長期滞在者
「明日、待っていますね。」 そう約束をしていた、毎日言葉を交わすことが楽しかった人が、その明日に突然死んでしまってから、 私は明日を信じなくなった。 あれから、眠る前に毎晩思う。私に必ず明日が訪れるわけではない。 このまま眠って、私が目覚めないことを想定する。 例えば、今Twitterに残したこの言葉は、明日私が死んでしまったら、最期の言葉として残るのだなと考えて、 言葉を綴るようになった。 「未…
長期滞在者
僕の働く営業写真の世界ではこの年末は大繁忙期です。 11月は七五三の撮影でてんやわんやし、12月はその写真の仕上げに忙殺され、成人式の前撮り写真もじゃんじゃん入ってきます。殺人的な仕事量です。忙殺とはよく言ったもので、忙しさに殺される。本当に毎年死ぬんじゃないかと思いながらこの季節を過ごします。 まぁ、知っての通りの写真馬鹿ですから、写真で死ねるならいいだろう、とか仰るかもしれませんが、嫌です。仕…
長期滞在者
コーヒーが好きだ。 といって、抽出から保温までやってくれるコーヒーメーカーを持っているわけでもないし、カフェ巡りを趣味にしているわけでもない。スマトラとエチオピアの違いを言うこともできないし、まあぼちぼちやっている、といったところ。 —— いつ頃から好きになったのだろうかと考えると、大学で卒業研究をしていた頃に行きつく。その研究室には、インスタントの粉を溶かすタイプのコーヒ…
長期滞在者
銀座でギャラリーも運営している会社の専務さんが照明器具のリニューアルでうちの会場を見に来られました。 うちで使っているのは大した器具でもなく、LED電球に変えてからは、毎年のように新しい球をテストして、より良いものに交換している程度で、そんなに参考になるようなものはあまりないと思いますが、日頃考えていることを率直にお話ししたりしました。小伝馬町移転にあたり照明器具は、会場全体を均一に照らす面光源は…
長期滞在者
ついにやって来てしまった… ほぼ2ヶ月くらい前から心と体の準備をして来たにもかかわらず、 いざそれが現実のものになると、やっぱり相当なインパクトである。 10月が終わると同時についに冬時間に戻ってしまった。 冬時間、というか、これが本来の時間なわけだが、 時間変更直前は大体18時ごろに日が暮れかかって来て、 やっぱり日が短くなって来たんだなあ、とか思っていたら、 変更後はいきなり18時はほぼ真っ暗…
長期滞在者
ここ最近、iPhoneで電子書籍を読んでいる。今読んでいるのは、Joshua Fields Millburnの『Everything That Remains』。著者のJoshuaがミニマリストになるまでと、なってからのことを書き綴ったエッセイなのだけれど、この本を通勤電車の中で少しずつ読み進めるのが、ここ最近の楽しみになっている。JoshuaはRyanという友人とふたりで”the m…
長期滞在者
今月の頭に、引越しをした。 空っぽになった部屋をiPhoneのカメラに収め、2年半ほど住んだ家を後にする。新しい家は、自転車でわずか5分ほど。そんな近い場所に、更新でもないタイミングで引っ越したのは、恋人と一緒に暮らすためだった。 同棲は楽しみな半面、不安もあった。相手のこれまで見えなかった部分も目につきやすくなるだろうし、一緒にいる時間が長いぶん、ちょっとした行き違いをやり過ごせなくなる。ものす…
長期滞在者
わたしとRと、どちらということもなく、そのきわめて特徴的な声で鳴く鳥の存在に気づいた。4月の沖縄はもうだいぶ暖かくて、午前中に窓を開けて仕事をしていたりすると、この鳥の「ちゅっちゅっ・ちゅちゅちゅ!」という甲高い声が響く。わたしたちのあいだでどちらということもなく、その声の主は「ちゅっちゅ鳥」と呼ばれるようになった。休日の昼間なんかに、窓を開けはなした家のなかで「ちゅっちゅっ・ちゅちゅちゅ!」と聞…
長期滞在者
珍しく丸腰だった日。 意図してのことではなく、EOSとベッサ、どっちにしようか朝ずいぶん悩んで、よし、今日はEOS、とベッサを机に置き、そのまま馬鹿なことにEOSも玄関に置いてきてしまったという(嗚呼)。 カメラを忘れて家を出たら、その日は一日パンツを履き忘れているような嫌な感じがする、と誰かが言ってた。 そのとおりである。落ち着かないことこの上ない。 しかもこの、丸腰の時に限って、目につくもの目…
長期滞在者
先日、台北のフォトフェアーに参加していました。 海外の写真事情も、現地での人脈も特にあるわけでもなく、しかし東京での売り上げだけではどうにもならない閉塞感もあり、販路拡大のきっかけが得られればと考えて、初めて参加しました。 初めて降り立った台北・松山空港からタクシーで宿泊先のホテルに向かいます。パソコンからあらかじめプリントアウトしていたホテル名の記載された書類は全て英語で、それを運転手に見せれば…
長期滞在者
拍手の音だけが耳に聴こえる。 全ての司会を終えて、頭を下げた瞬間に聴こえた拍手の音を、そのまましばらく聴いていた。 声の仕事をしてきて、20周年となった、10月のその日。 私は今も、自分の声を誰かに届け、言葉を使った仕事をして、最後に拍手の中にいる。 その事実に、感謝しかない。 20年で出会えた全てのことが、今も私が声を伝えることができる場所へと導いてくれたと感じる瞬間だった。 国連UNHCR難民…
長期滞在者
夏休み明けから、あれこれ整理をつけようと、 部屋の模様替えをやったり、ヨガと瞑想を再開したり、 日記やメモを今まで以上に詳細につけることにしたり、 アイロン台を買ってきてもっとアイロンがけに時間を費やすことにしたり、 と手を替え品を替え思いつくものは手当たり次第にやっているところなんだけど、 その過程でなぜか、植物との関わりをもっと増やすと良いに違いない、 という確信めいたものが降ってきて、にわか…