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2F/当番ノート

5月8日、パリ

当番ノート 第2期

パリ入り。
到着早々、遅れてきたルーキーの私はリハーサルです。
もう出来てる作品に後から入るプレッシャーは相当です。
すでにロンドンから始まり、香港、日本、ニュージーランド、ウルフスブルグ、ローマ、まだあったと思うけど、聞いたのはこんぐらいかな。
んでこないだのケルン。
その前のクリエーションもアントワープ、日本でやったり日本とは作品にかける時間と熱意とお金が違います。
アートは金にならないと思っていた日本では話にならないです。
こっちは一度良い作品が出来てしまえば、あとは製品になって海外に売りまくるって方向になっていくんですね。
一つのプロジェクトでいろんなところに仕事が増えていく。
アートのハッピーなサイクルな気がする。
勿論みんながみんな作品創って売れるほど甘くはない。
はっきりいってそこは相当シビア。
でも何よりアートの根本的作り方が違う。
そして今回のプロジェクトの良いところはラルビの振付作品をずっと踊り続けていくという事。
日本では仕事ごとに毎回違う現場に行ってました。
でもそれは本番が終わってしまえば流れていく砂のよう。
でも一つの作品に携わり続ける事、それはドリップ珈琲を入れるように時間がかかり、なおかつ味も深みも変わっていく。
これがアートの神髄だなと。
一回の公演では気づかなかった事、身体的に出来なかった事、テクニカル的なタイミングなど様々な発見がある。
それが毎日の変更に繋がるし、作品が進化していく事に繋がる。
一回きりの刹那的な日本の舞台もいいと思う。
その一回までに積み重なっていく努力と熱意の時間は一緒だから。
そして一回にかける集中力は鍛えられる。
しかし残っていかない。
こっちは良いものが出来たらしっかりと残っていく。
アートは文化であり、エンターテイメントであり、お客の心に残るもの。
舞台として製品として、形になっていかないものはやはり勿体ない。
日本はせっかくいいもん創ろうって人がいるのにさ、もう少しなんとかなっていかないかな。
舞台はこなすものではなく、関わる人間が創るもの。
たとえどんなパートであったり一瞬の出番でも自分が空気を創っていく。
やらされてると思った時点ですでにアートとはほど遠い。
どんな仕事でも自分がクリエイティブな姿勢で舞台に関わる事が大事なんではないだろうか?
自分の人生の時間使ってさ、仕事する訳でしょ。
楽しみたいし、誇り持ちたいし、いい酒飲みたいし、オンナにモテたいじゃん(笑)。。。
と今日のランスルーのリハで思ったのでした。
パリという土地はアカデミックな感覚を呼び起こしてくれるんでしょうね。
にわかパリジャンの夜中の戯言だぜベイベー。
おやすみなさいzzz

5月10日
パリ本番二日目。
昨日初日で大成功でした。
昔一緒に踊ったパリ在住のなつみも見に来てくれました。
パリで再会出来るなんてロマンティック!!
いえ〜い。
いろいろ助けてもらって感謝感謝です。
ご縁とはかくも有り難い。
一緒にご飯食べて満喫の初日。
二日目の今日はまた新しいパートに加わるため初日みたいなもの。
一人早く来て個人練習っす。
日々試されてる感じがいいですね〜。
十分な時間を与えてくれない中の緊張感ありまくりの本番は鍛えられます。
振りが入ったらもう本番みたいなノリです。
ノリがいいです。
昼からビール飲んでも本番いけちゃうダンサーもいます。
日本と何から何まで感覚が違います。
enjoy lifeって事か。
勿論自分もenjoyしてますよ!!
今日は美味いステーキ食ってきました。
こっちの肉は油が全然ないから、結構な量をぺろっといけます。
美味し。
日本の肉より好きかも。
味付けは日本が一番ですけどね。
そろそろ日本の蕎麦が食いたいっす。
毎日主食がパンかイモですからね。
う〜むI love JAPAN.
Yes.
ぐっどないとzzz

原田 みのる

原田 みのる

19歳より舞踊の道へ。07年シルク・ド・ソレイユポテンシャルアーティストに認定される。07~08年noism所属。10~12年3年連続で香港のNgau chi wan civic center に6大陸のソロダンサーに選出され、演出振付作品を発表。他にもHawaii Tau dance theater、新国立劇場に作品を委嘱されるなど演出・振付家としても才能を発揮している。
自身の創作の他に島崎徹・上島雪夫・金森穣・加賀谷香・能美建志等の作品に参加し精神性の高い踊りと柔軟性溢れる感性をみせる。
12年5月よりベルギーの振付家シディ・ラルビ・シェルカウイの世界ツアー作品に参加。

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