二十歳の頃に比べて鳥肌が立つような出来事も少なくなった。
当時より多少はお金も使えるようになり、行けなかったところに行ける回数が増える。情報の取り方も少しは器用になり、知らないジャンルのイベントに行く。そこでそれなりに刺激ある。
けど、もうどうなったっていいように感じる日は減る。
海外に行ってどこかのドミトリーで同じく旅をしてる人たちに会っても、初対面から身を投げ出すような熱さで話すことはなかなか無い。
物語や映画の世界に入ろうとしても、類似の展開が頭を過ぎる。
そんな中でも、「こんなんあったんや」と埋もれていたものを発見するときには今でも心が躍る。
大海に放たれるというよりも、砂の中から金が見つかるような。
そして発見が無くとも反復の楽しみがあることを覚える。
同じセットリストのライブを何回も続けて見るような。
そんな風に過ごしていると、自然と生活の中にノイズが少なくなる。
台風が来たとき少し心躍ることが共感出来るのはいいな。
アパートメントの投稿日の24日がちょうど土日休みに重なると、電車で1時間半ほどの場所に出掛けることが習慣になっている。
電車に揺られた移動中が最もフラットになれるのは少しばかしの人の目があるからか。
今月は24日が土曜日だったので新松田に出掛けた。
前夜にインスタ配信をしていたミュージシャンが、「次に引っ越すなら新松田」と言っていたので新松田にした。ちょうど電車で1時間半ほどだった。
せっかくなら少し歩きたいと新松田を過ぎた1つ目の駅である開成駅で降りて、川沿いを歩い新松田駅を目指す。
google mapでは40分ほどで新松田駅に着くと表示されていた。
途中、警備員や消防車が集合していて川沿いで消防訓練をやっているのかと思っていたら、夜に花火大会が開かれるとのことだった。
川沿いをもう少し歩いたところに橋があり、その橋を渡らないと新松田駅に行けないのだが、まだ夕方にもなっていないにも関わらず警備員より向こう側の川沿いは徒歩でも通行止めで、迂回することになった。
と、雷が鳴り響き、どす黒い雲が漂っていた。
川沿いでゲリラ豪雨に遭っては逃げ場が無いと思い、ぐるりと回って駆け足で新松田駅へ移動した。
そこから電車で2駅の山北駅で降りて、駅の裏手にある市民センターのような施設の3階にある人工温泉に入る。500円。プール付きだった。
件の休憩所で投稿文を書いた後、もう一度新松田に戻り、祭りの準備が進んで徐々に人が集まり出した川沿いに座って、屋台の豆とチキンの合いがけカレーを食べながら続きの文章を書いて投稿ボタンを。
次24日が休みに重なるのはいつだろう。