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Native Language part13

Native Language

北 学

北 学

サキソフォニスト、作曲家

大阪生まれ。幼少期をシンガポールで過ごし、帰国後15歳までチェロを学ぶ。96年彫刻を学ぶため渡仏。97年、サックスと出会い独学で習得。以後、ジャズを初め、即興やダンス・映像等様々なプロジェクトに参加。主なものに、ダンス作品「夜弓」やスズキケンタロー氏との「Otoms」、永井朋生氏との「Kynas」、Toninho do carmo氏とのブラジル音楽等々。また、Pierre&Mattieu Carniaux兄弟監督の「Last room」等、映像作品にも精力的に参加。物作りで培った視覚的・触覚的質感を元に、音で絵を描くことに重きを置いている。

Reviewed by
朝弘 佳央理

どこか知らない場所にからだが連れてゆかれるような、それとも長い旅の終盤の景色のような。
胸がきりりと絞られるようなメロディーなのだけれど、音自体はあたたかな指のよう。

これを書こうと何度も曲を聞いているうちに、雪が降ってきた。
今年はじめての雪が窓の近くを、遠くをゆっくり舞い降りているのを見ながら胸の中を音が滑りおりてゆく。

北さんの音楽を聞くといつも思い出すのが川田順造が武満徹の音を評して言ったこのことばです。
「武満さんの音は、ワルターの、徹底的に飼い慣らされ、加工され、材料が原型をとどめない滑らかな舌ざわりのものになるまで入念に煮込まれた、それ自体一つの洗練の極致ではある、完結した音とは対象的に、大気の中にひとつひとつ放たれてゆくような音で、それでいてあたりの鳥のさえずりや茂みをわたる風の音に溶けあってしまうというものでもない。鳥や風の声に対しては異を立てるものでありながら、鳥や風に向かって指を口にあて眉をひそめてみせなくても、そのまま差支えなく聴いていられるようなものだった。」
(『音・ことば・人間』武満徹/川田順造 より抜粋)

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