風景のある図鑑
フーコーの振り子 : Pendule de Foucault フーコーの振り子は、地球の自転を可視化する振り子です。 私たちは常に回転している地球の上で暮らしています。しかし日常生活でそれを感じることはできません。 地球が自転していることを初めて証明したのが、フランスの物理学者レオン・フーコーの振り子実験でした。 1851年に、フーコーはパリのパンテオンで公開実験を行いました。 フーコーは長さ67…
当番ノート 第37期
1月22日(月) 朝イチで猫の病院に行く。病院に向かう途中で、ペルシャ婦人とすれ違った。ペルシャ婦人も猫を連れていて、通院の帰りらしい。高めのか細い声で「何かあったら言うのよ」と言ってくれるペルシャ猫に似た品の良い夫人はジブリ感がある。 ペルシャ婦人が紹介してくれた病院で診察を待つ。クールな女医さんが出てきて、くしゃみちゃんを撫でると、くしゃみちゃんはゴロゴロ言い始めた。「あーっ、これ!このゴロゴ…
それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
「本当の」とつく言葉の意味について、立ち止まってしまうことがある。 本当の優しさ、本当の幸せ、本当の悲しみ。いつもそれに辿り着いてみたいと思うのに、いつまでも自分が手にしているもの、目にしているもの、耳にしているものが「本当の」ものなのか判断がつかないでいる。例えば、「すごく好きになった人がいたことある?」と聞かれれば「ある」と答えられても、「本当の恋をしたことがある?」と聞かれれば自信がなくなっ…
当番ノート 第37期
人との出会いには ‘色’ や ‘形’ がある、と思う。 その人がくれる色を、自分というキャンパスにどう落とすか。 または、もらった形をどう解釈するか、どう役立てるか。 それは、その人との関わり方や密度やインパクトによって変わってくるのだけれど。 本稿では、出会いが生んだ出会い、とも言うべきか、ある二人との出会いについて、書いていこうと思う。 R…
長期滞在者
アリスとひろしくんに会ったあとは、しばらくフィッシュマンズばかり聴くことになる。 二人がよく歌うから、つい口ずさんでしまうのだ。 かなしいとぉーきにぃー うーかーぶーのわぁーあー 珍しく酔っ払ったアリスの歌声を思い出して、また「いかれたBaby」を再生する。 アリスと知り合ってから、行くよ、と何度も言っていた台湾に、ようやく行くことができた。 台湾で暮らすアリスと、珈琲屋のひろしくん、ドーナツ屋の…
当番ノート 第37期
近くにあって遠い、仄かに気になる存在。 それが私にとっての「言葉」である。 大学生の頃から、ダンス作品をつくるようになった。 それは、まだ形になっていない、けむりのような思考や想像を言語・身体化し、ダンサー、舞台美術家、音楽家、舞台のスタッフなど、関わってくれる人に対して伝えるという作業だ。 具体的に動きを「こうやってください」と見せ模倣してもらったり、手や身体を用いて身体感覚を伝えたり、時には「…
Native Language
長期滞在者
去年の10月半ばくらいに多くの数のテーブルウェアの注文を受けたのだけど、 やっと先週末に最後のアイテムの成形が終わってホッとしているところです。 西洋ではテーブルウェアのメインはもちろん丸い皿なので今回もたくさん作った。 中型と大型のを合わせると皿だけで80枚の注文があったのだけど、 やきものの皿というのは製作過程で歪んだり割れたりすることが多く、 だいたい注文の倍くらい作らないと、焼成後に数が足…
当番ノート 第37期
ここで、文章を書くことになりました。 しかしながら、私、文章、苦手。 言葉にすることが、苦手。 もともと、私は話すこともとても苦手でした。幼稚園から中学校までは、同級生は40人くらい、ずっと同じメンバーで過ごしたためか、その子たちとは仲良くやっていたけれど、というかそっちではむしろおちゃらけキャラで通っていた気がするのだけれど、新しく人間関係を築く、ということが本当に不慣れで、内弁慶な、極度の人見…
当番ノート 第37期
1月15日(月) プライベートで2件の約束と会議があった。週のはじめのほうしか体力が持たないので、はりきって予定を詰め込んだ。プライベートの約束の1つめは憧れていた作家さんと、2つめは大学時代の同級生の子と。2人ともずっと気にはなっていたけれど話す機会が持てなかった女性”で、何だかおさななじみと話しているような気持ちになった。また定期的に会いたいな。 恋愛の話もした。昨日で恋人さんと付き合い始めて…
当番ノート 第37期
初めまして。小峰と申します。 本稿を初回に、2ヵ月間こちらに寄稿していきます。 よろしくお願いします。 —— この当番ノートへ寄稿を併せて、「出会い」を中心に文章を書いていこうと思う。 「出会い」と聞いて、読者の皆様には、何が思い浮かぶのだろうか。 人?モノ?見えないもの?・・・気になるところである。 私はやはり、「人との出会い」が初めに浮かぶ。 思い返しても取るに足らない…
当番ノート 第37期
長野県松本市のほど近く。 大きな山々に囲まれた、静かな町。 山からごうごうと流れてくる水の音、石畳の道、夏はスイカ畑の農家の方がかけているラジオの音が聞こえる。 そして冬はとても、寒い。 夫の実家に帰省すると、二人でよく散歩に出かける。 雪がたくさん降った、数年前の冬。 積もる雪を踏みしめながら、その町にある古い神社へ歩いた。 静寂の中、まさに「しんしん」と降る雪。 耳の奥が震える。 雪の粒が地面…