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Do farmers in the dark(41)

Do farmers in the dark

最近の事

最近は、ここ2年くらいは以前にも増してすごくダラダラしている。今年の夏は特にそうだ。スマホゲームやトレカばかりやっている。今年は7月8月すごく暑くて、エアコンの効きが悪かった。

そのためあまりにもダラダラしていたんだけども、私は私自身に、とっても暑い中よく頑張ってるね!偉い!…と優しく定期的に声をかけて、ダラダラを増長させていったんだ。そのため私はほとんど家におり、スマホゲームをしこたまやったりトレカをスリーブと呼ばれる特殊な透明ビニールにしこたま入れまくっていたんだよ。それでその結果、たま〜に用があり外に出た際はあまりにも、あんまりにも外の世界が眩しすぎて、視界がクルリンクルリンと回転し眩暈がするほどだった…ように感じたんだな。

とにもかくにもあまりにも素晴しすぎる外の世界。あまりにも全てが何か重要な啓示に思える。様々な木々のあまりの魅力的な形…駅のエレベーター内部に積もっている埃の塊の形…レジを打ちながらお客さんに明るく喋りまくるドンキホーテの十中八九夫婦であるレジ打ちの店長か店員夫妻…コンビニの休憩スペースにいる年齢により満身創痍が常みたいな風情の老人、「より良く生きる」という本を持っている…トランス状態で歩行する子供、彼は控えめな声で爆撃音または発射音を発している…家で娘がたまに歌っているドンキホーテの歌を通りがかりの子供も歌っている…エレベーターの工事、その工事器具からどうしてなのかタコ焼きの匂いがする…

そしてとにもかくにも人々の糞尿の姿はものの見事に隠されており、外に出るたびにまるで私はユートピアに紛れ込んだような錯覚におちいっていた…

本当に全てが偉大なる神の啓示のように感じる…偉大なる神…鞘に収まっている最高級の日本刀、実のところ鞘の中に収まっている切先に1つとその刀身に14個いたずらでつけられた計15コほどの噛んだ後のガム、その可哀想な日本刀を鞘から抜いた瞬間に長い間鞘に潰されて身を潜めていたそのガム達が解放され伸びる、そこに舞い降りたある一つの埃と、もう少しで千切れるか千切れずに最高級の畳の上に線のように落ちるガムの間、つまりそのある一つの埃と伸びるガムの埃とガムの極々局所的な接地面の奇跡の聖域を住処(すみか)としつつもあらゆるものの中に同時存在している全不知全不能の偉大なるガム神(ガムがみ)の啓示のように感じたんだよ。

そんな具合だったので、たまに外に出ると心の中でありがたやありがたやガム神ありがたやと呟きながら過ごしていたんだ。

私の設定ではガム神は啓示についての解釈を求めない。そのため与えられた啓示以上の事を何も知る事はないし啓示が何かの役に立ったり利益をもたらす事も無い。素晴らしい事だよ。

トランス状態で歩行する子供の啓示から得られるのはトランス状態で歩行する子供がいるという事、爆撃音などを小さな声で発することがある事がありありと分かる。エレベーターの工事器具からタコ焼きの匂いがする啓示についてはエレベーターの工事器具からタコ焼きの匂いがする事があるという事がありありと分かる。とてもありがたい事に。

