遠くを見ていた

第9期(2013年6月-7月)

いつも見ていた風景
けどなにか違う風景

懐かしくもあり
どこか他所よそしい

そんな風景がそこら中に広がっていた

年二回帰るその場所は
変わらずその場所にあって
そして少しずつ換わっていく

もちろん自分も換わっていく
それに合わせて場所も変わる

場所は姿を変え
僕は僕を変える

その変化に巧く合わす事は難しく
知らない場所や物事は増えていく

かつて自転車で駆け抜けた通り道

その場所で過去を見付けてみた
その場所に思い出を探してみた

そして
なにかを感じたその場所で
一人シャッターを切ってみる

俯瞰するのだ

主役ではなく
観者として

そして
その場所に思いを見付けられたのなら

その場所は故郷となる。

 

僕の生まれた町は東京から電車で2時間。遠くもなければ近くもない。そんな微妙な距離感のせいで今では年に2度ほどしか帰ることはない。今では僕の生活は東京という街の上に完全に貼り付いてしまってしまっている。東京が言わば自分が作り上げていった世界だとして、生まれながらにしてそこにあった故郷という世界にはなにか特別なものだとずっと感じていて、過去2回やった個展ではどちらも故郷の景色をテーマにした。遠くに見える山、それが僕の好きな風景。その何でもない(であろう)景色にたくさんの自分の思いを詰め込んで知ってもらえたらいいなって。そんな力を写真は持っているような気がする。