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Do farmers in the dark(45)

Do farmers in the dark

後ろで頸椎に車が衝突している人がいる。一方で私はというと、首に巻きつけたゴムタイヤの空気圧を念入りに毎日調整しているんだよ。

秋めいて

最近はとても秋めいてきて、場合によっては冬めいている日もあったりなので、とてもセンチメンタルな気持ちになっているよ。

トラブルの少ない、おひさまの光を浴びても大丈夫、むしろおひさまの光が大好きな、鶏肉やタバコやコーヒーなどが好きな新種のゾンビめいた日常を送っているためか、なおさらそう感じる。目に見えた問題、差し迫った問題が無いために、些細な事全てが間違いかのような、本当に何もかもが間違いかのような心境になるよ。

でも3日くらい食べて寝てしてたらもうでも良くなって、人目につかない部屋の一画で何か呻きながら一心不乱に縦揺れするくらいには気分が上がってきました。

お気に入りの顔と、お気に入りの壊れたメガネを選んでみて

小さな頃

幼い頃の事を思い出す事は重要だ。そんな気がする。何となくそんな風に思うから、たまに寝る前にそうしている。多分前にも同じ事か同じような事を書いたと思う。最近記憶喪失気味なんだ。

誰だってそうだよ。誰だって記憶喪失だ。誰しもが何かをすごく忘れていて何かをすごく憶えている。またはほどほどに忘れてほどほどに憶えている。

とにかく幼い頃を思い出す事をたまに寝る前にしている。幼い頃は良く壁を見ていた。誰だってそうだ。まだ色んな情報が入ってない幼い頃、壁がどんな色か、どんな柔らかさかは第一に考えさせられる事だったと思うんだ。だからみんな壁を見ていただろうと思うし、当時恐らくベビーベッドに寝ている赤ちゃんである私も例によって壁を見ていた。壁は白かったよ。その壁はまるで偽物のような壁だった。すこし柔らかそうに感じた。掃除機の音が聞こえていた。私はその時とても退屈だと思っていた事をはっきりと記憶している。

その後違う広い家に住んだ。当時私は赤ちゃんから成長して、幼児になり保育園に行っていたと思う。その家の壁はどうだったか。居間の壁はモスグリーンとモスイエローとモスホワイトを混ぜたつまり薄モス色(うすもすいろ)だったよ。黒いすごく小さな斑点や、糸のようなものもその壁には練り込まれていた気がする。それが色をよりいっそう、モス気味にしていた気がする。本物の壁のように見えた。ザラザラして、擦り傷ができそうだった。

そして今、妻と娘と住んでいるアパートの部屋の壁はというと、色はオフホワイト、少し柔らかそうで少しブヨブヨして、まるでこれでもかというくらい、偽物の壁のように見えたよ。

無題(片栗粉で出来ている涙を、専用アイマスクで持ち上げている様子)

でんぐり返しの途中で

幼い頃、実家の木造一軒家の2階で目を覚ますと、決まって私はでんぐり返しの途中で、でんぐり返りきらないくらいの体勢で硬直していた。1階で朝食を作っているような音や誰かの足音が聞こえる。私はお尻を天に向けて、私の腹をずっと見ている。この体勢が、解除できない。うんともすんとも動かないんだ。動かすのを心から諦めると、それは解除されていた。

私は寝起きにでんぐり返しの途中の体勢でしばしば硬直していた、という過去をもつ者だ。それを、それだけを誇りに思っているよ。本当に。

シワシワの薄手のニットを着ていて、毎日お茶漬けや水まんじゅうを食べて、たまにスタミナラーメンを食べて、毎日がほんと楽しいよ。ほんとに。

とにかく、人生とは収穫された蓮根に似ているんです。

人生は、収穫された蓮根に似ているようで、はたまた角切りにされたザクロに似ているような気がしないでもなく、もしくは収穫されたトウモロコシの全体像を写真に撮って、そのトウモロコシの粒々部分の5粒くらいに画像編集でモザイクをかけたのち、その画像データをコンビニのプリンターで50円支払ってカラープリントしたら縮尺が間違っており改めて50円支払ってカラープリントしてそれを額に飾ったもの、に似ているよね。どこが?

やっぱり人生は抹茶オレに似てる。

どこが?

結局のところ人生はめいめい何らかのバイクに乗って疾走し胸に空いた大きな穴にどれだけたくさんの吹き荒ぶ冷たい風を通り抜けさせたか、そうこうしているうちに一体ぜんたい、どのようにその乗っている何らかのバイク上で失神したのか、いったどのように?何時頃に?その後あなたではなく、そのバイクはどうやって死んだ?燃料切れか?もしくは派手に爆発したのかい?焦げているかい?パーツはどこに散らばっているかい?それとも無傷でありその後もしばらくは生きていたのかい?結局のところそもそもどこの道路を走っていたんだい?そのバイクさんは。アッその何らかのバイクさんの名前を聞いてなかった!今すぐその可哀想なバイクさんの名前を教えて欲しい、と思ったが私は1人だった。まわりに誰も聞く人がいない。という事だよ。

何が?

