長期滞在者
武庫川の河原で、ボロボロの羽の、見るからに瀕死のジャコウアゲハが2匹、交尾していた。 下になってるオスは、もう生きてないんじゃないかと思われるほど生命感がなく、実際ずっと観察していても動かない。上になってるメスも瀕死状態だが、じっくり見ているとたまに反応があり、少なくともこちらは死んではいない。 瀕死で交尾。 これはつい 「死にそうになりながらセックスしている」 という人間の言葉に訳してしまいがち…
長期滞在者
今年の春頃、新宿ニコンサロンでの個展を終えたばかりのニーモ君が、ちょっとした実験の個展をやりたいと相談に来ました。その結果、先週の8月4日〜7日までクロスロードギャラリーで開催された「あなたが写真を好きだから。あなたも写真を好きならば。」という、ちょっと変わったタイトルの展覧会になりました。 1枚の写真だけを飾った展覧会で、その写真も本人が製作したものではなく、ニーモ君の親戚から送られてきたものだ…
長期滞在者
どうしても書けない文章があった。 それはヨルダンに行く直前のこと。 批評家、随筆家の若松英輔さんによる講座、「思考と表現」に参加した。 その日は、アラン『幸福論』をテキストとして、言葉に向き合う時間だった。 この本は、私にとって、真っ暗闇の中に光が射しこんでくるような一冊で。 誰とも話したくないような時は、海辺でよくこの本を読んでいた。 この講座で「幸福のプロポ」を書いてみるという課題が出た。 書…
Mais ou Menos
まちゃんへ 最近本当に暑いね。 何だか熱中症気味なんかしらんけど体がダルイです。 先日、こっちに引っ越してきて初めて、大き目の映画館に行った。 何を見に行ったかというと『シン・ゴジラ』。なんか唐突に見たくなってすぐにチケット取って見に行った。 映画の内容はもちろん面白かったんやけど、改めて自分は“映画館で映画を見る”行為に幸せを感じるということがわかった。 家で見るのも良いんやけど、映画館で映画を…
the power sink
こんばんは。今回も絵を載せます。ではよろしくお願いします! 松の木 二股に分かれた呼吸器をつけながら腹筋をする人 顔の連結 部屋のちょっとしたくぼみに帽子を被った友達を入れてみたら、上から見下ろされ嫌な気分になった。 友達の足はかなりしびれている シワシワの中に立っている人 黒い心臓と、変わった臓器を持つ男。胃とか肺とかは無いの…
長期滞在者
「ポケモンGO」が流行っている。もう爆発的な勢いでユーザーを掴んでいるようだ。アプリ公開日に、キャッチをしている歌舞伎町のホストのスマホをちらりと覗いてみたらGOしていたので(サボってたらあかんで)、こりゃあキャズムを速攻でぶち破ってかなり流行ってるなぁ、と感じるほどだった。 ちょっとした社会問題も生んでいたりして、ポケモンGOについては賛否両論で、いろんな論議がされている。まあ、好きならやればい…
はてなを浮かべる
ここに居るのは正しいですか? 煮込まれた気持ちをどうやって差し出す? 液体のような思考を 受け止めるお皿がない? 思いながら黙っている彼らがそこらじゅう横たわっている? 焦点を合わせないとき見えるもの? 切り捨てたものがまだ息をしている? 「見ているだけ」…
日本のヤバい女の子
【8月のヤバい女の子/別れとヤバい女の子】 ●乙姫(浦島太郎) 泳ぎに行きたくて居ても立ってもいられない日々です。雑誌なんかもう、Instagramに最適な浮き輪やら水着やらでお祭り騒ぎです。みんな海のことを考えている。魅力的で恐ろしく、優しい海のことを。 ――――― 《浦島太郎》 昔むかし、浦島太郎という漁師がいた。ある日魚を釣りに行った浜で子供が亀をいじめていたので、かわいそうに思い助けてやっ…
長期滞在者
1993年にブリュッセルに住み始めたその10月の終わりに大雪が降ったのを体験して以来(しかもその日はゼネストの日と重なっていた)、ベルギーの天気というのは異常気象が基本なのだと思ってはいるのだけれど、年間を通しての日照時間の少なさだけはマジ勘弁してくれと思うことは本当に多く、それは日常茶飯事だ。いや、ここは「日常麦酒揚芋事」とでも言ったほうがいいだろう。 今年も例年に違わず、7月に入っても最高気温…
長期滞在者
ここ数ヶ月間の結婚式ラッシュがひと段落して、実のところとても安心している。もちろん、めでたいことだし、心から祝福しているけれど、それとはまた別に、自分たちの生活もあるわけで。そんなことを言いつつ、ハワイでの結婚式はとても良かった。帰りの飛行機の中では、「Vacationの後の現実は、火傷した肌に水を差す」という言葉が胸の中をこだましていた。子どものころに好んで聴いていたBonnie Pinkの&…
ギャラリー・カラバコ
ここはとあるアパートの一角にある、小さなギャラリー「カラバコ」。 白い壁に空っぽの額縁が無造作にならび、その下には題字だけが添えられています。 タイトルだけを頼りに、二人の作家が別々に文と絵を寄せ、2つが合わさった時に初めて作品が完成するのです。 01 桟橋 02 物差し 03 帯 第4回は、「時化」 今年の梅雨は、やる気があるんだか無いんだか分からない、 じめじめむしむし湿気度合いが大したことな…
長期滞在者
バケペン、と呼ばれるカメラがあります。「バケモノみたいにデカいペンタックス」の略だろうと思われ、昔からあるペンタックス6×7という中判の一眼レフカメラです。 一眼レフというのはレンズから入ってきた光を斜め45度に配置したミラーでカメラ上部のファインダーに導き、撮影時にはミラーが跳ね上がってミラーの後ろにあるフィルム(デジタルカメラならセンサー)面に光を結像させて像を得る仕組みです。 6×7カメラは…