長期滞在者
今日は夕方から天気が荒れるという予報。こんなにすっからかんに晴れているのにな。 夜大荒れだからといって、今使いもしない傘を持って電車で通勤するのは、どうにも楽しくない。 ああ、自転車に乗りたい。 こんなことをつぶやく自分にびっくりする。 お前そんなに自転車好きだったか(笑)。 実際、例年になく寒かったこの冬、ほとんど通勤に自転車を使わなかった。使えなかった。加齢は確実に根性を蝕む。なんだか寒さに年…
長期滞在者
うちで開催する写真展に合わせて、立派な本を出版される方は少なくありません。作品集が、全国の書店に並べられて、多くの人の目に触れ、人の手に渡っていくというのは、いまや幻想もいいところで、だからこそアートブックフェアへ参加したり、展覧会の会場で販売することで、ある程度の数の目処を立てたいのだろうと思います。 出版と展示を連動させて進めていくのは大変なことです。 どういう事情かわからないけれど、出版記念…
長期滞在者
桜が咲いた。 3月の週末。大阪に向かう新幹線の中で、東京の桜もこの土日が見頃というニュースを目にした。 今年は例年よりも随分と早く開花した桜。 大阪に着くと、京都の桜も咲いているみたいだよという話を耳にした。 父親が大阪出身ということで、小さい頃から大阪や京都にはよく足を運んでいたが、 私は、日本でも特に美しいと言われている京都での桜を見たことがなかった。 「ねえ、お父さん。京都で桜が咲いているみ…
Mais ou Menos
————— DEAR ぴちゃん 今日も仕事でバタバタしているのに、英語の勉強お疲れ。さっき、いつものスタバの近くを救急車が走っていくのを見た。たぶん、私が通ってる病院に向かってたんだろうな。サイレンの音を聞いて、胸がバクバクしたよ。 ここしばらく体調がとても悪くて、日々心配かけてばかりだね。ポジティブでいられないことも多くて、Pには本当に…
長期滞在者
新しい街に引っ越してきた最初の夜というのは、けっこう心細いものである。 駅に降り立ち、ここがこれから住む街か……とまわりを見渡す。これまでに何度か訪れたことがあっても、いざ住むとなると、街を眺める視線もいつもとは違ってくる。いざ住みはじめてしまえば、空気はだんだん身になじみ、なんとなく心安い気持ちになるのだけれど、引っ越しの初日、まだここは「知らない街」である。 バスに乗ったり歩いたりしながら家に…
それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
自分の年代の子が遊んでいる場所よりも年上の人たちが遊んでいる場所が好きだ。なぜだろう。自分が普段いる場所から逃避したい気持ちと、大人になる楽しみを見つけることに単純に魅了されるからかもしれない。 今では大人になったのでそういう場所はどんどん少なくなっているけど、高校生だった私にとってのそれは、新潟・東堀通にあるライブレストランだった。当時のオーナーが長い髪をポニーテールにした背の高い美しい女性だっ…
長期滞在者
斜面の両端に植わった桜は零れ落ちる寸前で、淡い桃色を鈴が鳴るように震わせていた。 淡く霞んだ海と空の境界線は曖昧で、途切れることなく船が行き来する。 大きなのと、小さなのと、右から、左から。 3艘の船が白い線を引いて交差するのを見つけて、満たされた気持ちになる。 理加さんは、やわらかな地面に種を蒔くみたいにして話す。 この日豊島へ行ったのは、踊る人でありからだのことを考える人でもある濱田陽平さんの…
風景のある図鑑
宇宙背景放射 : cosmic microwave background 宇宙背景放射、宇宙全体から放射されている電波です。 1964年、ペンジアスとウィルソンという二人の科学者が、電波望遠鏡で宇宙を飛んでいる電波を調べました。その時、宇宙のどの方向からも同じ一定の雑音が入ってくることに気がつきました。普通の雑音は、音源からの音が最も大きいものですが、この音は宇宙全体から一定の大きさで聞こえてくる…
Native Language
長期滞在者
うーむ。 この3月は何やらいろいろ収穫の多い月だった。 ような気がする。 以前、やっと成形が終わってホッとしている、と書いた、 やきもの仕事の本焼成が二月半ばすぎにやっと終わったのだけれど、 その直後にプチ・バーンアウト状態になったのもあり、 3月前半は2週間の休暇を取ることにした。 1月に訪れたフランスのメッスに再び向かい、 今回は坂本龍一x高谷史郎によるライブコンサートを鑑賞し、 その後で、も…
日本のヤバい女の子
【4月のヤバい女の子/ オタクとヤバい女の子】 ● 鬼を拝んだおばあさん ――――― 《 鬼を拝んだおばあさん》 昔々、今でいう富山県の辺りに一人のおばあさんが暮らしていた。 おばあさんは変わり者で、鬼を熱心に信仰していた。普通の人が「仏様…仏様…」と唱える場面で、一人だけ「鬼様…鬼様…」と祈るのである。 周囲の人々は皆「やばいって、やめなよ」ととめるが、聞く耳を持たない。結局、年を取って亡くなる…
長期滞在者
桜が咲いて、マグノリアの花も、もう散り始めた。精密検査にための通院ラッシュがひと段落して、普通に働く生活戻らないといけない。季節の変わり目だからなのか、気分が優れない日々が続いているものの、天気は日々好転しているので、うざうざした気持ちのままでいるのは正直勿体無い。だけど、濡れた顔のアンパンマンのように、力が出ないのも本当で、毎日今日も一日頑張らないといけないのかと、朝お布団の中でしばらく泣きそう…