夏休みは大きな魚と大きな太陽を背に、ひまわりの被り物をして一生懸命自分の服を破った

俺の髪の毛

最近本当に元気がないんです、おれの髪の毛の元気が。ヘタっている。それがヘタっている。

白髪も、順調に増えている。それもヘタっている。

海藻が、髪の毛にいい影響を及ぼすと言う話を聞いた。一瞬食べたいと思ったが、やめた。私には海藻は入手困難だ。買うのが面倒だからだ。海藻を買うのがおっくうだ。

思ったんだけど髪の毛がどんな状態であれ、海藻さえ食べればきっとすぐに解決するはずなんだよね。だったら今買わなくてもいいよね。良い産地も知らないし。

小さな丸い鏡を見るこめかみにナイフを装備した女性

トーストを食べたく無い心境。

思い返せばここ何年か、2秒くらい前までずぅ〜っとずっと、私はトーストを食べたくない心境でいるよ。

食パンは、今更さらに焼くまでもない。そんな心境だ。

食パンは、今更ながらに再度にわたって、焼くまでもない。既にそれは一度焼かれているんだから。

そんな心境だよ。

つまり極度のめんどくさがりで怠け者なんだよ。あと、甘くてパサパサしたものは好きではない。どうか柔らかくて少し湿り気があって欲しい。トーストはしないけれども、スーパーの焼き鳥とか、メンチカツとか、惣菜は必ずお皿に入れてレンジでチンしているよ。鶏肉はやミンチは温めても硬くならないからすごいよ。

しかし不思議な事に、そんな心境であるにもかかわらずうっかりトーストした事がここ何年かで2、3度あるよ。その時はインスタントのコーンスープに浸して食べていました。

そして今朝、娘がトーストしたパンにレタスとチーズとハムを挟んで食べていた。一枚の香ばしそうなトーストを折って、その間にハムなどの具材を挟んでいた。トーストはとても美味しそうに見えた。

広場、帽子をかぶってない人、ツバの大きな帽子をかぶっている人、縄はしごを頭に着けている人、帽子をかぶっている人

知識が、無い。

ああ、みんなが知っている事を俺だけが、俺だけが知っていない。俺が知っている事は全て、みんながみんな既に知っている。いつだってそんな心境だ。食っちゃ寝、食っちゃ寝ず、食っちゃ寝、食っちゃ寝ずを繰り返していたらそういう心境になったよ。

だからといってたとえ食っちゃ寝、食っちゃ寝ず、食っちゃ寝、食っちゃ寝ずを繰り返していたとしても、どれだけ自分がアホ丸出しだったとしても、やる気だけはあるんだ。だから今よりわずかに幸せになるために家で何か絵を描いたりとか、何らかの勉強したりとか手や体を使いたいと思っている、思ってはいるのですが、今日も美味しいご飯を頂いたうえ、甘いワインとチーズを食べて、俺はそのまま寝てしまいました。やる気はあるのだけど、やらないんです。お酒も飲んだりもしてしまうんです。

さらに今日は娘に今夜中にダンボールや紙などで斧を作って欲しいと頼まれていたのに、寝てしまいました。娘は何度か俺を起こしてくれましたが、その都度俺はあと5分で起きるつもりですと言っていたのですが、どうしても布団から出られませんでした。

そんな具合だったため、睡眠が浅くなったのか夢を見ました。夢の中で俺は出勤するため会社のビルの上の方の階に行かないといけないのだけど、エレベーターがすごく混んでいました。困ったなあと思っていると3、4人のガタイのいい、体だけではなく顔のガタイもいい屈強な半袖半ズボンの子供たちがこっちのエレベーターが空いているぜと言ってワイワイと楽しそうに、気づいたらそこだけ空いていた暗がりに浮かぶ一つのエレベーターの扉に乗り込んで行きました。俺も続いてそのエレベーターに乗りました。するとそのエレベーターは世にも珍しい観覧車型のエレベーターであり、じっさい観覧車でした。すごいスピードで回転する観覧車でした。どうやら目的地に着いたようです。するとそこはまだ会社のビルの外でした。俺はああ、また遅刻してしまったと思いました。ビルの外には移民のホームレスがおり、その中にすごく掘りの深い顔をした昔の友達がいました。その友達はビルにもたれかかっていて、裸でした。何か天気がいいねなど軽く話して、その場を離れました。俺は屈強な移民に混じってホームレスをやっているなんて、なんてすごい男なんだと、何を食べているんだろうか、缶詰かな?と思いました。その友達は線が細いのに誰よりも気骨があり、何か馬鹿にされようものならものすごい勢いで堀の深い顔を皺々にしてものすごい形相でキレる友達でした。とにかく職場にいかなくちゃと思い、何かがいつもと違うビルのような気がするけど、ビルに入ってみました。今度はすんなりエレベーターに乗れ、無事私の職場に着きました。

