当番ノート 第27期
季節の話をしましょうよ。ほんのちょっとだけ。 息抜きですよ。 あなたはいつが好きですか? 春?もし春だったら、春のどこが好き? 緑とか桃色とか、見上げて広がる青と白とか。 ある日突然気付く色の豊かさの、その瞬間が好き? あ、わかった冬でしょ。 そんな顔してる。 あなたにだけ聞こえる雪の音とその理由。 窓の外の色が失せたせいで、やっと心の色が見えるから? 寂しさを、美しさと呼んでも許されるところ? …
当番ノート 第27期
「虹がきた!」 電話越しに聞こえる声が、あまりにも嬉しそうで笑ってしまった。 夏の夜に、仕事を抜け出してかけなおした電話。 その声の主を、いつの間にか「ひろしくん」と呼ぶようになったけれど、出会ったばかりのその頃は、「ひろしさん」と呼んでいた。 ひろしさんは、尾道で小さな珈琲屋をやっている。 尾道へ行こうと決めたとき(どうしてそう決めたのだっけ?)一緒に行った人が、友人に教えられたその珈琲屋へ行き…
当番ノート 第27期
前回は、これまでふわふわと使っていたファシグラを、言葉で定義して、その存在の輪郭を明らかにしようと試みました。 グラフィックレコーディング、ファシリテーショングラフィック、グラフィックファシリテーションの3つの類型を合わせて、 日本ではファシリテーショングラフィックと呼ぶことが多いと書いたので、今回は残りの2つを紹介しようと思います。 そして、僕自身が目指しているものはどこなのかをまとめることがで…
長期滞在者
バケペン、と呼ばれるカメラがあります。「バケモノみたいにデカいペンタックス」の略だろうと思われ、昔からあるペンタックス6×7という中判の一眼レフカメラです。 一眼レフというのはレンズから入ってきた光を斜め45度に配置したミラーでカメラ上部のファインダーに導き、撮影時にはミラーが跳ね上がってミラーの後ろにあるフィルム(デジタルカメラならセンサー)面に光を結像させて像を得る仕組みです。 6×7カメラは…
当番ノート 第27期
飲食業などというものを営んでいると、結局のとこ「お客様に喜んでもらってナンボ」という要素が少なからずあります。 人(お客様)に喜んでもらうということは、すなわち人に認められるということ。 「人に喜んでもらいたい」から来る「人に認められたい」という欲求。 そう・・・今の私はある意味、承認欲求の塊なのです。 何を言いたいかと申しますと・・・ 本来、今回書くつもりだった内容の記事を、納得できる形でうまく…
長期滞在者
マイクに向かって喋る横顔を見守る。 緊張で震えるような表情。 全力でやるんだという瞳。 ほっとして笑顔が弾ける。 ラジオレッスンの講師として指導をしている声優養成所の生徒達と、 日本工学院レコーディングクリエイター科ラジオミキサー専攻の生徒のみなさんとの合同番組制作の授業。 ここ数年、夏になる前の恒例の景色となっている。 「今日はうちの子達が、お世話になりました。」 番組制作が終わって、私はそんな…
当番ノート 第27期
只今7月11日(月)の6:30。先週は東京出張から戻ってご依頼頂いた素材の見本帳の発送手配や 奈良県内、大阪での来春夏向け素材提案、そしてご注文いただいた saredo の ito そして糸 (手づくりをされるかたと工場さんとで ito / 糸と呼び分けています)の発送に追われる日々。 追われると言うことは仕事があると言うことなのでありがたい限り、ですが、明らかに6月とでは 倉庫内の温度が変わり、…
長期滞在者
ふらりと立ち寄ったその辺の小さな食堂で、料理の味も良く、なおかつ気持ち良く食事ができたときは、今日一日がとても素晴らしかったように感じられます。そういう気分になるお店とは、たいてい店主の雰囲気がよろしい。他にも用務先で見かけたお肉屋さんのご主人の顔が、いかにも美味しいものを知っていそうだ、という顔をしていて、コロッケやメンチを買って帰ったり、日常生活の中で時折このような素敵な出会いがあります。 他…
Mais ou Menos
2016.7.10 まちゃんへ 初めて2人で海外に行ってみたわけやけど、今回思ったのは、もっと2人で色々な世界を見てみたいということです。妹の結婚式でハワイに行ったけど、ハワイ=アメリカに行くということが、どういうことかというのも、まちゃんと行ったことでわかりました。(ブラジル人がアメリカビザをとるというのがこんなに大変だということを、実際に目にするまで知らなかった。) だから、まちゃんのビザがと…
当番ノート 第27期
病院みたいな匂いがする。病院に行く機会なんて最近はほとんど無いけど、機械とアルコールが混ざったような、鼻を突く独特な匂いがする。アタシはカウンターテーブルの固さを背中に感じて、視線の先の天井では、ファンがクルクル回っている。仰向けになったアタシの身体に手が伸びて、色々な箇所を弄り、無抵抗を示すために目を瞑る。目を閉じても室内の明るさが瞼を透かして、さらに強く目を瞑る。早く終わって欲しいと思った。自…
当番ノート 第27期
「誰かを傷つけている覚悟をして書く」と、作家の西加奈子さんが話していた言葉を、ここへ書き留めておきたいと思っていた。 あるテレビ番組で語られていた言葉で、(テレビを持っていないので、ネットでこの番組が配信されるのを毎週心待ちにしていたのですが、西加奈子さんの回で終了してしまいました…二期放送希望…)一緒に出演されていた作家・角田光代さんの「何度書き終えても逃げてしまったよう…