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3F/長期滞在者&more

パーティーからお酒を外してみる

長期滞在者

以前、自分の企画展ではオープニングパーティーをやらなくなった、という話を書いたことがあります。
移転した今年、ルーニィでは9本の展覧会を企画したのですが、オープニングパーティーはついに1度も開くことはなかったのです。美術館のパーティーと違って、私たちのオープニングパーティーは、業界の社交や情報交換の機会である以前に、良いお客様に集まって頂いて、確実に作品を売っていく重要な機会でもあります。もちろんその数時間の間に売れなくても、お客様が作家さんと直接ふれあう時間を設けることによって、作家さんの仕事への理解を深め購入を前向きに検討して頂くのでも構わないのです。業界の観る匠の様な人の厳しい視線に耐えうるかどうか、発信力のある人に興味を持って頂き、来場者の弾みがつくかどうか、そして、ぼくたちが力を注いで準備してきた作品たちがしっかりとお客様の手に渡るかどうか、どれも外せない要素なのですが、ここ数年来新たにお客様として通ってくださる方々が、関係者が集まるオープニングパーティーは、特別な人しか行ってはいけない雰囲気があると聞かされてからは、お客様と作家さんをつなぐには、今後どのようにすべきなのか、ずっと考えてきました。

ぼくが若い頃のギャラリーのパーティーはとにかく、缶ビールや、紙コップの日本酒がどんどん振る舞われ、会場の中央にも、近くの仕出し屋などで手配されたオードブルの大きな丸い皿がいくつも置かれていました。
会場で2時間くらい飲んで、その後二次会、三次会、と結局朝までどこかで飲んでいるというのも日常茶判事で、20代の頃は、そのまま仕事に出かけたものでした。
それはそれで、当時はとても楽しく、ぼくの場合はそうやって写真の世界の諸先輩たちから色々なことを学ばせて頂いたのですが、20年も経つと、さすがにパーティーのスタイルも変わっていかないといけないのかな、と思います。

そこで、パーティーの重要な要素であったお酒を外して考えてみる。普通のお客様が足を運びやすい週末の明るい時間帯に、作家さんを囲んでの茶話会のようなものが出来ればと考えています。
作家さんの仕事についての理解を深めるのであれば、落ち着いて話が出来る静かな雰囲気と、ノンアルコールの方が、確かに印象は残るはずです。飲み物や、お茶請けは作家さんにチョイスしてもらったり(もちろんぼくがお支払いします!)作家さんにちなんだ品物を用意するのも楽しそうです。毎度毎度中途半端に残ってしまったボトルワインの残りの処理にも悩まずにもすむ、という副産物も得られるような気がします。
もう少し内容を練り上げて、協力してくれる作家さんの展示から、少しずつ始めてみようと思っています。

篠原 俊之

篠原 俊之

1972年東京生まれ 大阪芸術大学写真学科卒業 在学中から写真展を中心とした創作活動を行う。1996年〜2004年まで東京写真文化館の設立に参画しそのままディレクターとなる。2005年より、ルーニィ247フォトグラフィー設立 2011年 クロスロードギャラリー設立。国内外の著名作家から、新進の作家まで幅広く写真展をコーディネートする。

Reviewed by
鈴木 悠平

お客さんと作家さんをつなぎ、作家や作品への理解や親しみを深めてもらう、ひいては購入を検討してもらえたら嬉しい…

そうした位置付けで催されてきた、企画展のオープニングパーティー。

だけど、そうした「目的」が果たされるのならば、慣例的に振る舞われてきた、お酒という「方法」に固執する必要はないわけだ。特に最近は、ガヤガヤした空間でお酒を飲みながら慌ただしく社交するよりは、少人数でもお酒なしでも良いから、落ち着いて作品や作家とふれあいたいという人も、少なくないのではないかと思う。

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