星空書簡3-流れ星の降る夜

第29期(2016年10月-11月)

星空書簡3 -流れ星降る夜

こんばんは。日が落ちるのがすっかり早くなり、秋がひたひたとやってきます。
「秋の日はつるべ落とし」という言葉があります。気づくと、もう陽がおちてしまっているという意味
ですが、毎日ぐんぐん陽が落ちるのが早くなっていくのも関係しているように思います。
 先日の十三夜は見られましたか? こちら、山梨では残念ながらドン曇り、今年はほんとになかなか
よい空に恵まれません。でも、翌日の大学講義で学生たちに、見た?と聞いたら、結構手をあげた学生がいて、
ちょっとうれしくなりました。埼玉では晴れていたようです。

 さて、明日はオリオン座流星群のピークです。かつて、オリオン座流星群がよく見られるかも、というニュースが
流れたとき、どこをどう見ればいいのかと問い合わせが殺到したときがありました。毎年、たくさんの流れ星を
見ることのできる流星群としては、お盆のころのペルセウス座流星群や12月中旬のふたご座流星群が有名ですが、
オリオンザ流星群は流れ星の数はそんなに多くないので、それまであまり知られていなかったのです。ある年、
今年は多いかも、という予想がニュースに流れ、「オリオン座」という星座のヒーローともいえるその名前と、
流星群という魅力的なものがくっついているので、多くのみなさんがものすごく興味を持たれたのだと思います。

 流れ星って、見るとうれしい気分になるのはどうしてでしょうね。流れ星を見たら3回お願いごとを唱えると
叶うと言いますが、その言いつたえは、たどっていくと、ウラル・アルタイ語族の神話のようです。
夜、空が暗いのは、神さまが天幕をかけてくれたから。星は、その天幕に神様があけたのぞき穴。時折、
もっとたくさん見たいと思って、布がちょっと裂けて神さまがこちらを見てくださる。神さまがみてくださる間に、
声が届くように、お願いごとをしよう、というワケなのです。流星群の日は、お願いごとをいう準備をしておかないとね。

 ところで、なんで、○○座流星群っていう星座の名前がつくの? そもそも流星群って、なんで毎年同じ日に
やってくるの?という質問をよく受けます。流れ星は、宇宙空間を漂う砂粒ほどの小さなちりが、地球の大気に
ぶつかって光る現象。そういうと、学生たちは、「流れ星がゴミだなんて、残念・・」と言ったりします。
いやいや、ゴミじゃないのです。その「ちり」がどこから来るか知ったら、とってもロマンなのだから。
 流星群は、流れ星のもとになる「ちり」がたくさんある場所へ、地球が入っていくときに起きます。
地球は太陽のまわりを1年かけて回っていて、その軌道上に「ちり」がまとまっている場所がいくつかあり、
そこにぶつかるたびに流星群がおきるので、毎年同じ時期に見られるワケなのです。そして、「ちり」が
まとまっている場所を産み出しているのは、彗星、つまりほうき星なのです。彗星は太陽系はるか遠い
ところからやってくる旅人。そんな彼らがおいていってくれるものが、最後に流れ星になって、誰かを
喜ばせてくれるなんて、素敵な話です。
 オリオン座流星群の場合、「ちり」を産み出しているお母さん彗星(母彗星)は、ハレー彗星。地球から
見ていると、それがオリオン座のほうから四方八方に流れるように見える。
 明日は、実は月が結構明るいので、決して一番いい条件ではないのだけれど、明るい流れ星も多いと
言われるので、ぜひ、チャレンジしてみてください。

 もう夜はすっかり寒いけれど、温かくして、できれば大地に寝転んで、視界を全部空にしながら、
星を見ることをおすすめします。そうしたら、流れ星が流れなくても、なんだか自分と地球が一体化して
宇宙の中に浮かんでいる感覚がじわじわやってきて、地球にはりついてまわっていることもきっと
実感できるはず。そして、もし流れ星を見ることができたら、私にもお便りください。good luck!

ryusei