当番ノート 第21期
ミーーーンミンミンミンミーーーーーー・・・ あっ 蝉が鳴き始めましたね、まだまだこれから暑くなりそう・・・ ・・・あら!扇風機を占領して! そこで寝ては風邪をひいてしまいますよ、さあ動いて動いて! 大分暑さにやられているようですねえ・・・ ・・・よし! 夏に負けない最高のお菓子でも食べましょうか 今夜のお夜菓子 ★ 水無月 本来、このお菓子は1年で1回、6月30日のその日しか食べることのできないお…
当番ノート 第21期
倉庫とパッケージ、4。 今日も生きている。幸福な事に、の話。 忘れないように努めていることは、 やがては忘れてしまう事であり、 思い出さないようにしていることは、 何かの拍子に必ず思い出してしまう事である。 この二つの事柄は、 或いは別々の倉庫に同じ名前で保管されているか、同じ倉庫に別々のパッケージで保管されている。 つまり、 記憶というものは僕たちの意思や考え方だけでは完全には管理できないもので…
当番ノート 第21期
ルーマニアは彩度の高い国だ。カメラを携えて街を歩くと、撮りたいものが沢山あって中々目的地に着かない。冬は勿論欧州の常で、鬱蒼とした雲に被され街は雪に覆われ陰鬱とした雰囲気になるが、春、太陽が辺りを溶かし始める頃、花は咲き乱れ草木は生い茂り、犬猫は日向ぼっこをし人々は暑いコートから脱皮して散歩に興じ、あらゆる生命がただただ春の訪れを楽しむ。そんな時写真を撮っていると、どうしても彩度の高いものが合う…
当番ノート 第21期
▼新逗子 けっこう毎日、君の夢を見る。起きてNは言った。今朝の彼の夢で、私は車を運転していたらしかった。ほかにはどんな夢を見るの、と訊ねると、遠いところにいる君に電話で相談に乗ってもらったりとか、と言われた。私もたまにあなたの夢を見るけど、いつもほかに恋人がいる役で登場するから安心させてもらったことはないよ。そう告げると、冷たい女だなあ、と言うので、ふとんをたたみながら、どっちが、と応じておいた。…
当番ノート 第21期
映画「野のユリ」を観た。 「野のユリ」での、黒人の旅人・”シュミット”の礼拝堂建設は、日々凡庸に暮らす民衆たちの埋もれた信仰を浮上させる一つの出来事であった。独力での完成を夢見るシュミットの姿が、町の人々それぞれの内なる信仰心を具体化させたのであった。部外者である旅人・シュミットが孤独に礼拝堂建設を開始し、その神秘的でかつある種の不気味さを目撃した村の人々は、その建設作業に…
当番ノート 第21期
おとといまで食育の全国大会が、住んでいる墨田区で行われていて、 準備も含めてけっこうバタバタしていた一週間だった。 先週はそれ以外に寺島なすという、かつての墨田の地場野菜の苗を区内の保育園に配って廻ったり、 その途中で見つけた軟式ボールの博物館のおじさんと仲良くなったり、ハワイ帰りの彼の息子さんと墨田を廻ったり、 大会中には東北芸術工科大のコミュニティーデザイン学科の学生さんの宿泊を、 運営するい…
当番ノート 第21期
ピンポーン こんにちは~ヤカですー ガチャ、 あ、いたいた!よかった~こんにちは、突然すみませんっ ちょっと3時のおやつ作りすぎちゃったんで一緒に召し上がって下さいませんか? わ!よかったー!色んな味作ってたら止まらなくなっちゃって! ん?珈琲でも紅茶でも!ふふ、いろいろ作ってきましたっティータイムにしましょう 本日のお夜菓子 ★ サブレ サブレ・・・そうクッキー。 (実はクッキーとサブレは少し種…
当番ノート 第21期
倉庫とパッケージ、3。 週末にはワインでも、の話。 忘れないように努めていることは、 やがては忘れてしまう事であり、 思い出さないようにしていることは、 何かの拍子に必ず思い出してしまう事である。 この二つの事柄は、 或いは別々の倉庫に同じ名前で保管されているか、同じ倉庫に別々のパッケージで保管されている。 つまり、 記憶というものは僕たちの意思や考え方だけでは完全には管理できないもので、その類似…
長期滞在者
以前、先鋭的なポートレート写真家である大先輩K氏に、ぶしつけながら「ポートレートってそもそも何でしょう」と質問してみたら、K氏は 「撮られたいと思っている人を、撮りたいと思っている人が撮ること」 とシンプルに答えてくれた。シンプルすぎて奥深すぎる。 人が人を写せば何らかの人物写真は成立する。誰が誰を撮っても写真は残るが、「誰に撮られたい」と「誰を撮りたい」の「誰」と「誰」が一致すればそれは最強の引…
当番ノート 第21期
マレムレシュの墓地。天を突くような木造の教会が美しい。 今年のイースター(復活祭)にはマラムラシュという北部の伝統的な暮らしの残る地域に行った。この辺りのイースターの祭りは有名で、多くの木造教会があり、言わば秘境のようなものとして有名だった。途中クルージュ・ナポカという街のホステルで出会った女の子が翌日マラムレシュの実家に帰るというので一緒に行き、その家族と過ごすことになった。娘が謎の東洋人を…
当番ノート 第21期
▼金沢八景 人魚に海の生きものを見せるのはどうか、とある日Nが言った。シーサイドラインという電車があって、それに乗ると海を見ながら水族館まで行ける、と言ってNは私を誘った。地図で調べるととても遠いようなので、泊まるつもりで準備をした。遠出する時、人魚はいつも、大きめの水筒に入れて持ちあるくことにしているので手ですくって移した。琺瑯(ほうろう)のたらいは、タオルでくるんでリュックに押しこんだ。 海辺…
当番ノート 第21期
フランスの庭師ジル・クレマンの新たな著作『動いている庭』が日本語訳に訳出されたので最近手に入れた。自身の生業である庭での活動とその分析とともに、何やら時々神妙な言葉を文章に散りばめてくれている。(日本語訳のこの淡々としてけれども時々グサリとする確信めいたことを打ち明けるその文体は、もしかすると訳出者の仕事なのかもしれない。私はフランス語で書かれた原文を読むことができないので、そのへんは分からない。…