長期滞在者
少し前に、不思議な夢をみた。夢であるから、夢の中の事象が事実というわけではないのだけれど、それを信じたいという気持ちでいる。創世記、と聞くと真っ先に聖書を連想すると思うのだけれど、わたしが夢でみたのは、わたし自身の創世記であり、とある人物とのはじまりだった。 すべてのはじまりは、神々の園でのこと。はるか昔、わたしは木々が生い茂り、花々が眩しく咲き乱れる神々の園に住んでいた。ひとは神々と共存して…
当番ノート 第14期
携帯電話のない一週間を過ごしていて、復活したら、世界はやっぱり回っているのですね、平吹正名です。 簡単に繋がれないからこそのストレートな感情の発露、会えることの喜び、抱きしめること。 やっぱり、自分の知らない感情を知ることに喜びを感じてしまいます。 今日で四月が終わります。春になると、ゆらゆら帝国というバンドの曲を聴いてしまいます。 春×ムサビ×ゆら帝 が、四年前に役者として、初めてムサビの授業に…
当番ノート 第14期
シュークリームは「おやつ」色が強い。 でもそのシュークリームがプチサイズになって 重なり、土台となったサントノーレは しっかり「ケーキ」感がある。 同じシュークリームだけど 手掴みで食べても良い気楽さと フォークという 1ステップを介して食べる違いでしょうか。 それとも単にデコレーションの加減かな。 スポンジの有り無しだけでもないし ケーキの定義って、人によって異なりそうですね。 シュークリームが…
当番ノート 第14期
誕生日を迎えた。 33歳。 そんな年齢になったなんてやはり実感があまりない。私は相変わらず子供だ。 周りの同じくらいの世代、上の世代の人もそれぞれ子供な面をみることは多い。子供の時には、33歳なんて完全に大人で、自分とは全く異なる存在で、ただただ別な存在な存在として仰ぎ見るものだったから見えなかったのだろう。同じ標高に登るとこの年齢でもそれほど完璧な存在にはなかなかみんななれていなと分かる。 誕生…
当番ノート 第14期
1989年5月1日 最高気温18℃ 最低気温9℃ 曇りのち雨 先日ピゴの部屋を訪れた時、彼が昔クローナと二人でした小旅行の話を聞いた。旅の写真の数々を囲み、夜通しアルコールを飲みながら(ピゴは海水ばかり飲んでいたが)語り合った。アルバムに几帳面に貼られた写真に写る彼と彼女はとても楽しそうだった。アイスランド、フィンランド、グリーンランドなどの寒い地方の写真がとても多く、オーロラの写真がびっしりと…
当番ノート 第14期
今日も夢に見たものを描いた。 小さい男の子から赤ちゃんをもらった夢。変な夢だったなあ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
虫の譜
ヒシバッタは、その名の通り上から見るとひし形をしたせいぜい1センチほどの小さなバッタだ。たいてい地面にいる。バッタと言うと草の上にいて緑色で細長いのがスタンダードだから、知らなければ彼らを見かけてもバッタだと気がつかないかもしれない。ひとたび存在を認識すれば、そこここで目にする普通種だ。 かれらの面白さはバリエーション豊富な背中の模様にある。色も柄もさまざまで、個体差の大きい昆虫の例としてよく取り…
当番ノート 第14期
「 オオカミと少女 」 少女とオオカミはいつも一緒。 深い森の奥でひっそりと暮らしていた。 少女はだんだん大人になり森の寂しい暮らしより 街に出て知らない世界をみたくなった。 オオカミは森の入り口で少女の帰りを待ち続けていた。
当番ノート 第14期
僕はいつもより早い時間にトーストを焼き、恋人はカフェ“ラテ”を淹れていた。小さいクモの「タジマさん」の姿はここしばらく見ていない。ぐっと寒くなってきているから、どこか薄暗い隙間の奥でじっとしているのだろう。「タジマさん」がそうしてくれていることは「タジマさん」にとっても、僕らにとっても都合がよかった。というのも、恋人はクモに限らずムシの類いが得意ではなかったからだ。もし、「タジマさん」が不用意に…
当番ノート 第14期
こんにちは、平吹正名です。正名という名前は、母親が大学生のときのゼミの先生から頂きました。 と、 春に文句のひとつも言いたくなる寒さの毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか? この一週間、武蔵野美術大学映像学科の授業に行っていました。 僕は主に、生徒たちがお芝居をするのをみたり、自分もお芝居のデモンストレーションをしたりしました。 お芝居は、携帯電話を見た見られたという状況の、短いテキストを用いました…
当番ノート 第14期
アメリカで過ごした高校時代、 ケーキと言えば ほぼホールで箱買いでした。 クリームとカスタード山盛りなバナナパイ。 食べ物なのに「自然界にはありえない」ドぎつい着色のバースデーケーキ。 舌に砂糖のザラっとした食感が残る、 チョコレートフロスティングたっぷりのデビルズフードケーキ… などなど記憶の中のケーキは全てインパクト大で 味はともかく、見かけと 皆で切り分けて食べる楽しさがありました。 トルコ…