長期滞在者
職場に去年から入ってきた若い女子が、聞けば相当ディープにプロ野球の、しかもここは関西なのに北海道本拠のファイターズの大ファンなのだという。タイガースかバファローズなら観戦も楽なのに、因果なことである。 もちろん定期的に北海道にも行くし、普段は京セラドームのバファローズ戦に通い、超望遠レンズをレンタルし、記者席横の特別ブースの料金を支払い、ファミリー向けの小さな一眼レフ(EOS kiss X7)をレ…
当番ノート 第23期
When Where Who The Period, The Place, The Person あの時期あの場所あの人 【第三回:1996バンクーバー 】 1996年バンクーバーのあの人は アイデンティティが国籍や民族性だけでないことを 気づかせてくれた。 霧の多いカナダの島にある高校を卒業して、カナダ第三の都市、 バンクーバーの大学に進学する事を決めた。 ブリティッシュコロンビア州。ブリティッ…
長期滞在者
大阪の吹雪大樹さんが主宰しているギャラリーアビィでは、感想カードが備え付けられていて、作家が不在の時や直接話すのが苦手、という人はそこに展覧会を見て思ったことを自由に書いて、会場を後にするというシステムがあります。 先日吹雪さんのツイッターだったと思うけれど、その時に開催していた展覧会の感想カードが、私の予想を遥かに超える膨大な量の紙の塊のようになっている図像を目にして、思わず声を上げてしまいまし…
当番ノート 第23期
拝啓 名も無き人々へ おおまるこさんのツイートに導かれて今夜は岩田慶治さんの本をもそもそと読んでいる。そうしたら「根の国」のはなしが目にとまった。天上と地上。その下にある地下。地中。「根の国」。 三元の世界はでも、天と地が一であるならば、それは二 。「根の国」には何度も行ってきたから僕はそれをよく知ってる。 それでいまでは、地上と地中の日本神話の二元世界がほんとうは一の世界であることも知ってる。地…
当番ノート 第23期
ビンディーはもともとヒンドゥー教寺院に参拝するとおでこに塗ってもらうティラックの印(色付きの泥のような)の 発展型だとおもうけど、これは信仰を表すとともに魔除けでもあるが もともとは瞑想中に第三の目”アギャ・チャクラ”の点が熱をもち、脳を傷つけてしまうので白檀を塗って冷やす、というものであったという。 現在、どの瞑想でも塗るわけではないので、熱を持つのはたしかだが本当に脳を…
Mais ou Menos
———————— まちゃんへ 今日、『ゴーン・ガール』という映画を見ました。デイヴィッド・フィンチャー監督のミステリーで前から少し気になってたやつです。で、見ながら、まちゃんが1番嫌いなタイプの映画だなと思いつつも最後まで鑑賞したんですが、これサイコ系映画だった。そして胸糞悪い気持ちになった。 一言でい…
当番ノート 第23期
身体について、なんて大風呂敷を広げたけれど、やはり僕に書けるものといえば日常生活とその周縁のことでしかない。でも確実に言えることは、身体は謎に満ちているし、多義的で魅力的だし、センシティブで取扱い注意ってことだ。 たとえば緊張することは自分で制御できるものではないし、恐怖や孤独といった問題は、精神の問題というよりも、身体の問題であるように思う。病気になることだって身体のわけのわからなさの一例だ。差…
the power sink
表題:僕は脳をむき出しにして現状を把握しようとしているけど、何の手がかりもないし、体はどっかいってしまった こんばんは!今回も絵を載せる。それではよろしくお願いします! 飛んでいるかのように見えた男は、ずっと前から地面に倒れているだけだったんだね 全身の力を抜いて、吹き飛んだり(滑り込んだように)倒れ込んでみたりする 流れる川を見ている 長く…
当番ノート 第23期
僕は漫画が好きです。 週刊誌を1冊購入し、その他3冊を立ち読みで各誌2~3漫画ずつ読んでいます。 大人になると、立ち読みというのはちょっと申し訳ない気持ちにもなります。 表4広告(裏表紙)には立ち読みでコンビニ外に宣伝する分も加算されてるだろう(実際はわかりません。たぶんないと思います。)なんて、自分勝手な理由をこじつけて罪悪感をごまかしたり。 私はパートナーと二人で暮らしています。 ある日、仕事…
長期滞在者
蓋のある箱が好きです。 手に乗せられる大きさなら尚良い。 手の上に乗っているのに、その中身がわからない。 まだ読んでいな本を手にしているのに似て、静かな興奮を誘うものです。 自分にとっての理想的な箱、極端な例は「海底二万海里」のノーチラス号でした。ネモ船長が己の知力と財力を結集して、世界中の美しい絵画、剥製、鉱石、この世の全てをあつめた、海底を進む驚異の部屋。 ココアの箱に、可憐な少女が描かれてい…
当番ノート 第23期
When Where Who The Period, The Place, The Person あの時期あの場所あの人 【第二回:1992東京】 1992年東京のあの人は 訪問する旅の始まりをくれた。 住んでいた場所から飛行場まで車で15分。今はなき、香港啓徳空港。 ビルの合間を縫ってひっきりなしに着陸する飛行機の行列。 爆音と機体のお腹を真上にみながら登校することが日常で、 飛行機や空港は生活…