それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
最後に物語に没頭したのはいつだっただろう。私は自分のつま先を、その先に触れている外の世界をちゃんと感じられているだろうか。 ここのところ、物語と身体というふたつの言葉がぐるぐると私の中を巡っている。そのどちらもを長い間放っておいている気がしてならなくて。 私たちはSNSのアイコン越しに見るその人たちが残す現在地や呟きや写真、動画を永遠に過去と思えない。ねじれた現在を生きている。その人が過去に感じた…
長期滞在者
今月は出張で長く家を空けていたので短め。 帰ってからは、お腹が痛いのと過労気味でほとんど寝たきりになってしまった。しばらく家にいる時間が長くなりそう。 それにしても今月は辛いニュースが多かったなと思う。自分は何ができるんだろうなと思ったりもするのだけれど、 今はまず体調を立て直さなければ・・・。 7月21日(日) 約3週間ぶりに帰宅!帰ってすぐに今井くんと遭遇。居間から漂うカレーの匂いがもはや懐か…
当番ノート 第46期
惹きつけられる書き出しを探して、動く親指は油断ならない。自分が味わっていない出来事について、ぽちぽちと打ち、なんだか生活と向き合った気になってしまう。 Uver Eatsの手数料が無料だったとき、マクドナルドをよく食べた。グランベーコンチーズを頼み、口に流し込んだ。 「厚みのある100%ビーフに、2種類のチェダーチーズとスモーキーなベーコンを組み合わせた、リッチな味わいの一品」と商品紹介ページに書…
お直しカフェ
赤ちゃんが生まれた。この世の全ての賛辞を贈りたくなる、幸せの塊みたいな、小さくて目も合わない、ふにゃふにゃの猫みたいな存在が、突然生活に加わった。ああどうりで天使のモチーフは赤ちゃんなんだなと、納得しきりだ。 *** 春に亡くなった祖母の肌着を使って、赤ちゃんの服を作った。特別な意味があった訳ではなく、たまたま、出産準備と遺品整理が重なったからそうなっただけ。たくさんの手芸用品や材料が残った祖母の…
当番ノート 第46期
わたしは文章を書くことが苦手なのかもしれない。というと、研究者として執筆を普段から行なっているのに、何を言うと思うだろう。 正確に言うと、自分のことについてじっくりと書き記すことが苦手だと思うのだ。SNS時代、自分の経験を語り、自分にある種のブランド性を付与していく人が影響力を持つ。それを羨ましいとも思いながらも、積極的にできない(と思っている)。 とは言えど、インターネット上には自撮り写真もメン…
当番ノート 第46期
こんにちは、どるこです。今回から2ヶ月間こちらで投稿させていただける機会をいただきました。1番初めの投稿ですので、私が何について投稿していくのか、及び投稿に関しての設定というか、前提を説明させていただきます。 まず、何について投稿していくかですが、何かテーマを決めると書きやすいといったアドバイスをいただき、私もそれなら面白くできそうだなと思いましたので、この2ヶ月間の投稿は1つのテーマに沿…
長期滞在者
梅雨明け早々の日本からこんにちは。 いろいろめんどくさ案件真っ只中。 日毎暑さが募ります。 タダではもらえぬアイスクリーム 暑さコラえて舐めてます。 そんな中、今頃ベルギー辺りは ちょうど良い乾いた空気の夏真っ盛りで、 みんなサマーバケーションを楽しんでることだろう、 と思いきや、あちらはあちらで猛暑続き。 ベルギーでも40度越えの極暑だとか。 (一瞬、日本の夏も捨てたもんじゃないとか思いかけた)…
当番ノート 第46期
2019年8月4日日曜日 晴れ。従兄弟の結婚式に参列した。 * 12時00分(挙式開始30分前)。 「信じられない! お父さん、この靴で参列するの!?」と、母が突然声を荒げた。(いつも通り)無遠慮な母の物言いに勃然としていた父の足元を見てみると、グレーのスリッポンスニーカーのようなものを履いている(念のため書いておくと、父は、ちょっとだけ……結婚式の知識がないだけだ)。 「30分あるし、一緒に靴を…
当番ノート 第46期
8月に入りずっと、肌がぺたぺたとしている。 空気は水を孕んでのろのろと重いし、 日差しは強く体の中も暑く このまま蛙にでもなってしまうんじゃないかと思う。 水族館に行くのが好きだった。 薄暗く長いエスカレーターを降りていくと 空気が徐々にひんやりとしていくのがわかる。 同時に少し生っぽい、潮の匂いを舌に感じる。 家族旅行で行ったちゅらうみ水族館の大きなガラスの水槽や 佐賀のうみたまごの色とりどりの…
当番ノート 第46期
まだ私は、他人と向き合う準備ができていない。だから誰にも会いたくない。それは目やにがついているからでも、鼻毛が出ているからでも、自分の息が臭いからという理由でもない。 朝、外に出て、呼吸のしづらい暑さに朦朧としながら、仕事に向かう。電車が来る直前に自販機で割高なお茶を買ってしまう。電車にしばらく揺られると寒暖差がつらくて目をつむる。 マンションの一室にあるオフィスに着き、いくつかmtgに参加する。…
当番ノート 第45期
絵を描いていると、テーマはなんですか、と聞かれることがたまにあるのですが、一貫したテーマはあまりなく、描くことによってなにかを目指すというよりは、描くことを続けていくことで自分とまわりとの関係をあぶり出しているようなところがあります。 美術系の大学にいっていたときに、とりあえず真面目な美大生だったし、内から湧き出るものはあるから、わーってなってつくってて、でも、わーっていうのを微妙にセンス良くなん…
当番ノート 第45期
いらっしゃいませ。 ここはアパートメントの中にある日常の中の非常口「ヴァーチャルスナック・モモコ」へようこそ。 出口はないけど、入り口も見えない人生へようこそ! はい、私は店長のミス・モモコ。 暑くて暑くて頭がぼーっとしちゃうわね! ぼーっとした頭でお知らせなんだけど、 残念なお知らせなんだけど、このスナックは立ち退きなの。 じゃっ、そんな感じで今回も最後までよろしくね! 前回のセクハラ問題もある…