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3F/長期滞在者&more

興味を持たせるしごと

長期滞在者

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買ったばかりの本を読みながらコーヒーを飲むようなお店は都内に限らずあちこちにあると思うけれど、今日は図書館で借りてきた本をその場で読みながらコーヒーを飲むという経験をしました。ここは、外部持ち出し不可で、全て開架式になっているライブラリーで、各所に配置された学習スペースで読むスタイルなのだが、併設のコーヒーショップには持ち込んでも良い、ということなので、早速いくつかの本を手に座りごごちの良いソファに身を沈めてみました。

ここでは、司書スタッフが定期的にピックアップされた〜文学から、科学芸術、実用書や、〇〇健康法といった類に至るまで無秩序オールジャンルに渡る特集コーナーがとても面白い。
通常の書架から離れて、いわば本のプロが選び抜いたものが並んでいるのを前にすると、乏しい己の知のハードディスクがいくらか目覚めるのか、普段なら素通りするようなジャンルのものでも、未知の世界へ手を伸ばしてみたいという気にさせられるのだから不思議なものです。

こういうのをキュレーションと呼ぶのだろうな、と身をもって感じ入りました。無関心なものに、興味を持たせる仕事。本当に素晴らしいと思いました。

買った本を読むようなお店とちょっと違うのはもう一つあって、静かな環境を整えることに注意を払っている点でした。
今まで行ったことのある場所は、静かなようで、何か空気がざわざわしていたり、わざとらしく感じることさえある、エスプレッソマシーンを操作する一連の音であったり、意外と本の世界に没入するのが難しいと感じることが多かった気がします。

気がつけば、美しいとさえ思える静けさの中で数時間を過ごし、午後の計画を一部変更することになりましたが、それくらい去りがたいと思わせる体験でした。

篠原 俊之

篠原 俊之

1972年東京生まれ 大阪芸術大学写真学科卒業 在学中から写真展を中心とした創作活動を行う。1996年〜2004年まで東京写真文化館の設立に参画しそのままディレクターとなる。2005年より、ルーニィ247フォトグラフィー設立 2011年 クロスロードギャラリー設立。国内外の著名作家から、新進の作家まで幅広く写真展をコーディネートする。

Reviewed by
モク

外部持ち出し不可。併設のカフェなら可。そんな条件が揃った図書館がある。そこにある本は、お金を出して買って帰ることも借りて帰ることもできない。気軽に「自分のもの」にできない不自由さがあるにも関わらず、限りない知的好奇心が刺激されている工夫とは?

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