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3F/長期滞在者&more

淀川だいなごん

長期滞在者

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しばらくお休みを頂いておりました。
再開します。

以前にも登場した、だいなごん。
(前回のはこちら。 https://apartment-home.net/long-visiter/dyngn/ )

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またよろしくお願いいたします。

カマウチヒデキ

カマウチヒデキ

写真を撮る人。200字小説を書く人。自転車が好きな人。

Reviewed by
藤田莉江

わたし(レビュワー)はだいなごん、彼女のことを知っている。

単に顔と名前を知っている、という以上には、存在を認知している。

実際に会って話したり、食事をしたり、一緒に展示をしたことまである。

そんな相手を、どこか抽象的に感じる、という不思議な体験。

知った彼女なのに、知らない人のように見える。

わたしの中の彼女のイメージを著しく損なう要因も見当たらないまま、出所不明の風に吹かれ、ゆらめいて見えるのだ。

かといって、今まで彼女と顔を合わせたことは、何度あっただろう。

わたしは彼女をそんなに、は、知らない。

具体的な動かぬ像として、こうして目の前にあるからこそ、ちらつく蛍光灯のように頼りない記憶の姿が煽られ、翻る。

そこにわたしは抽象を見るのだろうか。
出所不明の風の正体は、そういうことなのだろうか。

月日が流れ、ひとが刻一刻と変化するそのはやさを想像で補う、慣性のなかにあるわたし個人の記憶の中のゆらめき。
その振幅に関与する新たなイメージ。

「知っている」という認識の儚さを手に握らされる思いだが、彼女を知らない人に伝わることは、だいなごん、彼女の存在であり、その確かさであることが想像され、なんともいえず可笑しくて、おそろしい。

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