かつてこの国には『FADER』という音楽雑誌があった。。というわけで今回はこの音楽雑誌FADER編集発行人でもあった佐々木敦さんの著書を取り上げてぜひ紹介したいなと思います。自分の知る限りこれまでご紹介してきた音楽含めたこの周辺の分野(とりわけインプロヴィゼーションとサウンドアート)について同時代性のある内容を日本で初めて書かれた方だと思いますし、自分にとっても影響は大きく、フリーインプロビゼーションからエクスペリメンタル・エレクトリックミュージック、サウンドアートまで幅広い分野に渡る分析と紹介記事は色褪せることなくいまでもよくページをめくります。
当時、自分にとってはかなり高尚な内容に思えたものですが、ある程度の時間を経過して客観的な視点で今回改めて読み返してみると、当時のメインストリームへのカウンターカルチャーとしてのミュージックとしてあったという意味ではかつてのパンクやオルタナティブと同じで、まるで音楽の『映画秘宝』とも呼べるディープな音楽批評・紹介雑誌として他では知りえないような当時最先端の音楽を紹介していたんだなと気付かされます。あまり気構えることなくそういった風通しの良いサブカル的な感覚で読み進めてみると音楽に興味のない方にも楽しめるのではないかと思います。
ちなみに原書は内容さながらまるで辞典のような分厚さ(そこもまた気に入っているのですが)でしたが去年、新ヴァージョンで2冊同時に再発されて現在は簡単に手に入れられるようなので興味を持たれた方はこの年末の帰省の機会にぜひ読んでみてはいかがでしょう~?
ex-music〈L〉ポスト・ロックの系譜
ex-music〈R〉テクノロジーと音楽
という感じで年末年始のバタバタでほんの僅かなさわり部分だけのご紹介になってしまいましたが、、
今年もどうぞヨロシクお願いしますっ