当番ノート 第2期
運ばれてきたあなたとの運命 宿っているわたしの宿命 二つが天の川のように長い時を経て刹那に結ぶ時 命という魂の華が咲く事でしょう 誰にも分かちえないあなたの命 知らずに満ちていたわたしの命 誰かに邪魔されようと 誰かが中傷しようと わたしはあなたを信じています あなたが真摯に待っていてくれる事を あなたの心が月灯りのように輝いて あなたの命が太陽のように輝いて わたしの道を照らしてくれる 誰かに邪…
当番ノート 第2期
私の肩書きはあえてドキュメンタリーフォトグラファーとしている。 以前は肩書きなんて気にした事がなく、どうでもよかった。 しかし、数年前からは今の肩書きにこだわりはじめた。 私は週刊誌等でアサイメントを受けて撮影する事もあるが、基本的に自分のテーマや興味がある事を取材するので紛争地等にも行く事もある。 そうするとここ最近の流行もあり「戦場カメラマン」と呼ばれる事が増えてきた事が、肩書きにこだわるよう…
当番ノート 第2期
私のやってるバンド、チーナは今レコーディング中で、これから編集作業に入るところです。 ちょうど、折り返し地点くらいなのかな。 音を録る作業は、なんだか、お祭りみたいだったな。 最後の歌録りを終えたときは、しくしく泣きました。 深夜の帰りのタクシーで。運転手さんにばれないように。 多分、不安でいっぱいだったんだと思う。時間内にちゃんと全部録れるかなとか、スムーズに進むかなとか、声出るかなとか、誰かと…
当番ノート 第2期
「まっちゃんのにおいがすると落ち着くの」 と妻がいう。 「ならんで歩いていると、 風に乗ってまっちゃんのにおいが 流れてくるの。 春になってから、 においがつよくなったよ」 妻は、春が好きだという。 空気がぼんやりするから好きだという。 むかし会社勤めをしていた頃、 ちょうど今くらいの季節、 朝、いつものように家を出た妻は、 会社へ向かう途中で、 あまりに…
当番ノート 第2期
以前送ったメッセージカード。 役目を終えてからはリビングに飾ってあって ふと目にとまったのであらためて読み直してみた。 — 休むしかないという夜や 動くに動けないという雨や雪の日があって そういう時間をいい加減に過ごすことも たぶん「人間の時」のなかに 織り込まれていることなのだ — 水槽を置いて照明を付け替えトリップトラップの椅子があって 越したばかりの部屋の臭いや新調し…
当番ノート 第2期
春の匂いと温もりが次第に冬の寒さに耐えた身体をほぐしてくれる時節になってきましたね。 新しい出会いもあれば別れもあるそんな4月。 私、原田みのる(振付・舞踊家)は先日バッハで踊る舞台に参加させてもらいました。 舞踊に携わり、プロとしての活動を始めてもう16年になります。 そんな短い歴史ですがバッハも何度か踊った事があります。 ですが先日のお仕事は格段に求められている部分が別次元にあり大変勉強になり…
当番ノート 第2期
震災から1年経ちニュース等での報道が減ってきている。 もちろん自分自身もマスコミに関わっている事もあり、わかっていた事ではある。 しかしフリーランスとしてはこの1年後からが勝負であり、ここからがフリーの独壇場だとも思っている。 写真は昨年の10月21日に撮影した請戸小学校の教室に残された時計である。 ここは現在も警戒区域となっている福島県浪江町にある。 時計の針は津波が押し寄せてきた時間だと考えら…
当番ノート 第2期
小学生の頃の話だけど。 宿題で詩を書いて提出しなくちゃいけなくて、何にも思いつかなくて、 家にあった文章かなんかを適当にパクって書いたら、よくできましたで賞みたいのをとってしまって表彰された事がある。 あの時のやっちまった感は忘れない。 現在、そんな卑怯者の私はせっせと歌詞なんぞ書いております笑 書きたくて書いています。結構一生懸命やってます。 もちろんパクりなしです。すごいじゃん! こうやって…
当番ノート 第2期
3年前にやめた煙草を、3ヶ月前からまた吸いはじめた。 煙草を吸うことは好きだ。 煙草を吸うあいだ、僕は他のことをしない。 仕事をしながら吸ったりしない。 携帯を見ながら吸ったりしない。 ただ吸う。 できれば外で吸う。 たとえば家のベランダで吸う。 目のまえの風景をぼーっと眺める。 青空駐車場にならんだ車のフレームが光っている。 木々が枝を触れあわせてさらさらと揺れる。 風が…
当番ノート 第2期
4月だというのに台風のような雨と風。 今日の天気のように出会いやキッカケ、変化なんてモノはいつも突然にやってくる。 アパートの厨房と用務員室担当のりょうたクンから突然のコラムの執筆依頼。 面識もやり取りも少ない僕にりょうたクンが放った「勘。」というメッセージ。 参った。勘かぁ。大雑把で良い口説き文句じゃないか。 こんな風に言われれば断ることはできない。個人的に、は。 お願いされる事は嫌いではない性…
当番ノート 第1期
今日は暖かかった。 久しぶりに鴨川にいってたっぷり陽にあたってきた。 辺りいっぱいにサンバが鳴り響いている。いつも数人の若者たちが太鼓やら鈴やらを持ち寄ってはこうやって鴨川で打ち鳴らしているのだ。 春の鴨川に地球の裏側の音が鳴っている。 鴨川は鴨川と言うだけあって、本当に鳥が多い。 シラサギ、アオサギ、トンビ、ハト、オシドリ、スズメ、ホオジロ、カラス……数えだすとキリがないが、とにかく始終そこらを…
当番ノート 第1期
未だに別れというものにはまったく慣れない。 それがどんな環境であれ、どんな一年であれ、別れというものが年に二、三回はあるもので、いい加減に別れに対する所作をスマートにこなせる大人になりものだが、こんな時いつも僕はまったくもって頭も感情が追い付かないのだ。 だから結局今も何を書いていいものか考えあぐねているのが現状だ。 ここでコラムを書かせていただいたこの二か月間、回を重ねてコラムを書いていくほどに…