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Mais ou Menos #73 —裏でも表でもないわたしたちの往復書簡 —

Mais ou Menos


まちゃんへ

展示会お疲れ様でした。
無事たくさんの方々に見に来ていただいて、終えることができて感謝です。自分たちの作品を、自分たち以外の人に見てもらえる喜びを知りました。終わったところで早速やけどまたやりたい。

今回の展示会で一番印象に残ったのは、まちゃんのカーディガンが着る人によって、すごく印象が変わること。これは自分たちで着るだけじゃ知ることができなかった新たな発見やった。

あと、展示会を予約制にして、来ていただいた方とゆっくりお話をすることができる時間を作ったのもすごく良かったと思った。人と初対面でお話するのは、あまり得意じゃないけど、自分の作ったものや、作品に対する思い入れを話すのは、スムーズに話せたと思う。また、実際に作品を手に取って触っていただいたり、糸紡ぎを体験してもらったりと、糸を通じて、たくさん、みなさんとお話できたことがすごく嬉しかった。

これからも、もっと作品を作っていきたいし、いろんな人に見て、触れてもらいたい!とさらに強く思いました。

自分たちのペースで、やれることやっていこうね。

2020.11.8

P


ぴちゃん、

お疲れ様です。展示会をやった三日間、本当にありがとう。これもすべて、ぴのサポートのおかげです。わたしの細かいこだわりにも根気強く付き合ってもらって、きてくださった方々との対応も頑張ってくれて、ただただ感謝しかない。

展示会、自分たちでやれるんだろうかって思いながら手探りでやってみて、自分なりの反省点がたくさんみつかったのが、とてもよかったと思います。あと、なにが起きるかまったく想定できないことにチャレンジしたこと、あるもので工夫したり、自宅だからできることを模索したり、すごく楽しかったね。

書いてくれていた通り、いろんな人がカーディガンに袖を通してくれて、カーディガンのいろんな表情が見られたのが嬉しかった。着る人によってこんなに表情が変わるんだっていう発見、ほんとうに嬉しかった。つくることの楽しさというか、つくり手にしか味わえない特別な気持ち。最高の気持ち。この気持ちを忘れたくないなと思う。(きっと忘れない!)

展示会最終日の前日に恩師が家に遊びにきてくれたけれど、そのときに「豊かな生活をしてるんだね」って言ってくれたでしょう?わたし、その言葉がすごく嬉しかった。わたしたちの慎ましやかだけれど、豊かな生活を、他者の目からも肯定してもらえて。こうやって、今後も自分たちの生き方を貫いていこうね。

Maysa

Maysa Tomikawa

Maysa Tomikawa

1986年ブラジル サンパウロ出身、東京在住。ブラジルと日本を行き来しながら生きる根無し草です。定住をこころから望む反面、実際には点々と拠点をかえています。一カ所に留まっていられないのかもしれません。

水を大量に飲んでしまう病気を患ってから、日々のwell-beingについて、考え続けています。

PQ

PQ

ゲームと映画が好きです。
国籍も性別もない。

Reviewed by
小沼 理

今回は展示会というイベントのおかげで、いつもよりも言葉が熱を帯びている往復書簡。展示会を通して、カーディガンに袖を通してくれたたくさんの人を通して、新たな喜びがたくさん生まれていく。

この連載を読み続けているとわかるのだけど、まいざさんとPQさんは人からの承認を無限に求めるタイプではないと思います。それよりも、自分たちの審美眼にどれだけ誠実でいられるかを大切にしています。
それでも、というより、だからこそ、「豊かな生活をしてるんだね」という恩師からの言葉や他者からの肯定は、二人にとって大きな活力になる。自分が良いと思う方へ舵を切り続けて作り上げたものは必ず特別になるし、そこで得た肯定は体の芯まで響くのだろうと思います。

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