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2F/当番ノート

ケーキと廻る世界

当番ノート 第14期

cake_04
アメリカで過ごした高校時代、
ケーキと言えば ほぼホールで箱買いでした。

クリームとカスタード山盛りなバナナパイ。
食べ物なのに「自然界にはありえない」ドぎつい着色のバースデーケーキ。
舌に砂糖のザラっとした食感が残る、
チョコレートフロスティングたっぷりのデビルズフードケーキ…
などなど記憶の中のケーキは全てインパクト大で
味はともかく、見かけと 皆で切り分けて食べる楽しさがありました。

トルコを訪れた時も アメリカ同様、ケーキはホールで売られていました。
パンは素朴で旨味があって幾らでも食べられたのに
ケーキ他 お菓子類はどれも脳に突き刺さる様な濃い甘さで
美しく彫り深い顔立ちのトルコの人々のようでした。

パリで見たケーキ店では ホールもピースも鮮やかにディスプレイされ
さすが芸術の都、繊細で美しい造形に溢れていました。

そんなに沢山の国に行ったわけではありませんが
それぞれの場所で見たケーキは
その国に抱いていた印象や想像と大きくは離れていませんでした。

行った事はないけれど、
ドイツのケーキはバウムクーヘンやシュトゥルーデルなど
シンプルで素朴。お菓子ですらも実があるイメージ。

オーストリアはザッハトルテやクグロフなど
上品でシンプルに見えるけど、実はとても凝っていて
大人が頂くものという印象。

イタリアはティラミスやカッサータなど
しっとりと水気を含み、尚且つ こってり。
ステレオタイプですが 恋愛の達人イメージにピッタリ。

持論ですけど、これは結構…
ケーキからそのお国柄が見えてくるという事、あるかもしれません。
ピースで食べるかホールを切り分けて食べるか
ピースを色々買ってきて皆で悩みながら選ぶか。
その国ならではの人との関わり方もある気がします。

絵は大型輸入食品店で見つけた冷凍のニューヨークスタイルチーズケーキ、アメリカ産!
懐かしくなって思わず箱買いです。

栗原 由子

栗原 由子

1976年生まれ
筑波大学修士課程芸術研究科日本画専攻修了
グラフィックデザインデザイナー兼、日本画家。
褒め言葉の代わりに絵を描いています。

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