Mais ou Menos #4 −裏でも表でもないわたしたちの往復書簡−

Mais ou Menos

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2015.2.4 (水)

まちゃんへ

 今年に入って何かに追い立てられるかのように映画を見ています。自分は小さい頃から本当に映画が好きなのだけれど、その熱をまた思い出したような感覚(実際忘れたことは一度もないが)に捉われています。映画を見て、その話の中に自分も入っていって、また現実に戻ってきて、また映画の世界へ入って、と繰り返しています。それが今、すごく心地良いです。もちろん、ずっと映画を一日中見ているわけにはいかないので、時間を見つけて、少しずつ見ているという感じなのですが、これをしていることで私の精神は安定している気がします。

 自分はいつ頃から映画が好きだったのかという最初の記憶は物心ついた頃、父といっしょに父の見る映画を横で見ていたのが始まりだと思う。私の映画好きは、父からの影響が大きいと思う。父も映画が好きで、いつも見たい映画を録画しては、休みの日にずっと見ているというのが常でした。だから、映画館で映画を見るよりも、家で録画した映画を見るというスタイルでした。今思うと当時はWOWOWなどの映画専用のチャンネルサービスにも登録せずに、あれだけの映画を録画していたのだから、やはり今よりもテレビで放映される映画がすごく多かったんだと思う。
 父が映画を見ているところを発見し、私がその映画を途中から見だして、あらすじを父に説明してもらい、途中からでもすごく夢中になって見て、見終わったらまたもう一度巻き戻して最初から見直すということをよくやっていました。その当時本当に繰り返して何十回も見ていたのは、『グーニーズ』、『幽幻道士シリーズ』、ジャッキーチェンの映画、『インディ・ジョーンズ』、『悪魔の毒々モンスターシリーズ』、他にもあった気がしたけれど、今思いつくこのタイトルは数え切れないくらい見た。父はヤクザ映画好きではあるが、特に偏りなく様々なジャンルの映画を見ているので、私もそれにつられて、いろいろなジャンルの映画を見ていました。

 映画を見ているときは、どんな嫌なことも忘れることができて、そしてその映画のストーリーの中に入れるというか、新しい世界を知ることができるのが私は大好きでした。今も大好きです。映画がなかったら、今頃死んでいたと思う。それくらい私の中では映画は私を支える大きなものです。まちゃんともいろいろな映画を見たいけれど、まちゃんは映画が苦手なので、それぞれのペースで楽しんでいけたらいいなと思っています。

P
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Pちゃん

今年に入ってから、映画をたくさん観ているね。わたしも珍しく一緒ですね。わたしは本当、映画が苦手。物語の中に入りこみすぎて、心臓がバクバクする。感情移入しすぎて体力使うから……でも、よく観てるよね、わたしにしては。

でも、なんというか、Pちゃんの子どもの頃、映画が今のPをつくるのに貢献してきたことを考えると、映画の力ってすごいと思います。思い出のそこかしこに映画が散らばっているの素敵。比べることに意味はないけれど、わたしの子ども時代は、これといった映画もなく、それにまつわる記憶もなくて、なんだかさびしい。思えば、子どものころから目の前の状況を楽しまず、どこか別の”世界”(?)を夢見てばかりだったな。子どものころの思い出が、最近は思い出せません。自分が空っぽに思えるのは、そういうすてきな思い出がないからなのかなあ……。親には愛されていたし、幸せな子どもだったはずなんだけど……
映画のこと書こうとしていたのに、なんだかネガティブな感じになってしまったね……。

一緒に観れてよかったのは、グザヴィエ・ドランの『わたしはロランス』。個人的には、今まで観た映画の中で一番良かったです。わたしにも、Pちゃんにもロランスのような面(芯がぶれない面)と、フレッドのような面(揺れうごく面)があるせいか、のめりこんでしまった。ハッピーエンドではないけれど、希望を感じるし、前進するしかないと思わせてくれる映画だった。あ、ドキュメンタリーも沢山録画してるの観よう。

今日の夕飯はタブーリにするね。楽しみにしてて。

2015.2.5 (木)
Maysa