当番ノート 第10期
はじめて自分の部屋を持ったのは、小学校五年生の時だった。 それまで住んでいた富山から引っ越してきた、神奈川の一軒家。二階には家族の人数と同じ、五つの部屋があって、まず一番広い部屋が父の、二番目に広くて、鍵のついた部屋が上の姉のものになった。 残ったのは和室と、東向きの部屋と、ベランダのある南向きの部屋。和室は他の二部屋に比べて少しだけ狭い。この三つの部屋を母、もうひとりの姉、僕で分け合うことになる…
当番ノート 第10期
初めまして!僕は、日頃から考える必要が全く無い事をたくさん描いているので、それをここに載せる。どうかよろしくお願いします! 2人とも、なかなかいい帽子かぶっているね 目と耳と口、これは自分の頭だ とても電車に没入しているので、電車が鼻に 青森の人 入ってくる 割と上品そうな人が、上品じゃない人を沈める やわらかい物が好きだよ …
当番ノート 第10期
ただ今、流れ星をゆっくりと流しております。 どうぞこの機会に、声に出して願い事を3度、唱えてみてください。 非常にゆっくりと流しておりますので、 焦らずに落ち着いて、願い事を3度、声に出してみてください。 こちらでは、先ほどよりも少しだけ早く、流れ星を流しております。 まだまだ、願い事を3度、声に出す余裕がありますことでしょう。 どうぞ、お試しください。 さらに流れ星がスピードアップをいたしました…
当番ノート 第10期
「 あたしと心中してくれる? 」 … まっすぐな瞳と眉の上で切りそろえられた前髪が印象的で、あのこの素直さと頑固さがあらわれているようだった。 たぶん少女と呼ぶ年齢ではなかったけれど、女性と呼ぶのもなにか違う。 いつからから、いつまでも、「いまのまま」。 そんなかんじだった。 あきちゃった。終わってしまった。空洞だ。 そんな感じのことをよく言っていた。 今は余生ということらしい。 あかるい、げんき…
当番ノート 第9期
できる限り、 できる限りの言葉を、素直にしるしたい。 ここに、最後に。 私のこれまで。生きてきた毎日。その中で知ったこと、出会えたもの、人。 そういうものでねじ曲がってゆく、私にとっての世界。 それをどうやって表そう? どれだけ格好つけずに、偏らずに、ありのままを受け止められよう? そういう自分でいられるだろう? この二ヶ月、言葉というものを じいっと見つめていた。 私の内…
当番ノート 第9期
子供たちがどんな風に成長し、大人になり、 どんな仕事をして、どんな家族をつくるのかを見届けたい。 そして、彼らの子供たちがどんな風に育つのかも見たい。 では、その先の、その先の、その先は? 僕も祖先にそう思われて生まれてきたのか? 自分の未来を具体的にイメージすることは難しい。 いつも現在地点を確かめることで精一杯だ。 けれど、カメラのファインダーを通して、 子供たちを眺めていると不思議といろんな…
当番ノート 第9期
「ただいま」 そして私は、買ってきた、マカロニサラダをテーブルの上に。 続いてポケットの中の釣り銭、その硬貨数枚をひとつかみに取り出して、押さえつけるように「がちゃり」 と据えた。 テーブルの上に置かれた硬貨数枚は、「ぽん」と押された猫の足跡のように並び、それはなんだか今日一日を、「終わったねぇ」と承認した、肉球による捺し印みたいで、私はちょっと安心する。 それはつまり、まだ一度も別れ…
当番ノート 第9期
ナモナキスベテニサクモノタチヘ RACHI SHINYA / WEB
当番ノート 第9期
夏休みの最終日。 ぜんぜん宿題をやっていなくて、夏休みの前半の出来事や天気なんて全然もう思い出せなくて、 それでもなんとか必死に振り返りながら、絵日記を完成させた。 もう、あれから20年くらい経ったのに、 まったくそれを彷彿させる、毎週木曜日は、夏休みの最終日。 この2ヶ月間、わたしの当番である金曜日の前日の木曜日は、いつもそんな気持ちを思い出した。 2ヶ月前。 タカヒロさんからアパートメントへ声…
当番ノート 第9期
梅雨に入ったころに 始まったこの連載も 今週で最後。 すっかり季節は夏ですね。 合計8回の連載の中でいろんな切り口から 自分って人を伝えられたらと思ってきましたが 巧く伝えることはできたでしょうか。 自分的には全く伝えることが出来なかったなと。 ちょっと後悔しています。 でも中には わかったよって 言ってくれる人がいて その人の中に自分という人間が どんなかたちであれ存在してくれていたら また新た…
当番ノート 第9期
昨日、初めて救急車を呼んだ。 私のためではなくてお兄ちゃんのために。 兄の意識ははっきりとしていて、 「まり、」 そう一言。いつものように部屋の戸の外側から声をかけられた。 「なーにー」と、これまたゆっくり私が返事をすると反応がない。 何だろうと思って部屋を出ると苦しそうに屈んでいた兄が、「救急車呼んで」と。 電話をしたあと、救急車は思いのほか早く到着した。 結果から言うと兄はそこまで大事にも至ら…