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3F/長期滞在者&more

暮らしてみる

長期滞在者

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縁あって、販売中のマンションのモデルルームの中に、ルーニィで取り扱っている作品飾らせて頂くことになりました。以前からこういうイベントを手がけてみたいと思いつつそのチャンスに恵まれなかったのですが、いつか必ず出来ると念じていたら、やっと廻ってきました。

モデルルームの中というのは、建物の間取りだけでなく、中に配置されている家具や調度品、つまりダイニングテーブルに置かれたワイングラスから、ベッドルームに添えられた花瓶に至るまで、専門のプロデューサーの手により、一分の隙もないほど整えられています。家具も、食器類も見た目だけでなく、きちんと販売する住宅の格に見合う相応のランクの品物を使っていました。
だからこそ、創造性に富みきちんとした技術で丁寧に仕上げられた作品を飾るにふさわしい場所だと考えました。量販の雑貨店の片隅に置いているプリントもののアート風ポスターなどとは全く違う雰囲気を出すことができます。

今までも、ギャラリー空間をリビングルーム風に改装してその中で作品を観てもらうイベントなど、作品に囲まれて暮らす楽しさをお伝えする企画を数多く重ねてきました。写真を含めたアート作品を所有することに興味のある人は多いが、作品の選び方や、飾り方、そもそもそんなに立派なスペースは、我が家にはないぞ、という思いを持つ方はとても多いと思います。
いやいや、そんなに難しいことはないよ、と言葉を重ねるよりも、実際に作品を使う現場を観て頂いた方が、分かりやすい訳ですから、こういう機会に写真コレクション入門として、生活シーンに合わせて作品のチョイスのこと、飾り方のコツなどをモデルルームの中でいくつかのパターンをお示しすることで、自宅で作品と暮らすヒントを提供できるというのが、最大の特徴です。

もうひとつは新しいお客様との出会いにも期待しています。4年前から続けている地方出張のイベントも趣旨は同じですが、こちらから日頃ギャラリーへ出かけないような人々の前に出て行き直接作品の魅力や楽しさをお伝えすることで、他のギャラリーとは違った顧客層を積み上げることが出来ます。同業者同士で行うフェアの様なイベントですと、初めて出会うお客様であっても、うちは数多くあるギャラリーの中のひとつでしかないのですが、日頃ギャラリーや展覧会に足を運ばない方々との出会いは、極端な話ギャラリー=ルーニィなのです。更にはモデルルーム内に置かれた家具などと同様に、売約成立時のお祝い品としての需要も見込めますので、理想的な販路拡大の機会でもあります。

今回は既に整えられた空間に、作品を置くというかなりデリケートな作業で、写真のモチーフの選定や、画面の大きさ、設置場所や、全体のボリューム感など、すべてにおいて制限がかかるので、設営作業はかなり時間を要するのではないかと思っていたのですが、毎日のように眺めている取り扱い作品を持ち込んだだけあって、不思議とするすると、ベストなポジションが見つかります。作品たちも普段とはちょっと違う雰囲気を身にまとい、いきいきと輝いていました。ささやかな試みですが、これをステップにいろいろな形に展開して、もっともっと面白くしていきたいです。

篠原 俊之

篠原 俊之

1972年東京生まれ 大阪芸術大学写真学科卒業 在学中から写真展を中心とした創作活動を行う。1996年〜2004年まで東京写真文化館の設立に参画しそのままディレクターとなる。2005年より、ルーニィ247フォトグラフィー設立 2011年 クロスロードギャラリー設立。国内外の著名作家から、新進の作家まで幅広く写真展をコーディネートする。

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