遊びの話

第40期(2018年8月-9月)

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あそび【遊び】
①遊ぶこと。遊戯。
②猟や音楽のなぐさみ。
③遊興。特に、酒色や賭博をいう。
④あそびめ。うかれめ。遊女。
⑤仕事や勉強の合い間。
⑥(文学・芸術の理念として)
 人生から遊離した美の世界を求めること。
⑦気持のゆとり、余裕。
⑧機械などの部材間・部品間に設ける隙間。

あそ・ぶ【遊ぶ】
日常的な生活から心身を解放し、
別天地に身をゆだねる意。
神事に端を発し、
それに伴う音楽・舞踊や遊楽などを含む。

−『広辞苑 第七版』より抜粋 −

あなたはいつもたのしそうだね。

私は幼い頃からこう言われることが多かった。
こんなにもきらきらと輝く美しいものが
ワクワクするたのしいものが
時間が足りなくなるほどの遊びが
この世界には溢れているのに、
どうしてたのしくないのだろうと
私はずっとその言葉の意味がわからないままでいた。

社会に出会って私はやっと
昔から言われていたことの意味を理解した。
なるほど。あの人たちは世界ではなく社会を見ていたのか。

社会というのは確かに
いつでもたのしくいられる場所ではないようだ。
理不尽な出来事は星の数ほどあって、
つらいことや悲しいことが当然のように寄り添ってくる。
誰もが正体のわからない何かに対して不満を抱き
怒りを覚え、そして疲弊している。
嬉しいことや楽しいこと
目を見張るような美しいことだってあるけれど、
それらを覆い隠してしまうほどの
プラスだけではない感情が
うんざりするほど溢れている。

私が最後に提案する遊びは
「遊びを見つける遊び」だ。

この世界に間違いはない。
これはまだ目覚めたばかりの私が
眠気まなこで見つけた自分なりの答えである。

世界は地球のように球体で
くるくると回転しながら様々な表情を見せる。
そのどれもが本物で
大切にしなければならないものだけれど、
非力な私たちはその一面しか見ることができない。
そうであるのならせめて少しでも
自分の望む一面を見ようではないか。
そう努力をすればいい。
気負わず、けれども切実に。

日常の中から遊びを見つけることは
社会が持つ美しい姿に
あなたの世界に
目を向けるということである。

空想じみたことだっていい
人には言えないようなくだらないことだっていい。
なんだっていいのだ。

こうすれば
こう考えれば
こう切り取ったら。

いつだって
そうやって
何度だって。

世界とどこまでも親密で
だけれど呆れるほどに新鮮だった
子どもの頃の目線で、あなたの視点でまっすぐに見つめる。

そうしたらきっと、
社会は分厚いベールの隙間から
あなたにだけこっそりと本当の姿を、
その美しく輝く世界を見せてくれるだろう。

遊びを見つけることは私と世界を繋ぐ魔法である。
それはあなたと世界を繋げる魔法でもあって、
私とあなたを繋げる魔法にだってなるだろう。

私は私の世界しか見ることができない。
あなたの世界を知ることはできない。
けれど、あなたが世界とどうやって遊んでいるのか
その魔法だけなら知ることができる。

私が教えられる魔法はここまで。
さあ、次はあなたの魔法を私に教えて。