そこはとても広くて明るいキッズルームのようで、たくさんある窓からの光がおだやかに職場を照らしており、職場の何十人かの面々は誰もが楽しそうに談笑していました。何かビルの様子が変だったから遅刻した旨を伝えると、上司はえ〜そうなんだ〜と言っていました。なんか気になるね〜とも言っていました。ちょっとビルの様子が気になるので、また外に出て様子を見て来ますと言って俺は再度ビルの外に出ました。よくよくビルの入り口を見ると、明らかに以前より不穏な模様が壁にありました。ただれたピンクの、水垢模様でした。やっぱり変だなあと思っていると、同僚の気のいいおじさんが今ちょうど会社に来た感じだったので、なんかビルの様子が変な感じなんです、一緒に入りませんかと伝えた。その脇では、先ほどと変わらずホームレスの旧友が裸でビルにもたれかかっていました。屈強な移民達が少し離れて十数名いました。彼らを横目に、俺と同僚のおじさんは変な感じのビルに入りました。すると、先程はどういうわけかキッズルームみたいな職場にすんなり着けたのに、今度はビルに入るなり真っ暗で、通路がすごく狭い感じでした。俺とおじさんはどういうわけかビルの外の旧友のホームレス、ではなく今はきっと一時的にホームレスをしている旧友のそばに用務室がある事を知っており、電灯をそこから取ってこようという話になり、どういうわけかすぐに電灯を手に入れ、またビルに入りました。その時もホームレスの旧友はビルにもたれていたと思います。その時も俺は彼はなんてすごい男だ。と思っていたと思います。そしてビルの狭い通路を電灯で歩いて行き、少し進んで突き当たりを左に折れ、また突き当たりを右に折れると、すぐに銭湯の番台のような、または老舗旅館のフロントみたいなところに着きました。どうやら入場料が¥2,000いるようでした。生の柔らかい能面のような顔をした、恐らく女性のような人のような、人でないような人が2人いました。1人は受付の番台の中におり、もう1人は支払いをする我々のすぐ横、番台の外に立っています。2人は生の能面を横に広げたような顔をしており、体は通常の大人のサイズで女性の体をしているのですが、その生の能面のような顔は普通の人の顔の2倍か3倍の大きさがありました。俺はその2人を人間では無いと思いました。2人は喋らなかったし、口はあるのだけど声を発する事はできなさそうな感じでした。なのにどうしてなのか書いてあったのか、¥2,000を支払わないといけない事は分かっていました。俺はその2人が、この不思議な場所がとても怖いので、とにかくふざけてしまい¥2,000を支払う際にお札をわざと、アウアウアウと言いながらものすごく手を震えさせて受け取れるか受け取れないか、くらいな感じで簡単には受け取らせないみたいな、だいぶ失礼な事をやりました。いったいどんなリアクションをしてくれるだろう?すごく気になるなと思っていると、俺のすぐ横にいた生の能面の1人が、こちらに向かって手を両側に大きく広げました。次のその手は素早く俺の背骨と股間を掴み、ものすごい力でそれら背骨と股間を、体からベリベリと、剥がし始めたではありませんか。俺はあまりの恐怖と痛みと、当然こうなるよなという諦めの心が頭をよぎり、とりあえず、絶叫する事に決めて実際に、うぅぉぉぉぉおおおオオオオオ!!っと絶叫しました。

すると目が覚めました。

背骨と股間が剥ぎ取られて絶命する前に目が覚めて良かったとホッとしました。一瞬娘に頼まれたダンボールの斧を作ろうか迷いましたが、やはり俺はまだ眠たくて立ち上がれませんでした。

そしてまた眠りにつくと、先ほどの夢の続きを見る事が出来ました。恐らく私が絶命した後の映像でした。そこではフロントの手前の暗い通路で、一緒にいた同僚のおじさんが掃き掃除をしていました。顔から表情がすっかりなくなり、まるで生(なま)の人形のような顔になっていました。そこで夢は終わりました。その後は朝になり目が覚めて、もう朝!!夢を見ると朝になるのが早く感じる!でも夢を見ていなかったとしても朝になるのはいつも早く感じるかも!と思い身支度をして会社に行きました。

孵化しそうな俺の黒目が楽しみでもあり不安でもあり、そんな毎日。でもやっぱり、口も勝手に開いてくるし、舌も勝手に持ち上がってくるしで、結局のところ俺はそれを不安に思っています。

またやってしまいました

またやってしまった。

どこかへ行って人に会うと必ず失敗してしまう。今日もやってしまった。飲食店で、お会計の際に料理の感想を言ったりしている最中に私はブゥー!と大きなオナラをしてしまったんだ。

私はあろうことか、そのまま談笑してにこやかにおやすみなさいと言い残し、さらに店先で一服までさせてもらい家に帰りました。本当にごめんなさい。

エアリーで粘着質な黒いボツボツを身に付ける日
木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

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