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Mais ou Menos #43 —裏でも表でもないわたしたちの往復書簡ー

Mais ou Menos

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ぴちゃん

お疲れ様です。ようやく週末だね。この一週間は割と元気に過ごすことができたので嬉しいです。暖かくなってきたからなのかな。

先月、これまでで一番体調が悪いひと月をすごして、改めてこうやって“元気”でいられることに喜びを感じます。

正直にい言うと、先月は、自分はこんな”miserable”な状態で死ぬのかなって、死ぬことばかり考えていました。辛くて、もう生きているのが嫌だって思うこともあった。

↑こんなこと言ってるものの、本当は自分が”miserable”ではないこともきちんとわかってるの。日々、今の自分たちの生きてる環境に感謝してるんだけれど、そういう自分の感謝の気持ちより、マイナスな思考が優勢になることが多かった。ブラジルに帰ることも考えた。

GWの間は、ゆっくり休むことに専念したからなのか、今は死ぬことに対するマイナスな気持ちは落ち着いています。やっぱり体の不調と心の不調って複雑に関連してて、疲れることで、坂道を転がりおちる勢いでダウンするんだね。

休んでいた間、いくつか本を読んで、自己分析する時間を持つことができたこともよかったのかも。これまでは、自分の短所と思っていた、ソーシャルスキルの低さや、思考パターンや、行動パターンには、生まれもった気質が関係していることがわかったの。私は集団の中にいることがストレスになるタイプの人で、一人で考える時間やゆっくりする時間が必要だということや、脳の働き方やホルモンの関係で人一倍疲れやすく、疲れがとれにくいことが科学的な観点から証明されてることに心底ホッとしたの。これまでの、「なんで自分はこんな風なんだろ?」の科学的な理由付けがわかって、すごく心が軽くなった。もう、自分のことを責めたり、咎めたりしなくていいんだと思えたし、自分のことをダメな人間と思う前に、「あ、これは私も脳の働きや思考パターンのくせだから、そんな風に思わなくていいんだ」って一歩立ち止まって、冷静になれた。

自分のことを、今までよりもう少し深く理解できたの。

5月でちょうど発病から一年になるなかで、自分の考え方や生き方が知らず知らずに自分自身にストレスを与えてたことを、遅ればせながら気づくことができて、病気になったのも仕方がないと思った。これからは、そういうストレスはできるだけ回避して、自分が楽になれることにフォーカスしたいな。

ぴは毎日、新しい環境で沢山のことを学んでいるから、平日は頭がいっぱいになっていると思う。だから休日はリラックスして、きちんとストレスを発散させよう。

さてさて、そろそろスプリングクリーニングという名の断捨離スタートです。頑張ってきます。

Maysa

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まちゃんへ

お疲れ様。5月に仕事が変わってから、毎日体を動かしているせいか、不安や心配事が減った気がする。
でも、その間まちゃんの体調が悪く、こんなに苦しい思いをしていたとは知らず、自分のことばっかりで必死で周りを見る余裕もなかったことを反省しています。

GWに今年はゆっくり過ごしたことがよかったようで嬉しいです。まちゃんは体調のこともあるけど、うちらは内向的なタイプやから、一人でゆっくり過ごす時間が必要やもんな。
どこかに出かけることも楽しいけど、家の掃除をしたり、断捨離をしたりすることのほうが、気持ちが良くなるというのが最近わかってきた。
家がきれいな状態、自分のものが把握できている状態が保てなくなることが、しんどさにつながることがわかった。

まちゃんが発病して1年。1年前から、まちゃんの死や自分の死、身の回りの人の死を意識するようになった。いつ死んでもいいように、行動が変わったと思う。だから、仕事も変えたし、これも2人の進みたい道に近いほうだから選んだ。今できる最善のことをやっていきたい。

今日、おじいちゃんが亡くなったと電話で聞いたときは、心の準備はできていたから、すんなり受け入れられたと思う。
悲しいんやけど、でも、それが自然なことだから。

話は変わって、今一番一所懸命やっていることは英語。
楽しいし、もっと早く上達したい。海外に行きたいし、もっと英語でたくさんの人と話してみたい。英語の映画や動画をわかるようになりたい!!
あとは、香りに関することに興味が湧いてきています。これも、今やっている仕事に関係あるので、ぼちぼち学んで楽しめたらと思う。
大変やけど、今の生活はすごく好きです。
Pも断捨離しにいきます。

2018.5.12

P

Maysa Tomikawa

Maysa Tomikawa

1986年ブラジル サンパウロ出身、東京在住。ブラジルと日本を行き来しながら生きる根無し草です。定住をこころから望む反面、実際には点々と拠点をかえています。一カ所に留まっていられないのかもしれません。

水を大量に飲んでしまう病気を患ってから、日々のwell-beingについて、考え続けています。

PQ

PQ

ゲームと映画が好きです。
国籍も性別もない。

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