メタゲームに見るカードゲームと世界

第23期(2015年10月-11月)

“メタゲーム”という言葉を知っているだろうか?

トレーディングカードゲームというのは、市販のカードを買い集めてデッキと呼ばれる紙束を作り、対戦相手と勝負する遊びの総称だ。

日本だと遊戯王やポケモンのカードゲームが有名だろうか。

トランプで言うと、大富豪。あとはUNOあたりが近い。

僕が愛するMagicはそんなトレーディングカードゲームの元祖と言える。

実際のところは、仕事で時間がなく、全く遊べていない。。。

さて、今回のテーマである”メタゲーム”という言葉は、このカードゲームの世界でよく使われている。

カードゲームというのは一般的に、2人のプレイヤーがそれぞれ持ち寄ったデッキ(カードの束)を用いて決められたルールに則って先に勝利要件を満たすというものだ。

僕は中学生の時にMagic the gatheringというトレーディングカードゲームと出会った。

日本だと遊戯王やポケモンのカードゲームが有名だろうか。

さて、では”メタゲーム”というのはどういうものなのだろうか。

それは、一言で言うと、今一番多いデッキ、強いデッキを読むこと。

そして、それに勝てる準備をすることだ。

カードゲームの世界では、大会などがあり、小さい大会で数十人、大規模なものだと千人を越えるものまである。

そういった大きな大会で結果を残していくためには、ゲーム外の駆け引きがとても重要になってくる。

例えば、じゃんけん。

100人の1対1のトーナメント式じゃんけん大会in東京があったとする。

普通に考えれば、勝利確率は1/100でしかないのだが、テレビでじゃんけんで日本人は最初にチョキを出す確率が高いという情報が流れたりする。

そうすると、その情報を知っている人たちはグーを最初に出す事を選択するようになる。

そして、東京の大会でグーが結果を残す。

その結果を知ったより多くの人たちが、一週間後の大阪大会でグーを最初の手として選ぶ。

しかし、その時にはグーが増えると予測した人たちがパーで行くと覚悟を決めて臨み、大阪大会を制する。

次に、、、

という具合に、単純なじゃんけんでさえ何かしらの傾向が生まれればメタゲームは出来上がっていく。

現実には、カードゲームにはデッキごとの強さがあり、デッキ毎の相性だけでは勝敗はもちろん決まらない。

しかし、相性により勝率が大きく変わるのも事実である。

特にミスの少ない上級者同士の戦いでは、メタゲームを読むことはとても重要だ。

さて、ここまでは単純にカードゲームにおけるメタゲームのお話だったが、今度はそれをビジネスの観点で見ていきたい。

結論から言うと、カードゲーム業界はメタゲームがぐるぐる回るほど儲かる仕組みになっている。

なぜかというと、一つ最強のデッキを作ってそれでもうずっと最強となると、それ以上カードを買い足したりしなくても済むのだが、最強デッキは対策され、次の流行が生まれる。

そうやって回っていくと、ずっと強くあるためにはある程度のカード資産を持たなくてはいけなくなる。

強くあるためにお金がかかる状況になるのだ。

だが、これはプレイヤーにとって悪いばかりのことではない。

一概には言えないが、プレイヤーはメタゲームがぐるぐる回った方が楽しいと思うのだ。

ゲーム自体だけではなく、それ以前の情報戦の面白さがそこに加わるからだ。

1対1で戦うゲーム自体は戦術。そこにどのような準備をして臨むかが戦略。

しかし、カードゲームにおけるメタゲームの存在は、その戦略的な楽しさを広げるだけではない。

それはカード1枚1枚の市場価値の変化だ。

元々人気のなかったカードが、ある大会で結果を残すと、一気に値段が上がるというのはよくあることだ。

メタゲームによって、プレイヤーが持っているカード達の資産価値も移り変わっていく。

実は今Magicというカードゲームは僕たちが子供の頃に使っていた10年前のカード達が高騰している。

昔からずっと売らずに持ち続けていたら、どれほど得しただろう。

残念ながら、学生の時に金欠のため全てを手放してしまった。

ここで、カードゲームをビジネスとして捉えてみる。

カードゲームでお金が儲かるのは誰か?

まず思いつくのはカードゲームの大元の販売メーカーだ。

常に新しいカードを開発して、製造し、流通させる。

僕たちに明日を生きる楽しみを常に提供し続けてくれる存在だ。

そしてもう一つは、カードの販売店だ。

販売店には大きく分けて二つあり。

新品のカードのみを販売するお店と、いわゆる中古のカードを販売するお店だ。

そしてそしてもう一つ、メディアだ。

カードゲームにメディアと思うかもしれないが、昔から専門のメディアというのは存在していた。

昔は雑誌があった。今はもちろんWEBだ。

大会結果のデータベースやニュースメディア、読み物を提供するものもある。

それらは個人のブログのものが多かったのだが、今は立派に企業として運営しているものが見かけられるようになった。

メタゲーム自体は昔から存在していたのだけど、インターネットの普及で情報の広がる速度が上がり、結果的にメタゲームの流動性が増したのは間違いない。

メーカー、販売店、メディア、そして僕たちプレイヤー。

なんだか小さい世界みたいだと最近思う。

メディアに流されて、新しいカードを買おうと思っていたら既に高騰済みで、誰かが儲かった後だったりする。

ふとそれって、この世界の他の分野でも同じような仕組みで回っている事に気づいた。

ファッションは特にそうだ。

ロング丈が流行ったら、次はショート丈という風に順々に回っていく。

ある情報が流れれば、価値が変わる。

次の世界を読み合いながら、戦っていく。

カードゲームは楽しむものだから、それでお金を払って楽しんでいるからいいのだ。

僕たちはどこまでがゲームの中で、どこからがゲームの外なのだろう。

この世界のメーカーは誰なんだろう。