そんなこんなでたまの外出先でのありがたい啓示タイムのある時、夜遅くに街の裏路地で裏路地ありがたや、煙草ありがたや〜、灰皿ありがたや夜ありがたや〜夜の雲キレイ夜の空キレイありがたや〜と思って煙草を吸っていると、目の前にこちらに歩いてくる虎のような目をした虎のような男がいた。彼はすれ違いざまに私をじっと見ていた。そのため私は軽く会釈をし手形を作り、彼が無事通り過ぎてくれる事を祈った。なぜなら目だけではなく歩き方も虎を感じさせるようなゆったりとおおらかでさらには自然に背中が丸くなったような歩き方をしており、まさに虎であるその彼は私を食べてしまいそうだったからだ。彼の出現はまったくありがたくなかった。私はそれが啓示であるとは感じない。ただ恐ろしかった。そして数秒、3秒ほどでなんとか無事彼は私を通り過ぎてくれた。通り過ぎるまで一切、彼は私から目を逸さなかった。通り過ぎた彼を見て胸を撫で下ろし、振り向いて無事何事もなく通りすぎてくれた事を確認すると、突然彼も後ろを振り向いた。すると次の瞬間なんと私の方に歩を進めている!おぉぉぉ…夜の裏路地で虎みたいな目をした男が振り返り再度こちらに向かってくる!私の目をまるで虎めいた目でしっかりと見ている!やばいよ。こんなに恐ろしい事は滅多に無い。なぜ恐ろしかったか。私は副流煙を全身にまんべんなく纏わせるようする方式の喫煙手法を好んで行っており、他の喫煙者より、よりたくさんの副流煙を排出している。きっと彼はその煙が嫌で辛かったに違いない、万が一に煙草そのものが大嫌いだったら…当然彼は虎のような感じだからそういう場合煙を与えた相手が目の前におり、場所が暗い裏路地であるならば、存分にパンチして歯か肋骨のどちらか、または両方を折ってしまうだろうと思ったのだ。あァ〜…神の啓示にあふれる素晴らしい世界終わったぁぁ〜…と思って口を開け緊張にこわばった表情筋でなんとか軽くはにかみ、ボンヤリと近づいて来る彼を見ていると、彼は突然気さくに、良い売春嬢を紹介してくれんかァ!お金渡すでよォ!と言ったんだよ。どうやら彼は、私を売春仲介人だと思い込んでいる人のフリをするという二層構造の暇つぶしを試みているようだった。なぜなら私は白シャツにジーパンにリュク、短髪という異常に爽やかなファッションをしていたからだ。そのような爽やかなファッションの人間が売春を仲介するはずが無い。なのでそういうフリをしているという事だ。私は、あ〜いやぁ〜本当申し訳ねぇデス。わたくしそういう本面はさっぱりで。紹介出来無いっス。と言った。彼はエッ!ほんと?そうなのぉ?と言い、じゃあ道を教えてくれん?と言った。彼は世間的に売春が盛んで有名なとある区域に行きたいと言っていた。私は彼にパンチされなかった事で安心し、ガム神の啓示ライフがまた再開された。全ての物事、事象が大変にありがたく啓示的に思える。

なんとか不得意なGoogleマップを開き道案内をした。道中彼の道を塞ぐ人々を全員虎のような目で睨みつける彼の命知らずの果敢な行為、(彼は道を塞いだ恐ろしい外観の車の車内にいる恐ろしい外観の人間にまで身を乗り出し睨みつける)や、売春嬢のあまりの奥ゆかしさを目の当たりにしただただ啓示であると感じていた。そんな再開された啓示ライフの中でも彼は私が売春斡旋人だという思い込む人のフリをする事を何度か繰り返した。彼がフリをしているのもただただ啓示に思えた。彼は良く通る爽やかな声で、風俗店の呼び込みに誘われるたび、ウン、ウン!このニイチャンに紹介してもらうんでまた終わったら来るわ!とあまりに愛想良く言っていた。これほど愛想良く呼び込みに話す人はそう見た事が無い。その都度風俗店の呼び込みはそのお兄さんより絶対いい子を紹介出来ると思うんですけどォォ〜…と私を見ながら言っていた。それも啓示だ。ガム神の啓示だ。

私はその都度そういうあれは知らないんで道案内だけあれして帰りますのでの旨を伝えていたが、彼はなぁ〜んでなんも知らんのよォォ〜えェェェェ…??と困惑していた。困惑する彼の次の質問が、私を半高揚の啓示ライフから引きずり下ろした。

