長期滞在者
瀬戸内海にあるうさぎの島に、また行ってきた。 別にうさぎを飼ったことがあるわけでもないし、数ある動物の中でとくにうさぎが好きというわけでもない。なのにもう三回目の上陸である。 何年か前に行ったときは島内にうさぎ300匹とか言ってたのに、今年のインフォメーションでは700匹だという。たしかに以前はあまり出会わなかった山の上の方でもひょこひょこ餌をねだりに出てくるから、増えてるのは確かなようだ。増減の…
長期滞在者
「判断基準が外にある不安をどうにかしたいよね。もっと素直に生きて。」 そう言った彼のことを、知り合ってからの長い間、わたしは“判断基準”にしていた。 彼の好きなものを、わたしも好きになりたかった。 今なら分かるけれど、それは、彼に好かれたいとか、同じものを共有したいという動機とは、多分違った。 知り合った頃に彼が教えてくれた生き方や、表現は、自分にとっても必要なものではないかと感じたからだ。 その…
長期滞在者
展示スペースの中に入る手前に、もうひとつの小さな展示空間として「リコメンドウォール」というスペースを設けています。小伝馬町の移転後に新たに設けたスペースで、小さな棚と4.8mの壁を使って、毎月一人の作家さんを特集するというコンセプトです。 このスペースの良い点は、コンパクトなスペースゆえに、低予算でありながら、良質な作品を長期間にわたり展示することで、確実に作品のこと、作家さんのことをお伝えするこ…
長期滞在者
「音楽がわからなくなってしまうよ。」 極限まで落ちた。 身体が動かない。起き上がれない。朝も昼も夜も眠りの中にいるような状態。 「本当に自分を見失ってしまったら、音楽がわからなくなってしまうよ。」 それはいつも、最後の最後で、私を救う言葉だ。 飛び出した。ここにいたら自分が全てダメになってしまう。 そうだ、前から気になっていたバンドのライブを観に行こう。 その会場は、自分が通っていた大学の近くだっ…
Mais ou Menos
————– まちゃんへ 明けました。今年はどんな年にしたい? ぴは、英語と制作をがんばる年にしたい。 あとは、去年に引き続き、ヴィーガンの食生活をできるときはしたい。 したいことばかり書きましたが、やりたくないことはやらない、いらないものは買わない、など、減らせる部分は減らして、シンプルな生活を心がけていきたい。 年末年始は、昨年に引き続…
画家と7人の肖像
自分が好きで仕方ないものを、必ずしも人類全員が好きなわけではない。 自分が素晴らしいと信じているものが、必ずしも評価されるわけではない。 そんな当たり前のことに、未だハッとさせられる。 Photo by Kazuki Hiro 嫌いなものが同じ者同士の方が仲良くやっていけるなんて説もあるが、許せないものを共有する一時の結束より、好きな世界観を共有する付き合いが多くなった。今のところ体現しているのは…
それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
たった一度だけ会った人と、フェイスブックでつながれる時代。 だけどほんの2時間ともにした人のことを琥珀みたいに止まった時間のまま覚えている。覚えているだけでたぶん、もう連絡を取ることはないような気がしている。あまりに素敵な時間を過ごしたので、再び偶然が重ならないならこのままにしておきたい。そんな風に思うのも、「古風だね」と言われるようにそのうちなってしまうのだろうか。 その人と出会ったのはスウェー…
the power sink
表題:僕の脳のまわりに、何者かの手によってレールが敷かれ、何者かの手によってミニカーがセットされ、何者かの手によって行われるミニカーの攻撃によって、これから0.2秒後に僕の脳は重大なダメージを負うことになるだろう。(普通のミニカーなら、たくましい脳なら大丈夫だろうけど、このミニカーはトゲみたいなのがついていますから)。この場合何者かというのは自分自身の事だ。普通にしているとこのミニカーレールは建造…
日本のヤバい女の子
【1月のヤバい女の子/矛盾とヤバい女の子】 ●北山の狗の妻 ――――― 《北山の狗 、人を妻とする語(今昔物語 巻三十一/十五話)》 今となっては昔の話だが、京に一人の男がいた。ある時男は北山へ遊びに行った帰りに道に迷い、山の中で小さな庵にたどり着く。 声をかけると中から二十歳ばかりの美しい女が出てきた。突然の来訪者にたいそう驚いている。道が分からなくなって帰れない、今夜泊めてほしいと頼んだが、彼…
長期滞在者
門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし ということで、イェーイ!2018年もご用心、ご用心! by 一休 メメントモリでも一応あけおめ〜。 やっぱり定番は座りが良い。 だから海老一染之助、染五郎師匠の 太神楽芸がもう見られないのは残念至極。 (それにしても2018年ってすげーな、なんか。 数字面がSFっぽい。) とか書いている今は実はクリスマス。 西洋のこの日は日本の大晦日のよう…
長期滞在者
だれにとっても、人生の節目になる年はある。わたしにとっては今年がそういう一年だった。仕事では大きな変化はなかったものの、私生活では大きな変化の連続だった。病気になったことや、それに伴って大きく生活習慣を変えたことは、今後の自分たちの生活の基盤になっていくようなできごとだった。 個人的なことにはなるけれど、発病、入院、退院後の生活を記録した「みずはいのちのみなもと」というシリーズをアパートメントで書…
長期滞在者
年の瀬の慌ただしさの中で2017年を振り返ると、その前と後で状況がまったく変わってしまうような大きなことが、本当にめまぐるしくあった一年だった。春には会社との雇用形態を変え、フリーランスとして仕事をはじめた。その直後に父が体調を崩し、あっという間に亡くなって、ほぼ絶縁状態になっていた母や姉達が久しぶりに顔を合わせた。恋人と同棲する家をじっくり探し、一緒に暮らしはじめた、など。 今年は後厄でもあった…