「テレビ塔」という、地方にある東京タワー、それよりもう少し思い入れの足りないような、それでいて札幌の街の中で起点的場所にこの昭和の電波の鉄塔がある。時代の人々の気まぐれや、季節の夜な夜なに光に色を染められたりしながら、やはりでもあそこに行ったことがあるとか、ないとか、近くまではとか、地下までは当然ね、などと言われながら、昔の面影の中に忘れ過ごされて行った思い出に耐え忍ぶようにとつり、大通り…
当番ノート 第4期
ちょっと前に、近所のライブハウスで服田洋一郎のライブがあると聞いて、その日は割と夜遅くまで作業系の仕事があったのですが、作業を途中で中断して久しぶりに演奏を聴きに行ってきました。この読者の99%の方は誰の事だかさっぱり分からん、とおっしゃると思いますけど、日本屈指のブルースギタリストで、レイジーな歌唱と、時にパンクに或る時にはジャジーな味付けのまさにワンアンドオンリーなギタープレイで40年以上も観…
当番ノート 第4期
前回の更新の最後に「かんたんな更新でごめん…」とか書いてたんだけど、よくよく考えたら難しい更新ってなんなんだよ、とは思う。 簡単と難しいの違いは、気合いを入れたか入れてないか、くらいかな。 と、言っても、あまり気合いを入れてムズカシイ更新を目指しても何も書けなくなるから、かんたんな更新くらいで丁度いいのだろう。 そりゃそうと、アパートメントって、どこで改行入れたらいいのかわからない。 僕は基本的に…
当番ノート 第4期
ロボットになった夢をみた。 私は私型のロボットになって、あの人の家の家事をしていた。 ロボットの私はとても賢くて、 あの人をいとも簡単に喜ばせる。 あの人はロボットの私に、 いちいち ありがとうと言ってくれるわけじゃないけれど ロボットの私に向ける視線には信頼感があって、 ロボットの私に向ける視線には安心感があって、 ロボットの私はとても満足していた。 私は有頂天になって、 とにかくひたす…
当番ノート 第4期
太陽が昇ることもなく いつでも夜であるその森で、 その樹はいつもひとりぼっちでした その樹以外の周りの木々たちはすぐ近くに友達がいて おしゃべりができるから朝が来ずとも 雪が降り続けようともさびしいと思うことはありませんでした けれども、その樹にはそばに話かける仲間もおらず 暗い闇のなかでいつも闇の天井から降ってくる雪を 毎日ひとり見つめていました その樹のことを遠く遠くから見守っていた星たち…
当番ノート 第4期
今回アパートメントに投稿するにあたり初めて編集作業を学んだ。 踊って、カメラで撮影して、パソコンにアップして編集作業。 おかげさまでどれだけ編集作業がハードであるか、マニアックであるか、 テレビや映画のようなハイテクな世界を作り上げている人々に改めて尊敬の気持ち。 はまったら中々でれないおもしろさが魅力だ。 あっという間に時間が過ぎていく。難しい。 気づけば眠る事も惜しいくらい没頭。 私の仕事は表…
当番ノート 第4期
「あなたが愛するものは、あなたを泣かせもするのよ!」 渋沢は足の甲に止まった足長蜂を見つめながらケニーに言った。 「まあ、渋沢ちゃん。君は家出をしてきわけだ。卒業をすることもなしに。 でも考えてみなよ。君、卒業をホントにしてしまったら次の入学どうするの? 受け入れ先も決まってないのに自動的に卒業って、チドリー・スコットの映画じゃないんだから。」 ケニーは自分の足の裏の表部分を引っ張り、渋沢の頬をう…
当番ノート 第4期
相方。と、彼女は僕のことをいう。人様の前で私のことを紹介する時などは「相方の蒔山です」と、僕のことをいう。結婚や籍を入れる選択肢を互いに必要としていないのだから、旦那でもなし、夫でもなし、配偶の人でもあるまいし、しかしまた彼氏でもなければ、ダーリンでもない。僕がそもそもそんな柄ではない。そういったことで、きっと相方と、こういうことになったのだと思う。 「それでは、君と僕は、芸で…
当番ノート 第4期
今の仕事場である四谷三丁目のすぐ近くには神宮外苑があります。今ある美術大学での出講で毎日外苑に通っています。3年前から毎年8月の数日間朝から日没までの殆どをこの場所で過ごしているのですが、ぼくはこの場所が大変気に入っています。 理由は、外苑という場所が東京のど真ん中でありながら、お金を全く使わなくても普通に充実した一日を過ごす事が出来る場所だからです。 外苑の周辺には、タクシーで1メーターくらいの…
当番ノート 第4期
やっとWi-Fiつながった〜…。締め切りを一時間(?)遅れてしまった! いま山形県の酒田に来ています。 全回ここに来た時はロクに景色を見る事も出来なかったので、日程に余裕のある今回は土門拳先生に挨拶するべく 土門拳記念館に行くぞ、と意気込んでいたんだけど、よくよく考えたら前回来たのは禁酒中、今回は禁酒開けという事で、 ここに来てからずっと酒、酒、酒、酒ばっか飲んでいる! 昨日は自転車でぶらぶらして…
当番ノート 第4期
昨日さ、 ん? 先が細くなってる花瓶があってさ。 うん。 ちょうどなんだろ、悪い博士が緑色の液体混ぜてすごい細菌兵器みたいのを作る時に使うようなやつね。 んー。うん。 写メあるかな? ないか。どうしよ。 まあ、なんとなくわかるよ。 ほんと分かってる? 伝わってるかね? わかるって。上が細くて、下が丸く膨らんでるやつでしょ? そうそう、それにね水を入れていくのね。 うん。 そしたらさ……………