「じぁあ一体どこで何して遊んどるんよ?」

………恐ろしい質問だよ。

私は…年中家の中でスマホゲームをしたり、トレカをスリーブという薄いビニールに入れまくって遊んでいる…いわゆる彼の遊びに比べて、私の遊びといえば指しか使わないし、本能を薄めまくり、しかしながら本能を巧みに隠れて刺激するような世にはびこる本能湾曲刺激型の遊びだ…私は一体なんて下劣な遊びをしているんだと思った。頭いかれてるよ。そういう本能湾曲刺激型の遊びは他の沢山の方々もやっているだろうが、その方々達は愛溢れるリアルな生活の中のあるタイミング、ある時期にたま〜にやっているだけ。私はそれしかやっていない。他の遊びはした事が無い。私は「アッアァ〜…まぁぁ〜」と有声音を発し、「スゥ〜…」と無声音を発しただけで、何も答えなかった。ああ..本来であれば家族や、知人達を勝手に準家族と見なしみんなでバーベキューしたり夜の街で遊んだり踊ったりキャンプしたりアートを見たり尖った山で瞑想したり海外旅行とかスカイダイビングとかしたり魚卵食べたり海山川の隅々まで探索して遊ばなければいけないのに…そしてその時々全てで大切な人達と私、または私だけに吹くそよ風、無風の場合は空気の湿り気や匂いを感じ、ああ、あの日あの時は私と彼彼女の間にこんな風が吹いていた、私自身を強い薫香かおる強風が叩きつけるように吹いていた、あの時は異常に快適な湿度だった…などなど思いを巡らさなければならないのに…

畜生、私はこれまで私の限りある命に、大変な不敬を働いてしまっている!!という思いで一杯になった。

私は死ぬのが怖すぎて常に呼吸浅めで心臓の鼓動を抑えめにして、運動はなるべく控えて歩くのはゆっくりにして出来る限り横になり死んだように生きているように感じる。しかし本当に生き生きと生きて早死にするのはもっと嫌なんだ。特に夜の街、ここは幼い頃からアニメや漫画、TVその他主要なメディアから一歩間違えば死に直結するようなエリアだと教育を受けている。私はそこで間違いなく二歩も三歩も間違えるだろう。本来なら虎みたいな彼と一晩遊べば良いのだけど、それには死の危険が伴う事を重々承知していたのだ。死ぬかもしれないと思いながらどうやって楽しめば良いのだろうか?恐ろしいよ。よく考えたらさっきも彼は怖い車怖い運転手を車内まで睨んでいて、にもかかわらずたった今私はよく無事で生きてられるなと思った。きっと彼は覇気がありいわゆる強面かつそのうえ人当たりが尋常じゃなくいいからあらゆるものを睨んでもトラブルお構いなしでまるで平気なんだろうが。最近ではわたくし球技も難しくなってきた。あまりの胸の高鳴りに死の危険があるからな!かと言って世の中というか人間の奥にある生存システムはやたらめったら不思議なもので、球技をやらなかったらやらなかったで、内臓に負荷をかけねばまずいと言うことで違う方法で内蔵に適度な負担をかけにくる。不規則な生活、タバコやコーヒー、お酒、硬直姿勢でのスマホゲーム三昧など。それらをしていない場合は甘味三昧など…やっぱり人間は適度になんらかの方法でダメージを負いたいのだろうか。以前までは自分がそれらが大好きで吸ったり飲んだりゲーム三昧してると思ってたのだけど、最近は全部にそれを好きになる道理や原理や都合がちゃんとあってみなそれぞれの状況に、知覚できない状況も含めて合わせたものを好んでしまっていると考えるようになった。なぜそう考えたか?私に優しい考えだからだ。それと最近良く思うが本当に人体、つまり手や口や足や脳や心臓やは自分が思った通りイメージした通りの未来に運んでくれる。私はきっと狭いくすんだ色のアパートに住んでいてスマホゲームやらトレカやらやってると既にずっと昔から思っていたよ…なぜそう考えるか?私に優しい考えだからだ。

全然関係無い事ばかり言ってしまったけどとにかく彼の質問は恐ろしかった。とにかく私にとってはやばかったんだ。

そんなこんなで彼とは道案内が完了したので、ではでは…またまた…と別れた。別れ際はどうしてうまく出来ずこんなにしんみりした空気にしてしまうんだろう。きっと愛が無いからでしょうな。愛さえあれば、めいいっぱいの愛をゥ!行く先々であらんばかりの幸あれェぃィィ!と腹の底から叫んで心のこもった贈り物を渡すか抱擁をして見送ればいいものね。どうしてなのかそれがどうしても出来ないよ。または「ウィィ〜」「うぃーす」「うぃ〜ん」と軽く言って去るのが良いのだろうか。

