当番ノート 第17期
私は父になる前に、ツマと結婚をしたひとりのムコである。 結婚は、法的には書類一枚の手続きで完了するもので、とてもあっさりした手続きだ。 そのあっさりさゆえにそこに意味を見出せないという人も多い。 「紙切れ一枚で何が変わるのか」という意見や、 「婚姻制度そのものに反対だ」という意見も少なからず耳にする。 わからなくもない。例えば日本では同性婚が認められていないという事実ひとつとったって、実状とのねじ…
当番ノート 第17期
どうもこんにちは、typhoon soupです。 月曜日担当と言いつつ、都合により火曜日になってしまいましたことをお詫び致します。 さて、今週の妄想チャンネル改め、妄想J-POP第2回です。 番組がひとつしかないため、チャンネルの看板を降ろしました。 最後までこのシリーズで駆け抜けます。 妥協ではありません。決断です。便利な日本語ですね。 今週は売れなかった歌手ではなく、一世を風靡した懐かしのあの…
当番ノート 第17期
世界の片隅から、この手紙は届くだろうか。 手記という名のコラム ”とある絵描きのエアメール” 住所:ツバメ町 T地区 猫の小路 ここ何日か、ツバメ町の中を一人の男性が精査するごとき真面目さで歩きまわってる。 一目見て、すぐに分かった。”外”の人だ。 俺と同じ、ツバメ扉の外から、この不思議な町へやってきた……ただし、俺と異なるのは、町に永住するわけではないらしいとい…
長期滞在者
日々の仕事の中でとりわけ持ち込まれた写真を見ることは、ぼくにとって大事な仕事です。ぼくのギャラリーでの展示を目標に写真を持って来てくれる方々、実際にルーニィでの展示が決まっていて、その途中経過であったり、展示構成の打ち合わせの過程で作品を見せて頂くこともありますし、額装のお仕事で作品を拝見することもあります。ただ単に自分のやっていることがぼくのような写真を扱う立場の人間からどのように思われるのかを…
当番ノート 第17期
僕はあまり国際経験が豊かなほうではないが、Oh! my Godという言葉にはとても関心がある。何かとんでもないことをしてしまった時、何かとてつもないことが起きた時、彼らが「私の神よ。何してくれるねん」と関西弁で自分の神様につっこみをいれている情景が目に浮かぶからだ。 神様につっこみをいれるというのは、彼らのその自身のメンタリティを守るために、とても役立っているのかもしれない。僕はと言えばどうだろう…
当番ノート 第17期
鳴き声のうるさき犬であったなあ庭にゆすらの赤き実たわわ 久野はすみ『シネマ・ルナティック』 うちのマルは、よく吠えます。 遊んでほしいと吠え、おやつがほしいと吠え、トイレシートをかえてほしいと吠え、ちょっとこっちきてくださいと吠え、 要望が通るまで、できるだけ吠えます。たぶん近所で一番無駄吠えが多い犬です。 前にいた犬はこんなに吠えなかったのになぁ、ちゃんとしつけなければいけないなぁ。と思…
当番ノート 第17期
転校というものを経験したことが無いのでわからないのだが、こういうものなのだろうか。 誰も知る人のいない教室の一番前に立って、数十人のクラスメイトに挨拶をする。クラスメイトといっても、まだ何も関係を持っていない人達の前で、身体ひとつ、名前と、いくつか、自分に関する情報を伝える。 私にとって今がその始めての瞬間だ。文章でそれをするのだから黒板だけを使ってそれをしているようなものだろうか。 アパートメン…
長期滞在者
お金というのが、もともとありとあらゆる商品になりうるものの中 に見出だされるだろう「価値」を抽出し、それをさらに再物質化し たものだったということであるならば、お金というのは要はあらゆ る商品の特質を抽象化してその中に取り込んでおこうとするものな のだということが出来るかもしれない。貪欲である。そして、交換 という行為と交換される物品やサービスがなければ全く無用の長物 のはずなのに、ただその間にあ…
当番ノート 第17期
アパートメントをご覧の皆様、初めまして。 typhoon soup(タイフーンスープ)と申します。 ここアパートメントは、管理人の森山君はじめ、RACHI君など それはもう才能溢れる面々が居住しておりまして 心揺さぶられるような文章や写真や音楽なんかは他の皆さんにお願いするとして 私は箸休め的な部分を勝手に担っていきたいと思います。 10月、11月の月曜日は鼻くそでもほじりながらお付き合いください…
風景のある図鑑
「チューリング・パターン : turing pattern」 シマウマはなぜシマ模様なのか、ヒョウはなぜヒョウ柄なのか。 哺乳類、爬虫類、魚類、植物、生き物には様々な模様や造形があらわれています。 それらの模様は遺伝子に描かれた設計図によるものだと考えられてきました。 明治時代の科学者は、キリンの模様と干涸びた田んぼなどにできるひび割れのパターンが似ていることを発見しました。 キリンの模様は設計図…
当番ノート 第17期
(著者注:この作品は第16期から連載しています。初めてご覧になる方は、第16期『ツバメ町ガイドブック PAGE1 「階段オルゴール屋」』からどうぞ!) 世界の片隅の扉の向こうに、その町があり、その指令がある。 ”マトリョシカさん” 住所:ツバメ町 A地区 釘の小路 ツバメ町の住民の大半は、旅を知らない。彼らの多くはツバメ扉の内側、つまり自分たちの暮らす町の中しか知らず、”外”に出て行く人はご…
長期滞在者
「ねこがいないんだ。子ねこでもいいからいたらいいのに。ねこのいないだんろなんて!ねこのいない家なんて!すぐにもねこを見つけなきゃ。子ねこだっていいんだから。そしたら家は、欠けたものなし!」 (『ピーターサンドさんのねこ』より) 煙猫と新居に引っ越してからひと月がたち、新・谷底の様子はというと、ここにも猫、そこにも猫、あそこにも猫、人も歩けば猫にあたる、そんな毎日だ。誰が言ったのかは知らないが、猫が…