当番ノート 第29期
ヒーローとは人を救うものである。と、我々は思う。ウルトラマンが怪獣の火から町を守るとき、仮面ライダーがダムの爆破を阻止するとき、スパイダーマンがビルから落ちる作業員を拾うとき、我々はヒーローをまなざす。それは憧れであったり、冷笑であったり、そうしたヒーロー達でも救えないものがいることへの非難であったりする。 ヒーローは強く、折れない。たとえ一旦折れても、不屈の意思をもって何度でも立ち上がり、我々を…
当番ノート 第29期
こんばんは。 あなたは、この1週間、空を何度見上げたかしら? 大学生のころ、よく読んだ詩の中に、長田弘さんのものがありますが 「最初の質問」という詩の冒頭は、 「今日、あなたは空を見上げましたか。空は遠かったですか、近かったですか。」 というものからはじまります。最初の質問の一番最初なのです。 それぐらい、空を見上げるということは、私たち一人ひとりが、 毎日を生き物らしく生きていくのにとても大切な…
当番ノート 第29期
////////////////////////////////////////////// 2010年6月8日からの手紙 ////////////////////////////////////////////// 不意に母が、「死んだらどこに行くんだろうね」とわたしに聞く。 「もし天国があるなら、きっとそこはひとであふれかえっているね」。 空に手紙を書くとして。 はたしてわたしは何と書こう…
the power sink
こんばんは!今回も絵を載せます。今回は少し枚数が足りなかったので、昔の絵も3枚くらい載せています。 見てもらえると嬉しいです。ではよろしくお願いします! 僕は草原で裸で包囲されているんだけれど、僕の彼女は服を着て包囲されている。偉いなあ。今度からは僕も服を着よう。 頭の上から8人の胴体の無い妖精を出せる女性。想像力が弱なので胴体は作れないんだ。僕も想像力が弱なので何もイ…
当番ノート 第29期
暮らしは嘘をつかない。 暮らしは裏切らない。 暮らしはいつも、正直にこたえてくれる。 窓を開ければ、あたらしい空気が吹き込んでくれる。 床を研けば、つやつやとひかってくれる。 洗濯をすれば、きれいにみちがえった布がわたしを包んでくれる。 料理を作り、口に運べば、きちんと腹が満ちてくれる。 わたしの作る料理は、 わたしにとても、おいしくやさしい。 喜びや安心は、自給自足して生きなければならない 、と…
当番ノート 第29期
暮らしのリズムが変わった。彼は毎朝起きると「あー幸せ」と言う。それから朝ご飯を作り、それをゆっくりと食べて、本を読んだり、美術館に行ったりしている。 私のほうは未だ存分に仕事が残っている。低気圧からくる頭痛と戦いながら、しぶとく明けない梅雨の空を恨めしげに眺めている。 最近、この家を離れることが、すんなり自分のなかに入ってくるようになった。この体調も気力も下がり気味な状況から抜け出せるのであれば、…
当番ノート 第29期
一人暮らしをして、2年ぐらい経過した。 はじめてこの家を見に来たとき、ここに住んでみたいな~と なんとなく自分が住んでいる様子が思い浮かんだ。 異性とお付き合いする時も、きっと、そう。 自分がその人とお付き合いしているのが思い浮かばないと、 なんだかしっくりこないなと思い、前に進もうとしなくなる。 イメージと違った展開が待っているかもしれないのに、 しっくりこないその先に、しっくりが待っていたかも…
長期滞在者
local(地方)に若者の目が向きはじめているのには、おそらく理由がある。 一つの駅から数分単位で一日に何十本もの電車が走るように、大都会の生活はどこかきっちりとしていて、迫られるように追いやられるように日々を過ごしている人も少なくない。 計算しコントロールできるものと向き合いながら、社会や自然に対して、どれだけ自分が主導権を握れるのか。合戦のような毎日があると言ってもおかしくないような光景が、街…
当番ノート 第29期
怪獣、とは我々にとって何だろうか。子供のおもちゃ、恐怖の対象としてのモンスター、ラテックス製の着ぐるみを着た、おどけたキャラクター群・・・少し怪獣映画を知っている人なら、戦争のメタファーと答えるだろうか。 怪獣モノ、というジャンルには、時代や作品によってさまざまなバリエーションが存在する。かつてロマンポルノの製作者が、濡れ場さえあればどんなシナリオでもよい、と言ったという話があるが、怪獣モノもそれ…
当番ノート 第29期
はじめまして。今日から、まだ見ぬ、名前も知らないあなたに向かって 手紙を書くことにしました。でも、私はすでにあなたを知っているような こともあるでしょうし、あなたもはたと私とあったことがあるように思う かもしれません。 今、月齢5の月が南西の空に輝いています。しかも今夜は月のすぐ下に 明るい土星がランデブーしているのですよ。あなたの空には見えているかしら。 月は毎日、星の中を東へと移動していきます…
当番ノート 第29期
////////////////////////////////////////////// 2010年2月25日からの手紙 ////////////////////////////////////////////// 夕暮れのなめらかな海の水面のようだと思えば、 いたずらを覚えたばかりのあばれんぼうの 波打つ胸のようだったりする。 心は、晴れたり曇ったり。 ときどき雨も降ります。 世界に対し…
当番ノート 第29期
ぽつら、ぽつら。 あかりがまばらについている。 ひとりだなあ、とおもう深い夜 そんないくつかの窓あかりをおもいうかべて ひとりだ、ということはみんないっしょで そういういみで、ひとりじゃないな とおもいます。 どうしたってひとりだなあというとき そんなふうにみえないだれかをおもって よるをこえて、あさをむかえました。 わたしのなかにも、 いくつもの、いつかの夜の窓あかりが 真夜中のアパートメントの…