ああ色々書いたけど本当やばいよ。話のつまらなさが。

しかも多分以前何度もここに書いている事と全く同じことを今回も書いている。この何回も同じ事書いているという事も何度も書いている。

虎のような彼はこの道案内の時間損やろ、なんか欲しいもん無いんかぁ?奥さんにもなんか買わんでもいいのぉ?…としきりに言ってくれていたが、私の異常なつまらなさに30数分ほど付き合ってもらっている方が大損だと思っていたので、渋々自分にジャスミン茶と、妻はカフェオレが好きなため、小岩井ミルクコーヒーを買ってもらった。彼はしきりにほんとにこれでいいんかぁ?そうかぁ…と言っていた。なんという申し訳なさ。私は話が絶望的に、異常につまらないんだ。それについて月一くらいで15秒ほど悩んでいる。既に解決方法は分かっており、面白い話し方、人を楽しませる話術の教本を買って読めばいいだけだ。

しかしそれが出来ないんだ。いかなる場合においても万事何事に対しても一切の努力を払いたく無いからだ。私はあらゆる方面に努力を惜しみまくっている。そのため近しい人間や、あらゆるタイミングで出会う一方的に心から大好きな人々、それはまるで不滅の太陽のよう、永遠の春風(トワノシュンプー)のような素晴らしい人々(どうしてそんなにみんながみんな目の中に広い世界や輝き、深い思いやりを感じさせるの?)に私は…最下層民または薄汚れた部屋で生まれ薄汚れた部屋に漂い薄汚れた部屋の隅に漂着した薄汚れた埃として認識されいつも良くしてもらってるし、私もそう認識している。

ごめんやっぱり教本読んでも話つまらないのは治らないよね。やっぱり話術じゃ無くて話の内容、人柄がずいぶん悪かったんだよ。

とはいえ私の外出先での啓示ライフは続いている。何故ならたった今もスマホゲームやトレカを永遠にスリーブという特殊なビニールに入れているからだ。最近ではスリーブに入れるばかりでなく、また出してまた入れたり、また違う入れ物であるバインダーという物に出し入れしている。そのため外の世界、全く取るに足らない事があまりにも眩しく感じるんだよ。とはいえ会社には行っている。最近オフィスのケーブルのカラフルさと絡まりからオフィスのケーブルはカラフル、絡まっテルという啓示を得てオフィスのケーブルのカラフルさが大好きでオシャレだと感じるようになっているよ。ビルがめっちゃ凄い。壁がめっちゃ硬くて凄い。床が凄い。それは人間の美的発展や自然への回帰や現状の社会システムへの批判的態度または真の心からの反省を著しく妨げ容認するウジ虫野郎な思考体系つまりバカちんなのは分かっているけどやめられないんだ。一目見たら誰だって分かると思うが、誰の風上にも置けない人間、それは私の事だよ。悪臭が風下に漂って来るからな。

妻が夕ご飯を作ってくれる。いつもあまりにも美味しい。米が、塩が、マイタケが、味噌が、豆腐が、枝豆が、アボカドがそのハーモニーが、色んなエキスが、塩が、尋常じゃ無く美味しい。

頂きまっす〜と焦点の合わない目で投げやりに言って、一口お米とおかずを頬張るなり黒ずんだ歯を持つ顔色の悪い緑茶色(ミドちゃいろ)の顔面をしている私は、満面の笑みで

「ウゥ〜ン!♪オイシィ〜!♪グーグーグー!!♪」

と煙草葉で先端が黄茶色(きちゃいろ)くなった両親指を天に振りかざし地に振りかざし天に振りかざしあまりの米の甘味と塩の塩味に、多量の幸福物質が頭を駆け巡り頭を縦に揺らす。

その間、妻と娘が、強い憎しみの込もった目で静かに私を見る。どうしてもやめられないんだ。人が嫌がる事をやる。どうして?家の外ではこんな事しない。家の中でやってしまう。どうしてもそれがしたい。できれば家の外でもやりたい。どうして?

どうにか良くありたい…きっと私に必要なのは他者への愛、それと年相応の紳士的振る舞いと言動、破れて無い服、破れて無いパジャマ、靴下、決して自身を綾瀬は○かそのものだと思い込んで生活しないように気をつける事だと思う。

というか真っ先にスマホゲームとトレカをやめるかそれにもっと真心込めて打ち込む事が先決なのだがどうしても出来ない。

そんなこんなで小さな小さな私のエリアは何とかたった今まであまりの平穏さを保ち続けており、今日も即席のカップ焼きそばを食べたいと強く願いながらも買うのが面倒でお腹も空いてないから食べる事叶わぬ日々が続いています。

木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

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