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2F/当番ノート

②『宿にこそ、冗談を』

当番ノート 第11期

ここで友人が体験した、小話を一つ。

老若男女問わず誰もが参加できる俳句大会でのこと、先生と呼ばれる方がその会場に集まった皆に、こんな質問をした。
「みなさん、俳句を作る時は何を飲みながら作りますか?」思い思い考えて、それぞれ答える。

俳句歴40年のおじさん「うーーん、コーヒーかなぁ。。」 俳句歴10年のご婦人「わたしは、紅茶かしら」
俳句歴60年のおじいさん「わしは、渋い日本茶だな。ふむふむ。」俳句歴3年の女子高校生「私は、コーラかなっ」
俳句歴1ヶ月の小学生「僕は、唾(つば)っ!」

・・・。(一同呆然)

「つば」って。。
(そこにいた誰もがうなったと、いいます)

狙って言ったのではないにしろ、この小学生の子は、ごくごく普通の事を言ったのだと思いますが、見方を変えれば、ここに素晴らしいセンスを感じるとともに、絶妙なまでの冗談をも、感じます。

「宿にこそ、冗談を」
これがホトリニテのコンセプトであり、目指すべきところです。

先ほどの話ではありませんが、ごくごく当たり前だったことを、絶妙なまでの冗談で「宿」をあらわせられたら、いいな と思っています。冗談は、時として嫌味に変わるときもありますが、冗談が言い合える状況こそ豊かなものはないと思っています。ただ、それが対「お客さん」なのだから毎日、命がけ。

千変万化、宿に来てくださるお客さんも様々です。だから、そのお客さん、一人ひとりにあった「冗談」が必要なのだと毎日考えさせられていますが、かといって、何回も宿に来てくださるお客さんの顔が覚えられず、調子よく「うちの宿は、はじめてですよね?」と聞くと。「いや、3回目です」とかって言われた時は、本当にあせりました。そのお客さんは いい人だったので、今でも宿に来てくださっています。

お客さんから、いつも教えてもらえるのは「ものの見方」です。

いいも悪いも 変に決め付けるのではなく 違いが違いのまま 存在しうる そして「ものの見方が変わる」そんな冗談のような宿ができたら、嬉しい限りです。

高村 直喜

高村 直喜

富士山に一番近い湖、山中湖の湖畔でホトリニテという名の宿をやっております。好きな食べ物はイチゴ。心躍らされるもの、縄文土器。  写真は宿のゆるキャラ「ホトリちゃん」です。(富士を、かぶるバージョン)

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