長期滞在者
フランスで私が、美しい、好もしい、と思える男子は、全員ホモセクシュアルなので困っています。 他の日本女子にきいても大抵が同じ感想です。 フランス語部分 「ごめん。もう行かなくちゃ。そういえば僕たち結婚するっていったっけ?」 「ねえ、はやく行こうよジュリアン。劇場に遅れちゃうよ」 広告や人気映画俳優などから推察する、フランスの「男らしい男」は、みんな無精髭を生やしており、類人猿ぽく、髭ばかりでなく体…
長期滞在者
先日、不思議な体験をした。とても暖かい日の夕方、夕食後にAndyさんとちかくの自販機まで歩いていった。比叡山の真上に細い三日月があがっていて、きれいだねなんて言いながら。ふたりで大好きなPepsi NEXを買って帰ろうと思ったのだけれど、ふと気になっていたことをAndyさんに聞いてみた。小学校へは、どの道を通っていたの?今度、一緒に歩いてみようか、ってそれで終わると思っていたのだけれど、いざ家に…
長期滞在者
高級魚「のどぐろ」として有名。関西圏ではあまり出回らないのか、それとも高級魚だから縁がなかったのか、大阪では存在を意識した記憶がない。東京に引っ越してから、その名が目につくようになった。3年ほど前、職場の近くの仕出し弁当屋さんのメニューに「焼き魚(のどぐろ)弁当」というのがあって、ハテこの「のどぐろ」というのはよく見るけどいったい何者なのか、と調べて「アカムツ」という深海の魚なのだと知った。(残念…
長期滞在者
満開の桜を見ていると思い出す。 まだ桜がパラパラと咲き始めた頃。 電話を受けて汗だくで走った西新宿の街。 祈りながらずっと俯いていた北九州行きの飛行機の中。 窓から見えるであろう懐かしい風景が歪んで全く見えなかった電車の中。 押し寄せるどうしようもない感情に子どもの頃のようにたくさん泣いたあの日。 父がこの世を去ってから丸一年が過ぎた。 もうあの頃のように悲しみに明け暮れることもない。 時間の経過…
長期滞在者
2013.03.11 10:00頃に目が覚める。 今日は久しぶりに部屋でゆっくりしようかと思っていたけれど、 ふと思い立って1人で海に行くことにした。 電車を乗り継いで、13:30くらいに茅ヶ崎に到着。 安かったので、途中の八百屋さんでイチゴを買う。 コンビニで買ったおにぎりは海に着くまでに食べてしまった。 1人だし、トンビこわいし。 着いてすぐに靴を脱ぐ。砂はあたたか。 もう砂のあ…
長期滞在者
今日は久々に、日が射している。ここしばらく、雨や雪で、空は濁った灰色のままだったから、このまぶしい暖かさが心地いい。冬場の雨、雪は寒さを増幅させるけれど、乾燥を和らげてくれるので嫌いではない。だけど、そのぐずぐずした天気が続くと、どうしても日の光が恋しくなるし、今日のような寒い日に、窓辺のあたたかな日差しを浴びていると、まだ来ぬ春への期待や、恋しさで胸が焦がれてしまうのも無理はない。 ふと、ブ…
スタッフの部屋
人生って、何がどうなるのかわからないな、と、そんな事を思わずにはいられない数年前から、今があります。 わたしは浅田泉として去年こちらのアパートメントに住んでいた者です。 改めまして、こんばんは。 浅田泉としてではなく、藤田莉江として、このアパートメントの運営のお手伝いをさせていただくことになりました。 出来る事は少ないかも知れませんが、この場所を大好きに思うひとりとして、携われること、嬉しく思いま…
管理人室の往復書簡
かおちゃんや。 こんにちは。 アパートメントの寅さんこと、はるえです。 いやほんとに書けなかったね。 最後に書いたのはいつぐらい前かなといま確認したら。去年の5月。9ヶ月。半年くらいかとばかり思っていた。 かおちゃん、年があけて今日は、1月16日だ。 そう、わたしたちが東京のカフェで会った日だ。アパートメントをつくろうとなった日だ。 記念日関係、自分の恋人の誕生日や別れた日とかおいっこの誕生日、高…
長期滞在者
昨年末、新幹線でげろげろ酔いながら、家族の暮す群馬へと帰省した。群馬の土地を踏むのは、一年ぶりだった。まず、大学時代の恩師と品川で会ってから、混雑した電車に飛び込んだ。見慣れていたはずの東京の雑踏、人の群れ。何度利用しても好きになれない赤羽駅で乗り換えて、いつもの二倍、三倍の人でごったがえしていた本庄駅でむかえの車を待った。駅前のミスドがなくなっていた。 もう長く顔を見ていなかった父方の祖父母…
長期滞在者
今日、ぼくの中の止まってしまっていた時計の針が静かに、だけど確実に動き出した。 五年前のあの日、針が動きを止めたあの場所で。 ひさしぶりに行ったあの場所は、これから起こることへの期待とあたたかで楽しげな笑顔に溢れていた。 その瞬間はセンセーショナルに、ある意味予定調和的に始まった。 五年前と何も変わらない、でも五年間確かにいろいろな道を踏みしめてきた彼らがそこに立っていた。 懐かしいあの音、あの笑…
スタッフの部屋
「支援という仕事をください。」 宮城県気仙沼市から「復興印刷隊」を立ち上げた有限会社 阿部印刷さんのサイトにこう書いてあります。 ここを知ったのは、アパートメントにコラムを寄せてくださったフリーランスライターの畠山理仁さんのtwitterからでした。 2011年3月11日、気仙沼市にかまえる会社で被災した阿部印刷の阿部孝市さんは、その会社に関わる命綱すべてを津波で失いました。 + 「津波は1階事務…
長期滞在者
へジナウドの息子さんが癌である、そういう話が飛び交ったのはある朝のことだ。事務員さんが話しているのを盗み聞きしてしまった学生がいて、その話は、乾いた土に降る雨のように、あっという間にクラス中に広まった。友達のいなかったわたしでさえ、それを耳にしていた。あまりにはやく広まったこの話が真実なのか、ただの噂なのか、誰しもが気にしてた。校長に問いつめてみよう、と言う者もいた。だけど、クラスのリーダー的な…